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2016年06月01日 更新 | 5,147 views

「必要な経験だった」と自分を許す。 摂食障害と向き合い、生きてゆく [体験談](2)

大学生の一人暮らしのアルバイト生活、周りの方々からの援助で太ってしまった私。食欲を我慢できない私は、食事を減らすことはせずに「消化する前に吐く」という手段を取ったのが過食嘔吐の始まりでした。体調にも変化が次々と現れてボロボロに……。友人とのルームシェアも効果なく、自分の殻に閉じこもってしまいました。

太陽を見つめながら頭を抱えている女性出典:We heart it

「摂食障害」

テレビでもよく取り上げられるようになりましたが、まさか自分がこの病気になるなんて思ってもいませんでした。

「痩せたい」という願望は女性なら誰しも持っているもの。

私もその一人です。

やめたいのにやめられない、明日はしないと決めても食べ物を買い込んでしまう……

まさか自分が摂食障害の深みにハマっていくなんて想像もしていませんでした。

今でも無理に吐いてしまう、でもいつか終わるからと前向きに考えられるようになった私の、現在に至るまでの体験談を書こうと思います。

ただ「太りたくなかった」

大きいピザを美味しそうに頬張っている女性出典:We heart it

私は20歳のころ、通っていた専門学校を訳あって休学し、バイトで何とか一人暮らしをする生活を送っていました。

食費にまわせるお金もなく、どんどん痩せていき、久々に会う友達には

「痩せた?というかやつれた?」

と言われるほどでした。

体力的にも限界がきたので、余りものがもらえるのでは?という甘い考えだけでバイト先をコンビニに変えました。

コンビニの店長が、痩せている私を見て廃棄のお弁当をこっそりくれたり、すぐに昇給してもらうことができ、以前よりまともな生活が送れるようになりました。

それまで我慢していた分、押し寄せる食欲の波。

もともと食べることが好きだった私は気にせずに食べていました。

気づけば、わずか3ヶ月で7kg体重が増えてしまいました。

自分では気にしていなかったものの……

ある日男性店員に言われました。

「しばらく見ないうちに太ったね! 」

もちろん悪気はなく、よく冗談を言い合う仲だったのでその場では笑っていましたが、家に帰って全身鏡を見ると、そこにはすっかり醜くなってしまった自分の姿が。

早く痩せなくては!

