2017年09月29日 更新
自力で改善できる? マリオネットラインが現れる原因と対策
「マリオネットライン」とは、口の両端からあごにかけて伸びる2本の線のことを指します。マリオネットラインの改善を目指すには、口もとの筋肉の衰えを防ぐための生活習慣の見直しやマッサージ、エクササイズ、ヒアルロン酸注入などのプチ整形、外科手術によるリフトアップなどの方法があります。
この記事は、品川美容外科横浜院 武内大先生が監修しています。
加齢とともに出現する、口もとからあごにかけての線「マリオネットライン」。
ほうれい線などとともに、顔が老けて見える大きな原因の1つです。
そのため、「口角を上げるとほうれい線やマリオネットラインが目立つので、なるべく人前で笑わないようにしている」という人もいるようです。
しかし、笑わないようにすることは、マリオネットライン対策としてはむしろ逆効果な場合もあるとのこと。
では、マリオネットラインの改善を目指すためには、どのような方法があるのでしょうか。
今回は、マリオネットラインが生じる原因と、対策についてくわしく紹介します。
マリオネットラインとは?

マリオネットラインとは、唇の両脇からあごに向かって伸びる2本の線のことで、40代くらいから目立ってくることが多いそうです。
人形劇に使われるあやつり人形「マリオネット」の口もとに入っている線に似ていることから、こう呼ばれるようになりました。
また、マリオネットラインは、鼻の両脇から唇の両端にかけてできるほうれい線の下にできるので、ほうれい線と合わせて「二重ほうれい線」とも呼ばれているそうです。
マリオネットラインができる原因
マリオネットラインは、以下の3つが原因で現れるとされます。
- 頬の皮膚や筋肉の衰えによる脂肪の下垂
- 口角を下のほうに動かす筋肉「広頸筋(こうけいきん)」のたるみ
- 上唇と口角を下のほうに動かす表情筋「口角下制筋(こうかくかせいきん)」の縮み、硬化
おもに、口もとから下あご、首にかけて広がる「広頚筋」のゆるみや、マリオネットライン周辺にある「口角下制筋」の萎縮によって、たるんだ頬の皮膚や脂肪が線状の溝としてあらわれることが多いようです。
マリオネットラインが現れやすい人

マリオネットラインが現れやすい人には、以下のような特徴があるようです。
- 笑うことが少ない
- 無表情、または表情が乏しい
- 口数が少ない
- いつも口をへの字に曲げている
- 食べものをよく噛まずに食べる
- 歯の噛み合わせが悪い、または片側だけで噛む癖がある
- 猫背
口もとの筋肉を動かすことの少ない人は「口角下制筋」を、猫背の人は「広頚筋」を硬縮させてしまいやすいため、マリオネットラインが現れやすいといわれているのです。
該当する項目が多かった人は、今からでも生活習慣を変えてみてはいかがでしょうか。
マリオネットラインの改善を目指す方法

