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2016年01月14日 更新 | 11,487 views

アトピー性皮膚炎の原因はアレルギーだけじゃない。最新の研究でわかった治療法とは

品川スキンクリニック池袋院 院長 神林由香

この記事は、品川スキンクリニック池袋院 院長 神林由香が監修しています。

一般的にアトピー性皮膚炎は、花粉症などと同じアレルギー性の疾患だと思われています。でも実は、最新の研究によってアトピー性皮膚炎の違う一面も見えてきました。アトピーには皮膚表面の菌やタンパク質が関わっているという研究結果から、今後の新しい治療方法が浮かんできたのです。

レースを切ない表情で見つめている女性出典:Weheartit

アトピー性皮膚炎についての研究の最前線では、日々新しい発見があります。

しかし画期的な治療法にはなかなかつながらず、いまだに多くの人がアトピーの症状で苦しんでいます。

そんななか、将来の治療方法への道を開くような、重要な研究結果が続けて発表されました。

科学的な内容なので非常に難しいのですが、できるだけわかりやすくご紹介します。

アトピー研究の最前線をのぞいてみましょう。

アトピー性皮膚炎の原因は細菌?

乾燥気味の唇の女性出典:Weheartit

人間の皮膚にはいろいろな種類の細菌が、数えきれないほどたくさん住んでいます。「気持ち悪い」と思うかもしれませんが、これは自然界ではごく普通で当然のことです。

それどころか、皮膚の常在菌は私たちの肌を正常に保つためには欠かせない存在。

ただ、アトピー性皮膚炎に、ある細菌が大きく関わっていることが突き止められたのです。

それが「黄色ブドウ球菌」です。

黄色ブドウ球菌とアトピー

体操座りをしている手足の細い女性出典:Weheartit

黄色ブドウ球菌は感染症(細菌やウイルスなどによる病気全般)の原因として有名です。

そして、アトピー性皮膚炎にかかっている人の皮膚の、とくに炎症部分にこの黄色ブドウ球菌が多く存在していて、さらに症状がひどいほど菌の量が多いことは、これまでも知らていました。

しかし、アトピー性皮膚炎との関係ははっきりとはわからず、治療に生かされてきませんでした。

ところが最近の研究によって、黄色ブドウ球菌がある2つのパターンでアトピー性皮膚炎を引き起こすことがわかったのです。

1. アレルギーを引き起こす、免疫細胞への刺激が原因のパターン

ひとつめは、黄色ブドウ球菌が皮膚の表面で作り出す「デルタトキシン」という毒素がアトピー性皮膚炎を引き起こすパターン。

このデルタトキシンが、アレルギーを引き起こす免疫細胞を刺激すると、免疫細胞から肥満細胞に刺激が伝わります。

その結果、肥満細胞がヒスタミンというかゆみのもとになる物質を出し、皮膚に炎症が起こってしまうのです。

こちらのパターンは、アレルギーによる反応といえます。

2. 毒素が直接脂肪細胞を刺激するパターン

2つめのパターンは、毒素が作られるところまでは同じものの、その先の反応が違います。

毒素が直接肥満細胞を刺激することで、その結果ヒスタミンが出て炎症が起こってしまうというのです。

このパターンの場合、免疫細胞はまったく関与していません。

つまり、アトピー性皮膚炎にはアレルギー性のもの以外に、細菌が直接引き起こすパターンがあることがわかったのです。

黄色ブドウ球菌を抑える治療法

茶色の瞳でボブヘアーの女性出典:Pinterest

最新の実験では、黄色ブドウ球菌に対する抗菌治療をすることで、アトピー性皮膚炎の症状が改善されるという結果が得られたそうです。

アトピー性皮膚炎の皮膚は、常在菌のバランスが変化して、黄色ブドウ球菌の割合が非常に多くなっています。

そこで、抗生物質を使って黄色ブドウ球菌を抑えることで、常在菌のバランスが正常に戻り、皮膚の炎症も治まったそうです。

これはまだマウスによる実験の段階ですが、将来の治療法に大きな進歩をもたらすのではないかと期待されています。

アトピー性皮膚炎とタンパク質

正面を見つめている鼻の高い金髪の女性出典:Pinterest

また、アトピー性皮膚炎の原因のひとつに、皮膚表面のバリア機能の低下があげられます。

正常な肌には細菌や有害物質など、外からの攻撃を防御する働きがありますが、アトピーの炎症が起こっていると、この働きが弱まってしまいます。

この皮膚のバリア機能に関わっているのは「フィラグリン」というタンパク質だとわかっていましたが、最近の研究でそのタンパク質の働きを高める物質が見つかったんです。

この物質には、まだはっきりとした名前はつけられていませんが、皮膚のバリア機能を強くし、アトピー性皮膚炎を防ぐという、新しいタイプの治療法が開発されるかもしれません。