そう思ったことが地獄の始まりでした。

キッカケは些細なこと

スラットが大きく入った服を着こなしている女性出典:We heart it

店長にシフトにたくさん入れてもらうよう頼み、バイトが忙しくなっていった私。

もちろん運動する余裕も気力もありませんでした。

できることといえば「食事制限」

働きづめの日々のなか、食事はサラダのみ。

この生活を2週間続けたことで体重が4kg以上スルスルと落ちていきました。

いま思うと異常ですが、あのときの感動は忘れられません。

しかしある日バイト仲間に誘われて、一緒にピザまんを買って食べました。

とても美味しく感じ、すぐに1つを平らげ、バイト仲間と別れました。

そのあと、食欲が我慢できずにほかのコンビニに吸い寄せられるように入り、肉まんとピザまんを買い、家で食べてしまいました。

美味しかったのですが、そのあと恐ろしいほどの後悔におそわれ……

「また太ってしまう。もっと痩せたいのに。 」

ふと頭の中にこんな考えが浮かびました。

「そうか、消化する前に吐いてしまえばいいんだ」

迷うことなくトイレへ向かい、口の中に指を入れて吐く。

思ったより簡単に吐けてしまいました。

よかった。

とても安心した、というのが正直な気持ちです。

そこから地獄のような日々が始まりました。

食べたい。でも太りたくない

ソファーに寝転びながら朝食を食べている女性出典:We heart it

それからというもの、それまで押さえていた食欲が急に戻り、食べ物のことしか頭にないようになりました。

商品を並べる際に一番に見るものは「カロリー」の表示。

これ食べたい…… でもカロリーが。

そう考えているのも束の間。

軽い気持ちで「吐いてしまえばいいんだ」という考え方にシフトしてしまいました。

廃棄のお弁当やデザートを持ち帰り、さらに自分で食品を買い胃袋に詰め込んで吐く。

バイト以外の時間はすべて食べ物に費やすようになりました。

お金もどんどん無くなっていき、残り少ないお金でも食べ物を買い、給料日までは廃棄のお弁当とデザートで過食嘔吐をする。

納豆を一緒に食べる、ぬるま湯と一緒に流し込めば吐きやすい、アイスを1つは食べる、麺類は吐きやすい、などなど……

いかに吐きやすいか、そのことばかりを考えていました。

過食嘔吐をしないときはサラダなどで済ませていましたが、それでも胃の中に高カロリー食品が残ってしまうのか少しづつ太っていきました。

過食嘔吐するから痩せられない、筋肉も落ちるから代謝が落ちて太りやすくなる。

そんな情報も知りつつ、やめられずに毎日過食嘔吐を繰り返し、気づけば半年ほど過ぎた頃でした。

体調に徐々に変化が訪れ始めます。

過食嘔吐の代償

ソファーにもたれながら考えごとをしている女性出典:We heart it

毎日吐いていたせいで声が枯れ、お客さんに褒められていた声もあまりでなくなりました。

「風邪引いたみたいで…... 」とごまかす日々。

順調に来ていた月経も止まりました。

そして、一番の変化は「顔」でした。

クマができ、顔はむくみ、マスクをして誤魔化しました。

激しく嘔吐した次の日はまぶたが赤く腫れ、化粧でかぶれたようになり、頬には赤い斑点模様ができました。

なにか病気だろうかと思い皮膚科に掛かったところ、

「力を入れる動作をすると顔面の血管が切れて内出血することがあります」

と言われ、私はすぐに確信できました。

嘔吐のせいだなと。

まぶたがヒリヒリしてアイメイクができない……。

腫れぼったい目に、大きくなった顔、赤い斑点、ひどいクマ。

胃痛や便秘、吐血。

私はこのまま過食嘔吐がやめられずに死んでしまうのかな…… 両親に申し訳ないな…...

そんな思いで毎日を過ごすものの、なかなか止めることはできませんでした。

友人とのルームシェア

少し荒れている部屋出典:We heart it

過食嘔吐を始めて1年後、私は友人と1年間のルームシェアを始めることになりました。

人目があればやめられるかもしれない…...

と思ったのですが、現実はそうも上手くいかず過食嘔吐は続きました。

その友人は大親友だったこともあり、身体がボロボロになっていた私はとうとう友人に打ち明けました。

「過食嘔吐がやめられない」

友人は少し考えたあと、こう言いました。

「たくさん食べるのはいいけど、どうして吐いちゃうの? 私も一緒に食べてあげるから、吐くのはやめようよ」

友人は自分なりにとても優しい言葉を選んで伝えてくれたと思います。

しかし、当時の私の心には何も響きませんでした。

やっぱりわかってくれないよね。独りで治していくしかないよね。甘えちゃいけないよね。

性格もねじ曲がっていたんだと思います。

友人の心配をよそに、隠れて過食嘔吐していました。

もう誰にも言えない……

どんどん自分の殻に閉じこもり、過食嘔吐はやめられず仕事だけ真面目にこなす日々を送りました。

そんな中、人生の転機が訪れます。

日が落ちる公園で見つめて合っているカップル出典:We heart it

いま思うと、当時は激太りだったわけではなく標準体型でした。

自分で言うのもなんですが、顔のむくみがない日は、目が大きく小顔だったので少しモテていた時期もありました。

過食嘔吐のことは表に一切出さず、明るく振舞っていたので雰囲気がよかったのかもしれません。

そんな22歳の頃、私がひそかに「この人優しそうでいいな」と思っていたお客さんから

「一目惚れした」

と言われ、それまでほとんど異性に興味のなかった私は一気に舞い上がりました。

仕事終わりに会話をしていくうちに告白され、付き合うことになり、何となく

「この人なら摂食障害を受け入れてくれるかも…… 」

という淡い期待を抱くようになりました。

毎日のように会っていたにも関わらず、話を切り出すまでに約半年かかりました。

「私、食べすぎたら自分で吐いてしまうんだ」

少し控えめに言ってみました。

彼は少し動揺したのが目に見えてわかりました。

彼は嘔吐恐怖症だったらしく、やはり私を異常だと思ったようです。

しかし、

「吐く回数を減らしていこうか」

と前向きに考えてくれました。

いま思えば、私はこうして自分の気持ちに寄り添ってくれるような言葉を求めていたのかもしれません。

「どうして吐くのか」などは聞かれたくなくて、専門学校を休学してしまい、退学し、両親に後ろめたい気持ちが背景にあり、そのストレスで胃に詰め込んで、太りたくないがために吐いていたのではないかと考えるようになりました。

