NICOLY:)[ニコリー] コンプレックスの悩み解決・応援サイト

医師が教えるコンプレックス解決サイト
監修済記事:1022記事

メルマガ登録

2016年06月07日 更新 | 20,851 views

実母の心ない言葉、夫の浮気。1年の不妊治療の末に私がみたもの [体験談]

私は結婚して7年目で両親の意向もあり不妊治療を行うことにしました。不妊治療専門の病院の豪華さに圧倒されながらも、治療を開始。セックスレスであった私達は人工授精からスタートすることになります。そこから約1年間、母親の言葉に傷ついたり、夫の浮気が発覚したり、様々な問題を乗り越えながら、不妊治療を続けた結果……。

不妊症。 テレビや新聞で最近聞く言葉だけれど、誰も自分がそうだとは思いません。 特に若いうちは「妊娠したかも」と不安になることはあっても、「妊娠できない体かも」とは心配したりしません。誰もが自分は当たり前に将来は妊娠し、子供を産めるものだと思っています。 私もそうでした。

そして結婚し子供が欲しいと思い、何年も授からず、「もしかして」と思って初めて不妊症は発覚します。そしてそこから、ゴールの見えない長い戦いが始まるんです。

これは私が経験した不妊症の記録です。同じ悩みを抱える方に、少しでも力になれればと思い、書かせて頂きます。

初診

結婚して7年、32歳の私は両親に半ば強制的に不妊病院への通院を決められました。自分としてはそこまで子供が欲しいと思ってはいなかったし、出来ないのであれば夫婦2人で仲良く生きていくのもアリかなぁと思っていたんです。 しかしそれまでの共働きサラリーマン生活を辞め、両親の営む会社を継ぐことになったのに併せて「跡継ぎは絶対に必要」と言われ…。治療費を両親が出すという条件をつけ、知識も何も無いままインターネットで一番有名らしい不妊専門病院に行ってみることにしたんです。

まず驚いたのは、患者の多さ。 有名な病院なのはわかっていましたが、平日の午前中に、40席ほどある1人掛けソファが全て満席。立って待つ方までいました。 そして「病院」というにはイメージがほど遠い、待合室のラグジュアリーな雰囲気。 まるでホテルのラウンジのような落ち着いた雰囲気で、20代~40代くらいの女性が各々雑誌を読むなどリラックスして自分の順番が呼ばれるのを待っていました。 病院により雰囲気も違うのでしょうが、私が行ったのが不妊専門病院ということもあり、そういう患者が落ち着ける造りだったのだと思います。

予約をせず行ったため、2時間ほど待って診察室に呼ばれました。 40代くらいの優しそうな男性のお医者様が、丁寧に問診をして下さいました。 結婚して何年か、子供ができにくいことに心当たりはあるか、夫婦生活の頻度など。 その後内診があり、もう一度診察へ。 「排卵日がちょうど3日後のようですね。明後日とその次の日にタイミングを取って、1週間後に来院してください。」 私はお医者様の言った意味がわからず、「タイミングって…?」と尋ねました。 「セックスをしてください、ということです。」 さらりと笑顔で優しそうな医師はおっしゃいました。

実は私たち夫婦は何年も前からセックスレスで、不妊病院に行くのが億劫だったのもセックスレスであることを病院に打ち明けるのが嫌だったのが一つの理由でした。 今回のお医者様がとても優しそうだったこともあり、私は勇気を出してそれを打ち明けました。 するとそのお医者様は「大丈夫ですよ、そういうご夫婦はたくさんいらっしゃいます。では人工授精(AIH)からスタートしましょうか。」とあっさり了承して下さいました。 その気遣いのある診察に、私はこの病院なら通うことが出来そうだ、と確信したのでした。

病院からの呼び出し

初日の診察はそれで終わり、血液検査のための血液採取を行い帰宅しました。次の来院は3日後、夫と一緒に来てもらい人工授精(AIH)を行うとのことでした。

ところが初診の次の日、病院から電話があり「今日、病院に来れますか?」とのこと。 電話では詳細を言えないとのことで、私は仕事を早退し、病院に向かいました。 そこで言われたのが、ホルモン異常。「プロラクチンという本来は授乳中に出るホルモンが現在出ており、体が妊娠しにくい状態です。早速本日からお薬を飲んでください。」

