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2016年04月29日 更新 | 20,372 views

彩香、30歳。幸せになるための決意。「婚活美容」のはじまり(後篇)

自分の美の衰えを実感してしまった彩香。焦りを感じて、美容にお金をかけ、婚活をはじめてみるものの……プライドが邪魔して、なかなかうまくいかない。そして30歳を目前にしたある日、彩香の運命を変える出会いが訪れるーー。

ハイブランドのメイク用品出典:Weheartit

自分の美の衰えを実感してしまった、彩香。そして、始まる婚活の日々……。

この記事は彩香、30歳。幸せになるための決意。「婚活美容」のはじまり(前篇)の続きです。

オフィスにいるとき、カフェにいったとき……、彩香は、多くの女が集まる場所で、周囲を見渡しては「このなかでわたしが一番キレイ」と思ってきた。

イライラしていたり、精神的に不安定だったりするときは「わたし以外はブスばっかり」とまで思った。

そうやって、自信を保っていた。

25歳を過ぎたころから、自分の人生になにかモヤモヤしたものを感じるようになった。

仕事をバリバリ頑張りたいわけでもないし、すぐに結婚したいとも思えない。今の生活が楽しい。そう思う反面、自分がひどく中途半端な人間に思えて、嫌だった。

でも、周囲をさっと見回して「大丈夫。わたしが一番キレイ」、そう思うと自信がふたたび湧き上がってきた。輝かしいキャリアも、温かい家庭も、なくても平気。だって、私はキレイだもの。

