2017年03月03日 更新 | 3,793 views

肝斑にも効果的! トラネキサム酸がシミを改善するメカニズムって?

トラネキサム酸は、もとは止血や抗炎症に用いられる薬剤ですが、シミやそばかす、肝斑の改善にも効果的。紫外線やホルモンなどによって生成されるプロスタグランジンなどの、「シミをつくれ」という情報を阻害する作用により、メラニンの生成をブロック。L-システインやビタミンCと一緒に取り入れることで相乗効果も期待できます。

品川スキンクリニック池袋院 院長 神林由香

この記事は、品川スキンクリニック池袋院 院長 神林由香先生が監修しています。

止血などに用いられるトラネキサム酸は、シミやそばかす、肝斑の治療にも効果があると言われています。

もしシミや肝斑にお悩みなら、トラネキサム酸がどのように効果を発揮するのか、シミのできるメカニズムとともに確かめてみましょう。

トラネキサム酸はもともと止血、抗炎症剤

いろいろな薬が瓶からこぼれている画像

トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、体内の「プラスミン」の作用を抑える働きを持った「抗プラスミン剤」です。

プラスミンはたんぱく質分解酵素の一種で、血液中の血栓(血の塊)を溶かす作用を持っています。

そのため、トラネキサム酸は、病気や怪我による出血を止めたり、炎症を抑制する効果が期待できる医薬品として用いられています。

そのほか、皮膚のアレルギー治療薬に使用されることも。

しかし近年、トラネキサム酸は、メラニン色素の生成を抑え、シミを防ぐ美白効果が見込めるとわかり、飲み薬のほか化粧品などにも配合されるようになりました。

おもなシミの種類とその原因

そばかすのある女の子がこっちを見ている画像

女性の天敵であるシミは、おもに3つの種類があります。

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

シミにはいくつかの種類がありますが、もっとも一般的なものは「老人性色素斑」です。

顔や手、デコルテなど、紫外線を多く浴びる場所にできる、比較的境界がはっきりとしたシミで、 早ければ20代後半から現れることもあります。

雀卵斑(じゃくらんはん)

雀卵斑はそばかすとも呼ばれる、肌に点が散らばるような状態のシミです。

小さな子どものうちから現れることもあり、遺伝的要素が強いとされていますが、紫外線も悪化の要因です。

肝斑(かんぱん)

肝斑は30〜40代の女性に多く見られるシミで、目の下(頬の高い部分)に左右対称にぼんやりと広がることが特徴。

肝斑ができるメカニズムは完全には解明されていないものの、おもな要因は女性ホルモンのバランスや、洗顔やマッサージなどによる物理的な刺激(摩擦)と言われています。

シミができるメカニズムと、トラネキサム酸の働き

ウェディングドレスを着ている女性

紫外線や女性ホルモンなどによって肌に刺激が与えられると、ケラチノサイト(表皮細胞)に「プラスミン」や「プロスタグランジン」などの物質がつくられ放出されます。

これは、肌が炎症を起こしている状態。

プラスミンやプロスタグランジンは「シミをつくれ」というシグナルを出して、メラノサイト(メラニン色素をつくる細胞)を活性化させます。

このように、紫外線やホルモンによって肌の炎症が起きると、メラニン色素がつくられてシミになってしまうんです。

トラネキサム酸は、情報伝達物質のプロスタグランジンやプラスミンの作用を阻害する働きを持っています。 つまり、メラニン色素が生成される前に、ブロックすることができるんです。

トラネキサム酸の美白効果をより高める物質

白い髪の女性がさくらんぼをくわえている画像

トラネキサム酸と一緒に取り入れることで、メラニン色素の生成を抑え、シミを防ぐ美白の相乗効果が見込める物質があります。

L-システイン

シミをつくる情報を与えられたメラノサイトの内部では、「チロシナーゼ」という酵素が生成されます。

そして、メラノサイト内の「チロシン」というアミノ酸が、チロシナーゼにより活性化され、メラニン色素に変化してしまうんです。

L-システインには、チロシナーゼの生成を防いだり、チロシナーゼの働きをブロックする作用があります。

ビタミンC

ビタミンCは、チロシンがメラニン色素に変化するのを防ぐ働きや、チロシナーゼを阻害する効果を持っています。

また、 既にできてしまったメラニンの色を薄くする還元作用も持っているので、予防と治療の両方に効果的です。

トラネキサム酸は、血栓リスクに注意

赤いベールに包まれた女性の顔

トラネキサム酸は安全な成分で、副作用はほとんどないとされていますが、飲み薬の場合にはごくまれに食欲不振や吐き気などがあります。

また、トラネキサム酸は、もともとは血を溶けにくくし、止血用に用いられる薬。

そのため、まれに、血栓ができてしまうというリスクもあるんです。

脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など、血栓関連の疾患を持っている人や、ピルを服用している人(とくに35歳以上の喫煙者)は、必ず医師に相談をしましょう。

トラネキサム酸でシミ対策をしよう

女性がニットにくるまっている画像

トラネキサム酸は、シミができるのを阻止してくれる優れもの。

ただし、血栓ができやすくなったり、吐き気などの副作用もあるため、医師と相談しながら正しく服用できるように努めましょう。

written by nodoguro

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