高プロラクチン血症。 これが私の1つ目の不妊原因でした。

早速帰って、病院から貰った抗プロラクチン剤を飲んだのですが、この薬の副作用が私には酷かったんです。寝る前に服用し朝起きると、今まで体験したことのない目眩と吐き気。 起き上がることすら出来ません。 ネットで調べてみると、その症状が出る人と出ない人は半々だとか。 ついにその朝は起き上がれず、その日の仕事お休みすることとなりました。

初めての人工授精(AIH)

初診から3日後、初めての人工授精に挑むため、私は夫と不妊病院に向かいました。夫は家で精液採取すれば病院に行くことも無かったのですが、私がいる自宅で精液採取し、カップに入った精液を私に渡すのが嫌だったようです。 病院に着くと夫は精液採取室へ向かい、私は採取から精液洗浄を行う2時間ほどを待合室で過ごしました。そして内診室に呼ばれ、内診台に横になり精液を注入。かかった時間は5分にもならず、拍子抜けした覚えがあります。 診察室で精液検査の結果を聞きましたが、良好とのこと。あとは休憩室で5分ほど腰を高くして横になり、人工授精は終了しました。

処置は思っていたよりも簡単で、帰宅後も普段通り過ごしていい、とのことでした。が、初めての人工授精ということで緊張していたのか私も夫も何だかグッタリ…。 頑張ったご褒美に、ちょっと奮発したランチを食べて帰ることにしました。

不妊治療をしながらの生活

不妊治療を初めて生活がガラリと変わりました。 初めての人工授精の14日後、生理はばっちり来てひとしきり落胆した後、その10日後に病院へ行きます。卵巣の様子を見てその後も2日に1回ほど通院し、排卵日と予想される日に主人と人工授精を行います。そして人工授精の約14日後に生理が来るか来ないか…。1日でも生理が遅れると「妊娠したかも!」と期待し、生理が来た途端に落ち込む。 それが何か月も続きました。

プロラクチンを抑える薬も週に1度飲まなければならず、次の日の午前中はベッドから起き上がれないことが殆どでした。そのため職場には不妊治療中であることを打ち明け、毎週その日はお休みを貰うこととなりました。その他の通院の日も半日は仕事を休むこととなり、排卵日近くになると週の半分も仕事に行くことが出来ないこともありました。 私は自営だったのでお休みを貰うことが比較的容易でしたが、パートや正規で働いている方は不妊治療を続けることがいかに困難か、わかった気がします。

私生活では、それまで習慣だった飲酒を少しずつ減らすことにしました。不妊治療で一番辛かったのは、大好きなお酒を我慢しなければいけなかったことかもしれません(笑) タバコはもともと吸わないのですが主人が吸うので、私の周りで吸わないように気を付けて貰うことにしました。

周囲からの心無い言葉

子供がなかなか出来ない私たちへ、何も知らない周囲の言葉は遠慮がありませんでした。 「結婚して7年?まだ子供がいないの?」 「親不孝ね~!」 「子供を育てないと一人前の大人とは言えないよ」 子供を当たり前に授かり何人も育ててきた私の母世代の人たちは、子育ての素晴らしさを知っているからこそでしょうが、辛辣な言葉を会うたびにかけてきました。 その場を笑顔で取り繕い、何度1人で泣いたことか。 その頃の私の気持ちは「子供を授かりたい」というよりも「この生活から抜け出たい」という方が大きかったと思います。

何よりも心に刺さったのは、実の母からの言葉でした。 何度か人工授精に失敗し、「なかなか出来ないわ」と愚痴をこぼした私に、母は慰めるわけでもなくあっけらかんと言ったんです。 「娘が不妊治療してるなんて恥ずかしくてご近所に言えないわ~」 これが実の親の言葉か、と愕然としました。 そして二度とこの親の前で弱音は吐かない、と決めた瞬間でもありました。

このような言葉をかける両親は滅多にいないとは思いますが、不妊治療をしている辛さは本人にしかわかりません。周りから心無い言葉をかけられることもあるかとは思いますが、それを気にしない心の強さが必要です。 また現在は7組の夫婦のうち1組が不妊治療を受けているのが現状であり、決して珍しいものではありません。そしてその原因は自動車の増加や食べ物の変化など環境や時代の流れによるもので、患者本人の責任によるものではありません。そのあたりの理解を近しい周囲の人にはしてもらう努力はした方がいいかもしれません。