アレルゲンよりも炎症治療

鎖骨のくぼみ部分に小鳥をのせている女性出典:Weheartit

アトピー性皮膚炎は主に皮膚に現れる疾患ですが、実際には免疫系を含めて身体全体で起こっている炎症です。

だからこそ、炎症を身体の中から治していこうという動きが、少しずつ広がり始めています。

この治療法は、原因となるアレルゲンを特定することはせず、アレルゲンに反応してしまう身体そのものを、内側から改善することを目的としています。*

そして、その重要なカギを握るのが、毎日口にする「油」です。

健康にいい油? リノール酸とは

鎖骨ラインにたくさんのラメを散らばしている女性出典:Weheartit

アトピー性皮膚炎が広がり始めたころと同時期に、健康にいいという理由でリノール酸を主成分とする油が使われ始めました。

現在一般家庭で使われている油のほとんどが、コレステロールを下げて体にいいと言われるリノール酸(不飽和脂肪酸)の油です。

しかし、近年、このリノール酸が体内で変化したアラキドン酸が細胞内に過剰に蓄積された結果、アレルギー体質の人が増えたという研究結果が出されています。

アラキドン酸は免疫機能をコントロールしたり、学習能力や記憶力を高めたりするなど、人間の活動に欠かせない成分のひとつ。

とはいえ何事もバランスが大切で、このアラキドン酸を摂り過ぎると、逆に身体に良くない影響が出てきてしまうようなんです。

食生活が引き起こすアトピー性皮膚炎

顔を隠している裸で寝ている女性出典:Weheartit

アラキドン酸を増やすリノール酸の油は、なたね油・べにばな油・ひまわり油・大豆油・コーン油・ごま油など、スーパーで手に入る油のほとんどがそれにあたります。

これらの油はオメガ6系列の油と呼ばれます。

それに対し、アレルギーを起こしにくい良質な油と言われているのが、フラックスシードオイル(亜麻仁油)・シソ油・エゴマ油・魚油などの、αリノレン酸を多く含むオメガ3系列の油です。

アトピー性皮膚炎を含めて健康的な身体を目指すなら、オメガ6系列の油を使わずに、オメガ3系列の油に切り替えた方がいいでしょう。

また、肉料理中心の生活もアラキドン酸の過剰摂取につながります。

肉そのものにアラキドン酸が多く含まれるうえに、油で焼いたり揚げたりすればその摂取量は危険なレベルになります。

ただ、ひとつだけ注意してほしいのが、オメガ3系列の油は酸化すると体によくないということ。熱を通さないドレッシングの材料などに利用してください。

炒め物などには、オレイン酸を含むオメガ9系列のオリーブオイルが最適です。

まずは正しい食生活から始めよう!

うずくまって背中にいちごを乗せている女性出典:Weheartit

現代人は肉中心の食生活でタンパク質の過剰摂取になると同時に、体によくない油を多く摂取することで、アレルギーや生活習慣病などに悩まされ続けています。

実はアトピー性皮膚炎にも食生活の影響が大きく関わっているんです。

ここで見直したいのは伝統的な和食の文化。難しい料理にこだわる必要はありません。すぐに始められるところから、野菜や魚、発酵食品を使った日本の伝統的な食事に目を向けてみてはいかがでしょうか。

実は昔の日本にはアトピー性皮膚炎も、花粉症もなかったと言われています。

正しい食生活で身体の中からアトピー性皮膚炎を改善できれば、いずれ新しい治療法によって完治できる日が来るかもしれません。

こうしている間にも、研究は1歩1歩進んでいるはずですから。

Topimage via Weheartit

written by PINNOHIDE

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