2017年07月28日 更新

【医師監修】脂肪冷却の効果や副作用・失敗例や値段まとめ

脂肪冷却とは、脂肪を凍らせて外に排出させる医療痩身術のひとつです。専用の機器を用いて脂肪を冷やすことで、メスを使わずに脂肪を落とすことができるとされています。運動などで脂肪を燃焼させるダイエット法と違い、脂肪細胞そのものを体から排出するので、半永久的に効果が持続するとされるのも脂肪冷却のメリットのひとつです。

品川スキンクリニック新潟院院長 武内大

この記事は、品川スキンクリニック新潟院院長 武内大先生が監修しています。

「なかなか脂肪が落ちない……。」と悩む人は多いのではないでしょうか。

脂肪を落とす美容医療といえば、脂肪吸引が広く知られていますが、ほかにも「脂肪冷却」という治療があります。

「脂肪冷却」は、アメリカのハーバード大学が認めたというまったく新しい技術で、脂肪を凍らせて排出させるものですが、どのような仕組みなのか気になるところ。

今回は、「脂肪冷却」についてくわしく紹介します。

目次

脂肪冷却とは

冷たいイメージ

「脂肪冷却」は、物質が凍る温度に差があることを利用した理論にもとづいています。

液体を含む物質は、成分の濃度や量によって溶ける温度や凍る温度に差があります。

2008年、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院ウェルマン研究所のDieter Manstein博士とR. Rox Anderson博士の2人は、「水は0度で凍るが脂肪は4度で凍る」ことに着目し実験を行い成功、クライオリポライシス理論を発表しました。

脂肪冷却で使用する痩身治療器「ゼルティック」

アメリカのZeltiq Aesthetics社は、クライオリポライシス理論をもとに、脂肪冷却する痩身治療器「ゼルティック」を開発。

この脂肪冷却の治療は、「クールスカルプティング」や「フリーズファット」とも呼ばれています。

ゼルティックはFDA(米国食品医薬品局)から認可されていることから、信頼性も高いと考えられています。

脂肪冷却の効果とは

脚を触る女性の写真

ゼルティックを使って治療することで、メスを使わず、皮膚や筋肉、血液といったほかの器官を壊死させることなく安全に脂肪を凍らせることができるとされています。

凍った脂肪はアポトーシス(自然に死亡した不要の細胞)と判断され、体内の不要物を排除するマクロファージという細胞により、1〜2か月の期間をかけてゆっくりと体外に排出されます。

脂肪冷却の治療を行うと、患部のおよそ10〜20%の脂肪細胞を減少させる効果が期待できます。

この方法は、体に穴を開けて脂肪を吸引する脂肪吸引法や、注射で薬品を体内に注入して脂肪を溶かす脂肪溶解注射に比べて体への副作用が少なく、負担も少ないのだそうです。

ただし、効果を実感する時期を含め、個人差があります。

脂肪冷却のメリット

女性の下半身の写真

脂肪冷却はダウンタイムが短い、体への負担が少ないといったメリットがあります。しかし、治療を受ける人にとっては、リバウンドする可能性が低いということもメリットのひとつです。

太るという現象は、脂肪細胞が膨らむことで起きるもの。そのため、脂肪細胞そのものの数を減少させる効果が期待できる脂肪冷却は、リバウンドする可能性が低いのです。

脂肪冷却は、一度の治療でもゆるやかに効果を感じられるといわれますが、継続的に治療を受けると、より効果が感じられるようです。

およそ2か月に一度のペースでの治療がおすすめといわれています。

ブラジルの症例報告で腹囲に関しては、1回の脂肪冷却で平均3.53cm減少したというデータもあります。

脂肪冷却の治療の流れ

医師の写真

脂肪冷却の治療は、下記のような流れで行われます。

  1. 脂肪の厚みを測る:治療する部位の脂肪の厚みを測ります。
  2. 脂肪冷却をする:皮膚を保護する成分を塗布したシートを肌に装着し、その上から機械を当てます。治療時間は60分が基本。
  3. 真空吸引をする:真空吸引を行います。治療中は最初は肉を引っ張られる感覚があり、チクチクする痛みを感じる人もいるようです。
  4. 治療終了:治療後は治療部位が赤く腫れて皮下脂肪がシャーベット状になっていますが、10分程で治療前の感覚に戻ります。数分マッサージを行って終了。

治療後は冷却効果を持続させるために、岩盤浴やサウナには入らない方が良いでしょう。ダウンタイムはほぼ必要ありません。

治療後は、ごく普通に日常生活を送れますが、なかには術後2週間程度、治療部位を中心に鈍痛が残る人もいます。また、赤みや腫れが残る場合もありますが、通常1週間程で消えるようです。