子宮内ポリープ

人工授精を3ターンほど終え失敗に終わっていた時、お医者様が気になることをおっしゃいました。「子宮の中にデキモノがあるかもしれませんね。超音波では何となくしかわからないんですが…」そこでその月の人工授精は中止し、子宮鏡検査を行うことになりました。

子宮鏡検査とは、子宮の中にカメラを入れ子宮内の状態を確認するものです。ポリープなどが見つかった際にはその場で切除することになりますが、もし筋腫であったり癒着や深刻な症状が見つかったりした場合には、後日手術になることもあります。

ただ検査とはいえ子宮口を開いてカメラを入れないといけない為、午前中から子宮口を緩める薬剤を注入し、午後から静脈麻酔を使ってカメラを入れることとなります。 いざ私も手術台に上り静脈麻酔をされ半分朦朧とした状態で処置が始まったのですが(大抵の人は完全に眠った状態となるようですが、私は意識があるままでした。)、麻酔があまり聞かず意識があるうえに処置の痛みが完全には遮断されず、地獄の苦痛の時間でした。 そんな中、子宮内に入ったカメラに映ったものはポリープの群像でした。魚が卵を産み付けたのか、と思うくらいの何個ものピンク色のポリープ。これでは人工授精で受精した卵も着床できないはずです。

地獄の子宮鏡検査が終わり、麻酔が完全に覚めるまで病室で休むことになりました。けれど私は一刻も早く自宅で休みたかったため、麻酔で足がふらつくまま夫に支えられ自宅に帰ったのでした。

夫の浮気

人工授精への挑戦も6回を過ぎた頃、夫の浮気が発覚しました。 私は結婚して7年、子供がいないながらも仲のいい夫婦だと自負していましたし、夫がサラリーマンを辞め実家の会社を継いでくれたこと、私の父の無茶な指導にも耐えてくれていること、そして不妊治療に協力してくれていることに心から感謝していたのですが、夫はそのストレスを浮気で発散していたのです。

私の中で、何もかもが崩れた気がしました。 まず頭に浮かんだのが「離婚」です。 ただ実家を既に継いでくれている主人と離婚するとなると大騒動になりますし、7年前に結婚を祝ってくれた家族や親せき、友人のことを思うと、そう簡単に離婚できるものでもありません。かと言って、浮気している夫との間にこれ以上辛い不妊治療までして子供を授かりたいという気もしませんでした。死のうかとも考えました。

しかし夫は浮気相手とはすぐ別れる、弱い自分が全て悪かったと何度も泣いて謝り、私も鬱々と悩み、何日も話し合った結果「今回だけ許そう。彼が生まれ変わってくれることを信じよう」と決めました。

結婚してもうすぐ8年、今回が初めての浮気だったのか、それともずいぶん前からしていたのかわからないままでしたが、この時をきっかけに私たち夫婦は本当の夫婦になれたんだと思います。

体外受精の決意

浮気発覚事件の後も人工授精への挑戦は2回ほど続き、ことごとく結果は失敗でした。不妊治療を初めて8回目の失敗が分かった際、お医者様から「体外受精も検討してください」と勉強会への招待を受けました。

夫とその勉強会へ参加し、驚いたのはその金額と、勉強会への参加者の多さです。 勉強会の内容は体外受精の流れや処置の内容、そして金額についてでしたが、体外受精から受精卵の凍結・融解まで含めると1回の処置に50万ほどかかるとのこと。それをゆうに30組を超える夫婦が真剣に聞いていました。 失敗するかもしれない体外受精に50万をかける、というのは私たち夫婦にとって大きな決断でしたが、浮気発覚事件の後だった私たち夫婦に子供を授かりたい意志は固く、3か月後に体外受精を受けることにしました。

3か月後に体外受精を受けるとなると、その月は病院へ行く回数も増え、薬の副作用も強いとの情報だったので、私は2か月の猶予の間、仕事を休める準備に走り回りました。また、その2か月も人工授精は続けられるとのことだったので、期待はあまりせず、一応処置を受けていました。