そうやって保っていた自信が、自分の肌の衰えに気付いてしまったことで、崩壊した。

年を取れば取るほど、女の価値は下がっていく。それはどんなに美人でも、だ。

レストランのトイレで、「若さ」がどれほど重要なものか実感させられた翌日、彩香は伊勢丹に走った。

28歳と6か月。基礎化粧品を一新。

もともと、それなりに高価なラインを使っていたが、さらにハイクラスのものを購入した。

そして、結婚への焦りを感じ始めたのもこの時期だった。

彩香は、4年半付き合った彼氏にフラレても、合コンがうまくいかなくなっても、「わたしは負け犬にはならない」と信じていた。

結婚したくてもできないのは、自分に見合わない相手を求めている女……つまり、理想の高いブスだと思っていた。

でも、もしかしたら、わたしも……結婚できないかもしれない。

彩香は、はじめて自分が大きな勘違いをしていたことを悟った。

30歳を目前に婚活を始めるも……うまくいかない日々

ダイヤの指輪出典:Weheartit

それから、彩香はいわゆる「婚活」というものをはじめてみた。

はじめは、マッチング系のアプリ。

男の方から大量のメッセージをもらったものの、自己紹介から始まる不毛なやり取りがわずらわしくて、辞めた。

また、恵比寿のお見合いパーティにも参加した。

まったく可能性を感じられない相手と出会っても仕方がないと、年収1,000万以上の男性限定というものを選んだ。

これでも、彩香としては譲歩したつもりだった。

これまで出会ってきた男たちが勤めていた企業なら、30歳前後で年収1,000万なんてザラだったからだ。

でも、実際パーティに参加してみると、参加している男性はみな、一度も女性経験のなさそうな同年代の男か、性格にクセのある40歳オーバーの男のどちらかだった。

ここには、わたしにふさわしい男はいない……。

いたたまれなくなった彩香は、パーティーの途中で勝手に帰宅してしまった。

そうやって「婚活」と呼べるほどの活動もしないまま、1年の歳月が流れた。

彩香は29歳になっていた。あと、3か月で30歳の大台に乗ってしまう……。

あれから、高価な化粧品やエステ通いのおかげで、すこし若さを取り戻せたような気がする。

でも、相変わらず、合コンはうまくいかない。そのうえ、最近では呼ばれる回数も激減していた。

それでも、どうしても「合コン誘って」「男の子紹介して」と言うことができない。

若いころ、男に不自由したことがなかった彩香にとって、その言葉を口にすることは屈辱だった。

彩香、30歳。年下イケメン社員、翔との出会い

自宅で仕事をしている様子出典:Weheartit

30歳の誕生日がちょうど3か月後に迫った日、出社すると、自分のデスクの周りに人だかりができていた。

その中心には、見慣れない若い男。

「あ、彩香さん! 今日から新しい人が配属されたんですよ。席、彩香さんの隣です」

人だかりのなかから、後輩が声をかけてきた。

「はじめまして。よろしくお願いします」

若い男がこっちを向いて頭を下げる。

ああ、なるほど。

女子社員が集まるのもわかる。身長は180センチくらいだろうか。細身だけれど、スーツが似合う体格。そして、スッと通った鼻筋に、切れ長の目。

ーーイケメンだ。

「彩香さん、翔さんのとなりなんてうらやましいです」

イケメンは翔という名前らしい。女にいきなり下の名前で呼ばれるというのは、イケメンの特権だろう。いや、当人からしたらうざいことなのかもしれない。

「でも彩香さんキレイだから、二人並ぶと美男美女って感じですね」

彩香はニッコリと微笑む。お世辞なんだか嫌味なんだかわからないセリフには、何も言わず笑顔で応えることにしている。

ちょっと前まで、自分より若い子に「キレイ」と言われても、それが本心だと信じきって「ありがとう」なんて返していた。

さすがにこの歳になると、それが上辺だけの言葉かどうか、わかるようになる。

それから、ことあるごとに、いろいろな女子社員が翔のデスクに訪れるようになった。

「翔さん、ここの数値ってこれであってますか?」

「翔さん、コーヒー入れたんでどうぞ」

「翔さん、彼女いないってほんとですか?」

そのたびに彼は、にこにこ優しい笑顔を向けて、丁寧に対応していた。そのせいもあって、女子社員のなかで彼の評価はどんどん上がっていった。

彩香としても、イケメンの隣の席というのは、悪い気はしない。実際、はじめの数日間は、いつもより入念に化粧をしてきていた。

でも、隣の席の人気者の男は、なぜか彩香にだけ冷ややかな目を向けてきた。

「翔くん、この資料に目、通しておいてくれる?」

「ああ、はい」

ほかの女性社員や男性の上司には「はい、わかりました」とにこやかに返事をするのに、彩香にだけ明らかに不機嫌な対応をするのだ。

わたしが何をしたって言うの?