脂肪冷却の注意点

女性のウエストの写真

この脂肪冷却による痩身治療を受けるには、一定の基準を満たす必要があります。

また脂肪の薄い二の腕や顎などへの治療は難しい場合があります。

ウエスト、太ももなどの部分やせを期待する人にはおすすめですが、一度に治療できる部位の範囲が狭いため、全身の痩身効果は望めないとされています。

また、クリオグロブリン血症患者、発作性寒冷血色素尿症患者の人は治療できない場合があります。ほかにも、妊娠中の人は治療を避けた方が良いそうです。

レイノー病、寒冷じんましん、治療希望部位に皮膚疾患やヘルニア、傷跡などのある人は、事前に医師に相談してみましょう。

治療後はお腹がゆるくなることも

脂肪冷却の治療後は、赤みや内出血が起こることがあります。これは、脂肪冷却の治療で、カップを使用することによるもの。

しかし、これは時間の経過とともに消えていくものなので、心配しなくても問題ありません。

そして、脂肪冷却では患部を冷やしていくので、お腹がゆるくなるということも注意点としておさえておきたいところです。

時間が経っても改善しない、という場合は医師に相談してみましょう。

脂肪冷却の副作用やデメリット

飲み物を飲む女性の写真

脂肪冷却は脂肪を冷却させたあとに、人間に本来備わっている代謝によって体外に脂肪を排出させるメカニズムを利用した治療です。

しかし、副作用やデメリットもいくつかあります。どのようなものがあるのか、順に見ていきましょう。

痩身効果を感じられるまでに時間がかかる

前述したように、脂肪冷却は人間の体の代謝を利用して部分やせを目指す治療です。この代謝というのはすぐに起こるわけではない、というのが脂肪冷却のポイントです。

冷却して死滅した脂肪細胞は2~3か月かけて老廃物へと変化し体外へ排出されます。そのため効果を実感できるのに時間を要するといわれています。

ダイエットに関して、効果を感じられるまでの期間を重視する人にとっては、この脂肪冷却では物足りないと思うかもしれません。

できるだけ早く効果を感じたいという人は、直接皮膚に管を挿入して脂肪を吸引するような美容整形をおすすめします。脂肪冷却は、効果が感じられるまでに時間がかかってしまうからです。

また、代謝という体のメカニズムを利用しているため、結果も個人差が生じてしまいます。

脂肪冷却部位が限られてくる

脂肪冷却は、体のどの部位にでも治療ができるというわけではありません。

ある程度、条件を満たしている部位でなければ、脂肪冷却を行っても効果が出ないといわれているのです。

その条件とは、脂肪組織が柔らかいことと、皮下脂肪が適度に厚みを持っていることです。この条件を持たない以下の部位は、脂肪冷却の治療が難しいとされます。

  • アゴのした
  • 首まわり

脂肪冷却は、お腹やヒップや太ももなどに施されることが多いですが、柔らかさと厚みがない場合は難しいそうです。

脂肪冷却の効果や安全性には個人差があり。重篤な副作用も?

ベッドに座る女性の写真

どのような治療も、効果を感じる人と感じない人がいます。この脂肪冷却も、まったく効果を感じなかった人もいれば、部分やせどころか食欲まで抑制されたという人もいるようです。

また、まったく痛みを感じない人もいれば、長期的な筋肉痛に似た鈍痛や、凍傷、体のゆがみといった副作用に悩まされる場合もあります。

そして正しい治療を受けられなかった場合、赤みが酷かったところが黒くシミになり、その部分だけ凹んでしまった、一生残る傷ができたという報告もあるようです。

治療を受けるクリニックや、使用する機械の名前はきちんと確認した方が安心です。

脂肪冷却は、英語の論文でも科学的に効果が証明されている信頼できる痩身治療といえます。
しかし、以下のような3つの注意点もあります。

・FDA認可ではない擬似製品による凹みや色素沈着などのトラブル報告がある。
・効果には個人差がある。
・非常に稀ですが脂肪冷却後に肺高血圧症をきたす可能性がある。

脂肪冷却の値段

調査

脂肪冷却は、美容クリニックでの自由診療となるため、費用は決して安くはありません。

初回のみ1万円前後の費用設定を行っているクリニックもありますが、2回目以降からは1部位(手のひら程度の範囲の治療)につき5〜10万円ほどというところがほとんどです。

治療費用以外に、診察料がかかることもあるので、事前にクリニックに確認してから受診するのがおすすめです。

自然にゆっくりと痩せたい人は脂肪冷却の治療がおすすめ!

帽子をかぶった女性の写真

脂肪冷却は代謝を利用して、脂肪細胞を2〜3か月かけて老廃物へと変化させ、体外が排出して痩せていくという仕組み。

すぐに効果が欲しいという人には、あまりおすすめできませんが、周囲にバレることなく痩せたい人にはうってつけかもしれません。

また、脂肪吸引のように直接脂肪を吸い取る方法ではないため、体の負担が少ないでしょう。

しかし、副作用がゼロではないこと、効果には個人差があることを十分に理解しておく必要があるようです。

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