マリオネットラインは、自宅で少し手間をかけるだけで改善、予防の効果が期待できます。具体的にどのような方法があるのでしょうか?
マリオネットラインの改善を目指す方法1:口もとのマッサージ
1つめは、頬のたるみを引き上げ、同時にしわの改善を目指すマッサージ。
- 口もとのマリオネットラインの始点に親指を当て、右側は左手で、左側は右手の手のひらで頬をやさしく覆うようにする
- 親指に軽く力を入れて、口角をひきあげるイメージで手のひら全体をゆっくりとこめかみのほうへ滑らせる
この2ステップを左右交互に5回ずつ行います。
マッサージをする際は、顔全体に美容液やマッサージクリームをたっぷり塗って、あまり力を入れすぎないようにしましょう。
マリオネットラインの改善を目指す方法2:口の筋肉を鍛える
マリオネットラインは、口まわりの筋肉の衰えが大きな原因となって生じるものなので、普段からよく噛んでものを食べるように心がけたり、よく笑うようにしたりすることはもちろん、口もとのエクササイズを行うことも有効といえるでしょう。
口の筋肉を鍛える方法は、2つあります。
口の筋肉を鍛える方法1:あいうえお体操
- 口を大きく開いて「あ」の状態にする
- 口を思い切り横に伸ばして「い」の状態にする
- 口をキュッと突き出すように「う」の状態にする
- 口を下の方に大きく開けて「え」の状態にする
- 口を前に出すように大きく開けて「お」の状態にする
一文字一文字をはっきりと大きな動作で行うことがポイントです。
また、あいうえお体操は顔のたるみの改善が目指せるほか、フェイスラインの引き締めなどにも効果が期待できます。
マリオネットラインの改善を目指す方法3:プチ整形
美容整形でマリオネットラインの改善を目指すというと、外科手術を想像する人がいるかもしれません。
しかし、皮膚の切開を必要としないプチ整形で、メスを入れずに改善を図れる場合もあるようです。
ヒアルロン酸注射
皮膚の内側に、「フィラー」(充填物という意味)としてヒアルロン酸を注入することで、シワやたるみの改善を目指すヒアルロン酸注射。
ヒアルロン酸は、体内で吸収されてしまうため、ヒアルロン酸注射の効果を持続させるためには定期的な治療が必要ですが、適切に治療が行われれば副作用などのリスクが比較的少ない治療法です。
また、ヒアルロン酸注射で注入されたヒアルロン酸は、専用の分解注射で溶解させることが可能なので、満足のいかない仕上がりになってしまっても修正しやすいということも大きな特長の1つです。
注入したヒアルロン酸が肌に生じている段差を埋めるので、軽度のマリオネットラインなら目立たなくなるでしょう。
ただし、注入量によってはヒアルロン酸の重みで、かえって頬の脂肪の下垂を促進してしまう恐れもあるようです。
再生治療
再生治療は、さまざまな種類の細胞を作る「幹細胞」や、細胞の増殖や分化を促す「成長因子(グロースファクター)」を投与することで、肌を内側から盛り上げてしわや凹み、たるみなどの改善を目指します。
マリオネットラインの改善を目的として、使用することは可能ですが、効果が感じられるまでに時間がかかることや、治療後徐々に増加していく肌のボリュームのコントロールが難しいこと、やり直しが利かないことなど、デメリットも多いようです。
照射治療
照射治療は、高周波を照射する「サーマクール」や、超音波を使う「ウルセラ」、レーザーで治療する「ダブロ」などの照射マシンで肌のリフトアップを図ります。
照射をして熱を加えることで肌を引き締め、内部のコラーゲン量を増やし、肌状態の改善を目指します。
照射治療は、外科手術が可能にするような大胆なリフトアップは難しいですが、マリオネットラインが浅い人や、外科手術は受けたくないという人におすすめです。
糸によるリフトアップ法
糸によるリフトアップ法は、糸でたるんだ皮膚を引き上げたり、皮膚の中に埋め込んだ糸の刺激で肌のリフトアップしたりして、マリオネットラインを目立たなくするというもの。
数あるリフトアップ法のなかでも特におすすめなのが、以下の2つです。
- たるんだ箇所を糸で物理的に引っ張り、改善する「フェザーリフト」や「スレッドリフト」
- 皮膚の内側に埋め込んだ純金の糸で刺激を与えてコラーゲンの生成を促す「ゴールデンリフト」
外科手術
口もとに深く刻まれたマリオネットラインの改善を目指すなら、外科手術がおすすめです。
マリオネットラインの改善に適した外科手術は、以下の2つ。
- 切開部分から皮膚を後ろに引っ張って持ち上げ、顔のしわやたるみの改善を目指す「フェイスリフト」
- マリオネットラインが現れる原因となる「バッカルファット」という頬の脂肪を除去する「バッカルファット除去手術」
フェイスリフトは、皮膚を切開するのでどうしてもこめかみや耳の前などに傷跡が残ってしまいますが、よく見ないとわからない程度のことが多いようです。
また、バッカルファットの除去手術は口の内側から行われるので、人目につく場所に傷あとが残りません。
マリオネットラインの改善を目指して若々しい印象に!

マリオネットラインは、無口な人やあまり笑わない人、口を動かさない人ほど生じやすいようです。
マリオネットラインの改善を目指す方法としては、ラインが薄い場合は自分で行うマッサージやプチ整形が、濃い場合は外科手術がおすすめです。
よく笑うことやよく噛んでものを食べることは、心身の健康にも良い影響を与えるので、日常生活のなかでも積極的に口の筋トレを心がけましょう。
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医療・薬剤に関する情報の指摘
武内大
セルフケアでは、医療機関で行う治療のようにな効果は期待できません。
予防やエクササイズ感覚で行うと良いでしょう。
なお、過度なマッサージや筋トレは逆にたるみの原因となってしまう場合もあります。