彩香には、冷たい態度をとられる理由に思い当たることがひとつもなかった。

というより、ほとんど会話すらしていない初日からこの調子だったのだ。

翔は入社4年目の26歳。厳密には職種は違うが、彩香は直属の先輩にあたるはずだ。

それなのにこの態度はなんなんだろう……。とはいえ、そんなことで怒って周囲から白い目で見られるのも御免だ。

この年下のイケメン社員のせいで、彩香は、悶々とした日々を過ごすことになった

我慢の限界。生意気な後輩を呼び出してお説教するものの……

シャツにカーディガンを羽織っている男性出典:Pinterest

「それは一回、ガツンと言ったほうがいいよ」

彩香は、翔の態度について、高校の同級生であるりさ子に相談していた。

「最近の若い男って、歳上の女ってだけでなめてかかるんだよ。つけあがる前に言ってやんな!」

りさ子は、ラジオの放送作家の仕事をしている。彩香と同じく独身だ。男性の多い職場だからなのか、もとから豪胆だった性格に拍車がかかったように思う。

「でも、女子人気の高い男、敵に回すと怖くない?」

「そんなん気にする必要ないって。失礼な態度とってんのは向こうなんだからさ」

「たしかに……」

りさ子に背中を押された彩香は、翌日、思い切って注意することに決めた。

「あのさ、高橋くん」

彩香は、翔のことを、もう下の名前では呼んでいなかった。

「……なんですか」

「ちょっと、話したいことがあるからついてきてくれる?」

翔はあからさまに嫌そうな顔をした。

「ここでじゃ、ダメなんですか?」

「ここじゃちょっとあれだから。来て」

と彩香が会議室に向かって歩き出すと、翔はしぶしぶ立ち上がってついてきた。

イケメンと会議室でふたりきり……。ふつうなら心躍る場面なのだろうが、どうあがいても甘い雰囲気にはならない、張り詰めた空気だった。

「高橋くんさ、わたしに対してあまりに態度がひどくない? もし何か気に食わないことがあるなら、はっきり言ってくれる?」

「別に、そういうわけじゃないですけど……」

「じゃあ、あの失礼な態度はなんなわけ? わたし、あなたの先輩だよね? 目上の人にたいして、ああゆう態度をとるのは、社会人としてどうかと思うけど」

「……」

彩香は、自分をちやほやしてくれない男は嫌いだった。そして、どうにかして傷つけたやりたいと思うのだ。

「先輩を敬うって当たり前のことができない人が、ちゃんと仕事できると思えないんだけど」

彩香は明らかに挑発するような口調だった。この男が配属になってから1か月。我慢してため込んでいたぶん、言い出すと止まらなかった。

「わたしの言ってること間違ってる? なにか思ってることがあるなら言えば?」

「……嫌いなんです」

「は?」

「俺、彩香さん……っていうか彩香さんみたいなタイプの女、嫌いなんです」

はっきりと「嫌い」と言われて、彩香は面食らってしまった。

「彩香さんって、基本的に周りを見下した態度とりますよね。たぶん、ちょっとキレイだからって、若いころはそれで許されたんでしょうけど」

周りを見下してる……。そんなこと意識したこともなかった。でも、言われてみればそうかもしれない。

「あと、明らかに仕事やる気ないですよね。いつもつまんなそうにしてるし、面倒なことはみんな後輩に押し付けてるじゃないですか」

「……だって、それは」

「できませんとか、わかりませんって、可愛く言えば許される年齢はとっくに過ぎてるんですよ、彩香さんは」

彼の言うことはたしかに一理あった。たしかに、年次が高いだけで、これといって仕事ができるわけではない。ただ慣れているだけだ。たしかに、後輩に仕事をふることも多い。

でもそれは、教育のためだと思っていた。

どうして? 若いころはこんな思いしたことなかったのに。男に批判されることなんて、なかったのに。

気付くと、目から大粒の涙がこぼれていた。

「そんなことわかってるよ。だから、せめてキレイなところだけは保たなきゃって、高い化粧品使って、エステ通いして、頑張ってるのに……」

翔は一瞬ギョッとした表情をしたが、さすがに心が傷んだようだ。

「すみません、言い過ぎました。あの、ちょっと場所変えましょう」

会社で泣くなんて、何年ぶりだろう……。

なんか、もう、どうでもいい。

彩香は泣いてグチャグチャになった顔を隠すこともなく、翔について部屋をあとにした。

彩香、30歳。幸せになるための決意

お洒落なカフェテラスでティータイム出典:Pinterest

二人は、会社から少し離れたカフェに入った。

翔が二人分のコーヒーを買って席に戻ってくる。

「……あの、ほんと、すみませんでした。完全に俺が悪いです」

「……」

「実は、前の部署にも、彩香さんみたいな人がいて。その人はもう40近いんですけど。お局様っていうですかね。でも、はじめて配属された部署だったんで、俺そのひとのご機嫌とって仕事してました。周りもみんなそうでした。ちやほやしておかないと、面倒くさいっていうか」

そういえば、わたしが入社したばかりのころも、そんな人がいたなと彩香は思い出していた。大っ嫌いだったのに、まさか自分が同じ立場になるなんて。

「その人のせいで、みんなすごくストレスがたまってて。でもそれって、誰かが教えてあげなきゃいけなかったんですよね。もう、ちやほやされるのが当たり前の年じゃないんだぞって。どんなに美人でも、30こえたら謙虚にしてないと」