その後、彼とは結婚しました。

ですがその数か月後に摂食障害とは別の病気で、心療内科に通うことになります。

なかなか抜け出せない過食嘔吐

ヨガをしている女性出典:We heart it

結婚して彼と生活していると、過食嘔吐できる機会が減り、週に3回ほどにまで回数が減っていきました。

過食嘔吐をしない翌日はとても身体が軽く、お通じもよくなって肌も綺麗になりました。

しかし新婚生活に張り切りすぎて、身体を休めることなく仕事と家事をフルでしていた私は、突然過呼吸発作を起こし倒れることになります。

接客業なのに呼吸が浅くて話すことができず、心臓の音が耳にまで響いてくるような感覚。

最後となった出勤日は本当にだめになってしまうと思いました。

恐らく、ほとんど毎日していた過食嘔吐がストレスを上手く流してくれていたんですね。

心療内科では、過呼吸の治療が主になりました。

途中、主治医に「たくさん食べて吐いてしまう」と伝えたものの、あまり熱心に話を聞かれずそのまま流され……。

メイラックスという薬を毎日飲んでいましたが、主治医からはパキシルという少し強い薬を勧められました。

「過呼吸発作にも過食衝動にも効果があるから」

と言われましたが、主人の強い希望でパキシルの処方は取り消されました。

それでよかったと思います。

仕事を退職し専業主婦になった私は、過食嘔吐についていろいろと調べる余裕ができました。

過食嘔吐を続けたときの弊害や、克服法など、ほんとうにたくさんのことを調べました。

調べていくうちに、私と同じ悩みを持つ人がたくさんいることや、前向きに過食嘔吐をやめていこうと考える人たちもいて、

私も自然と過食嘔吐をやめていけたらいいな。吐かない日は自分のことをたくさん褒めて認めてあげよう

と思えるようになりました。

結婚式を控えていたので「過食嘔吐せず、綺麗に痩せたい」とも思うようになりました。

結婚式と過食嘔吐、吐かない生活へ

景色を眺めているドレスを着ている女性出典:We heart it

3食バランスよく、身体のためになる食事をとること。

仕事でのストレスがなくなって専業主婦になってから4ヶ月ほど経ち、結婚式まで3ヶ月を切ったときのことでした。

幸か不幸か、摂食障害を通して食品のカロリーや栄養素にとても詳しくなっていました。

食事と運動を併用し、綺麗に痩せていく自分が嬉しくて、いつの間にか過食嘔吐の存在を忘れていました。

ウエディングドレスの写真を毎日眺めながら、充実した生活を送れていたと思います。

過食嘔吐のときの胃袋に入っていた異常な食事の量も自然と入らなくなりました。

普通の食事量で満足できるようになったのです。

結婚式当日は、無事に過食嘔吐を始める前の痩せていたころの体重に戻り、顔色もよく、よい1日を過ごすことができました。

約4年続いた過食嘔吐で前歯は薄く小さくなってしまいましたが、過食嘔吐がなければ栄養を気にすることもカロリーを気にすることもなかったのかもしれません。

過食嘔吐に感謝はできませんが、必要な経験になっていたのではないかと思います。

吐かない生活をしていたこの結婚式前後の5か月間は本当に幸せでした。

しかし、再び再燃してしまいます……。

妊娠、つわり、再び嘔吐の生活

座って一点を見つめている妊婦さん出典:We heart it

待ち望んでいた妊娠をして喜んだのも束の間、つわりに悩まされることになります。

過食嘔吐のときほどたくさんは食べられませんが、妊娠しているので以前のように走ることもできず、船酔いのような気持ち悪さで寝たきりになり筋肉も落ちて身体がだらしなくなってしまいました。

その後悔からか、少し気持ち悪いというだけで少量の食事でさえ吐いてしまうようになりました。

つわりというのもあるのだとは思いますが、また過食嘔吐の日々に戻ってしまうのか、本当に不安を感じながら過ごす日々です。

お腹に圧迫感もありますし、もし嘔吐でお腹の赤ちゃんに何かあったらと思うと恐ろしいのですが、今はつわりの気持ち悪さでやめられそうにありません。

意志の弱い母親でごめんねと思いながら吐いてしまいます。

ただ、吐いても痩せないのは経験を通して知っているので、つわりが治まったらまた過食嘔吐がやめられた数か月間のように充実した日々を過ごしたいと強く願っています。

最後に

はだしで砂利道を歩く女性の後ろ姿

過食嘔吐は経験した人にしかわからない苦しみです。

ずっとこのままやめられないなら、もう人生やめたいと思ったことも何度もありました。

しかしいつか終わりがきます。

些細なきっかけで始まったものは、些細なきっかけで終わることもできます。

そのきっかけは人それぞれですが、必ずいつか道は開けると思って生きていってほしいです。

私もこれからの人生、過食嘔吐と向き合い、過去を受け入れながら、前向きに生きていきたいと思います。

written by 榎戸あゆ子

Top image via Weheartit

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