すると体外受精の1か月前、なんと妊娠していたんです。

妊娠

生理予定日に生理が来ず、その3日ほど後に市販の検査薬で検査したところ、そこには確かに陽性反応が出ていました。 「まさか」 「まさか、そんなわけがない」 それが正直な私の気持ちでした。何度人工授精に挑戦し、「今度こそ」と期待し、生理が来る。そんなローテーションに慣れてしまっていたんです。もしくは期待してまたダメだったことを考え、防衛本能が動いたのかもしれません。 その日の陽性反応は心にしまい、その1週間後に再度検査をしてみることにしました。 すると、前回よりもハッキリとした濃い陽性反応。 やっと、もしかして妊娠したのかも、と実感が湧いてきました。

そろそろ体外受精を受けるための事前準備で病院へ行く時期でもあり、私たち夫婦は揃って病院へ向かいました。そして受付で「診察」ではなく「妊娠判定」という項目に印を付けました。 診察の結果、「妊娠してますね」とのこと。 この時の衝撃は今も忘れることが出来ません。今までの苦労がブワっと思い出され、妊娠した実感と喜びが心に溢れ、そしてこれからへの不安がフツフツと湧き…、何とも混沌とした感情に支配されました。

でも、確かに妊娠していたんです。

全てが良い方向へ

病院から帰り両親に報告し、私が妊娠した話はあっという間に会社や近所に広まりました。 すると辛辣な言葉をかけてきた人たちも口々に「おめでとう!」と話しかけ、酷いことを言った実の母も涙を浮かべて喜びました。 何より夫も心から喜び、今に至っても妊娠7か月の私を優しくサポートしてくれています。

色々悩んで苦しんでいたことから一気に開放されました。 これが新しい命のチカラなのか、と驚かされました。

最後に

不妊治療はとても辛い道のりです。毎月のように「期待」と「落胆」を繰り返し、安くない金額が手元から出ていきます。病気なのに「治った」「治っていない」がわからず、1つ問題を解決しても、次の問題の可能性に怯えなければなりません。 私のように苛々が募ってくると、ことあることにマイナスの方向に考え、それが実際に悪いことを引き起こします。

私が経験した不妊治療はたった1年ほどのものでしたが、世の中には3年も5年も続けてらっしゃる夫婦がたくさんいらっしゃいます。 どうか世の中の不妊症への理解が少しでも進み、医学が今よりも少しでも前進し、新しい命を望む夫婦にできるだけ多く幸せが訪れますように。

また、不妊治療でなにより大事なのは夫婦の関係です。不妊治療のストレスにより不仲に陥り、最悪は離婚に至ってしまう夫婦も少なくないと聞きます。新しい命を授かり、幸せな家庭を作りたいと不妊治療を始める夫婦がそのようなことになるのは悲しくてなりません。どうか、どんな時も夫婦の関係を大切に、いかなる不安も夫婦で分かち合うようにしてください。

皆さんのもとに幸せが訪れますよう、心から願っております。

※ 記事の内容は、医学的な正確性、効能、効果を保証するものでなく、かつ、記事の利用においてはしかるべき資格を有する医師や薬剤師等に個別に相談するなど読者の責任において行ってください。

関連するキーワード

注目の記事

【大人気】ブログより詳しい!整形の痛みやダウンタイム・術後経過すべて見せます!美容整形体験レポートシリーズ

【大人気】ブログより詳しい!整形の痛みやダウンタイム・術後経過すべて見せます!美容整形体験レポートシリーズ

NICOLY編集部では、カウンセリングから術後経過までの画像がたっぷりの、美容整形体験レポートを公開しています。切らないプチ整形から、脂肪吸引まで読み応え十分。NICOLY編集部いちおしの記事です。随時更新中!

44067 views | 整形二重脂肪吸引脂肪溶解注射

カテゴリ一覧

この記事のライター

本日のアクセスランキング

いまNICOLYで人気の記事

話題のキーワード

いまNICOLYで話題になっているキーワード

専門家ライター募集

NICOLYで記事を執筆していただける医師を募集

NICOLYでは「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」というビジョンのもと毎日記事を更新しています。信頼性の高い記事を出し続けるために、記事の執筆をしていただける医師を募集しています

専門家ライター募集フォーム

編集者募集

NICOLYで記事を編集してくれる編集者募集

NICOLYでは「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」というビジョンのもと、一緒に働いてくれる編集者を募集しています。

編集者募集フォーム

関連する記事

この記事に関連する記事をピックアップ