彩香は、わたしはまだギリギリ29だけど、と反論しようかと思ったが、やめた。

「でも、さっき、キレイでいるための努力してるって言ってたじゃないですか。あれは、ちょっと見直しました。仕事もできない、結婚もしてないじゃ、せめてキレイでいないと」

「それは、どうも……」

ここまではっきり言われると、むしろ怒りも湧いてこないものなんだなと、彩香は感心していた。

「でも、高い化粧品も、エステ通いも、ぜんぜん意味ありませんよ」

「は?」

「いや、化粧品とかエステでごまかせるのは、せいぜい26くらいまでですよ。注射うってます? プラセンタとかヒアルロン酸とか。それから、レーザーとかフォトフェイシャルとか」

「ちょ、ちょっと待って。なんでそんなに詳しいの?」

たしかに、雑誌のビューティー特集で見たことのある言葉だ。でも、女の彩香でもなんのことだかはよく知らない。それを、なぜ26歳の男が知っているんだ……?

「ああ、昔からいろいろ聞かされてたんで、興味湧いちゃって」

「聞かされてたって、だれに?」

「母親です。うちの母親、美容家なんですよ」

美容家! その職業はよく知っている。肌の衰えを感じてから、いろいろな美容家の本やら、雑誌の連載は読み漁っている。

「え、有名な人? 名前は……」

「高橋マチです」

「マチ先生!?」

高橋マチは、美容家のなかでもとくに有名な人だ。今年で48歳だというが、まるで20代のような肌をしている。

「知ってるんですか?」

「知ってるも何も、マチ先生の『マチ流美肌マッサージ』、わたし毎日やってるよ!」

「ああ、あんなん意味ないっすよ」

意味ない? 一年間、欠かさずやってきたものが、意味ないだと……?

「あの人、めっちゃいろいろやってますもん。本とか雑誌じゃ、マッサージやら食生活だけみたいに言ってますけど。実際、注射打ったり、レーザー当てたり、ありとあらゆることやってますね」

「信じられない……」

彩香は混乱していた。でも、そういえば、いつか何かのイベントでマチ先生を生で見たとき、あまりの肌の美しさに心底驚いたんだった。だからこそ、マチ流美肌マッサージを今日まで続けてきたのだけど。

「あの歳で、あの肌を保つのなんて、普通に考えたら無理ですよ。注射とか、レーザーとかって、世間的には抵抗あるみたいですけど、あれ、医療のひとつですから。効果は絶大ですよ」

たしかにそのとおりだ。もちろん、化粧品やエステの効果をまったく感じないわけではない。でも、正直、肌のコンディションを整えてくれるくらいなもの。だから、今の自分の肌にはもっと根本的な何かが必要だと、薄々感じ始めていた。

「彩香さんって、結婚したいって思ってます?」

「え、う、うん」

「母親もよく言ってますけど、婚活するなら、まずは見た目だけでも若返らないと。正直、アラサーの女なんて婚活市場じゃ終わってますからね。やっぱり、男はキレイな肌に惹かれるんですよ

そういえば、4年半付き合った元彼が結婚したのも、肌のキレイな女だったな、と思い出した。

「……キレイな肌に戻ったら、わたし、結婚できるかな」

「さあ、それはわかりませんけど。今よりはマシになるんじゃないですかね」

男に暴言をはかれるのも、いろいろ指図されるのも、はじめてだった。

悔しいし、ムカつく。でも、彼の言っていることは、正しい。

肌がキレイになったって、結婚できるとは限らない。

それでも「今よりはマシ」。

それなら、すこし、あがいてみよう。

その日から、彩香の「婚活美容」にかける日々が始まったーー。

Top image via Pinterest

written by NICOLY編集部

※ 記事の内容は、医学的な正確性、効能、効果を保証するものでなく、かつ、記事の利用においてはしかるべき資格を有する医師や薬剤師等に個別に相談するなど読者の責任において行ってください。

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