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2016年06月01日 更新 | 3,017 views

あがり症のせいで苦しんだ私を救った、魔法の言葉 [体験談]

小さい頃から得意だったピアノ。しかし、小学生の時のミニコンサートがきっかけで人前での演奏が怖くなりました。パニックで頭が真っ白になり、手が止まってしまいました。ここからあがり症によるミスが増え、失敗は絶えませんでした。友人の励ましや伴奏の引き受けを重ねる中で、次第に演奏を楽しめるまでになりました。

ピアノの練習をしている女性出典:We heart it

得意だと思っていたピアノ。

しかし、1回の失敗が原因で人前で弾く事に恐怖を感じるようになってしまった私。

そんな私が大好きなピアノ協奏曲にソリストとして挑戦し、やりきる事ができたきっかけとなった、あがり症を克服した魔法の言葉がありました。

褒められて「得意」だと自覚し、好きになったピアノ

ピアノの練習をしている女の子出典:We heart it

音楽好きの母に手を引かれ、初めてピアノ教室の門をくぐったのは3歳の時でした。

それからずっとピアノのレッスンに通い、母の熱心なマンツーマンの復習指導の甲斐もあり、同世代の子どもたちの中ではかなり「弾ける」部類に入っていました。

私自身も音楽は好きだったので、ピアノを弾く事は嫌ではありませんでしたが、毎日一定時間以上練習しなければならない事は苦痛に感じる事もありました。

それでも、小さな女の子が一生懸命ピアノを弾く姿はよく褒められるもので、家族や親戚をはじめ、友人や友人の親御様から沢山の

「すごいね」「上手だね」

という言葉をもらい、私は

「自分はピアノが上手だ」

と思うようになりました。

褒められてもらえるから、得意だと胸を張って言えるから、ピアノが好きになりました。

実際、同世代の子どもたちの中では誰よりも早くテキストが進んでいました。 それも自信につながっていたように思います。

小学4年生のミニコンサートで頭が真っ白に

歩道橋の上で悲しみが抑えきれない女性出典:We heart it

発表会で得意なピアノを披露する事は、私にとって喜びでした。

ピアノといえば、発表会などで暗譜をしなくてはならないという風潮がありますが、子どもの頃の私は暗譜にもさほど苦手意識は持っていませんでした。

ところが小学4年生のある日、事件が起きたのです。

それは毎年1度、特別なホールを貸しきって開催される大きな発表会ではない、普段の教室内で行われる小さな「ミニコンサート」で起こりました。

年に1回しか発表の機会が無いと、子どもたちのモチベーションはなかなか上がらないため、私の通っていたピアノ教室では、主にお母さんたちを対象とした「ミニコンサート」たるイベントがしばしば行われていました。

子どもたちが演奏する曲も、発表会のために練習するような大きな曲ではなく、普段のレッスンで取り組んでいるようなものになります。

そこで私が何を弾いたのか、正確には覚えていませんが、演奏中に頭が真っ白になり、手が止まってしまったのです。

そんな事は始めてだったため、パニックになり、最初から弾きなおしても同じ箇所でやはり頭が真っ白に……。

10歳そこそこの子どもにとってはとんでもない恐怖でした。

その時は先生が咄嗟に楽譜を差し出してくれて、どうにか最後まで弾ききりましたが、この事件が私にとってのトラウマとなり、以後ずっと私を苦しめる事になるのです。

これが、私の「あがり症」のはじまりでした。

人前で弾く事への恐怖感

グランドのネット越しから真顔で見つめている女性出典:We heart it

ミニコンサートでの一件があってから、私は暗譜への苦手意識を強く持つようになりました。

人前で演奏する事を極度に恐れるようになってしまったのです。

*「またあの時みたいに止まってしまったらどうしよう」

「あの時も暗譜はきちんとしていたはずだったのに、また頭が真っ白になってしまったらどうしよう」*

そう思うと、とたんに足がすくみ、心臓が早鐘を打つようにドキドキしてしまうようになりました。

そして、そのような思いが払拭されないまま本番を重ねれば重ねるほど、萎縮してしまい、ミスも増え、数回「頭が真っ白になり演奏が止まってしまう」という事をしでかしてしまいました。

失敗を重ねると、自信は無くなるばかり。

発表会など、人前で演奏する事を恐怖に感じるばかりか、自分のピアノの実力に対してもどんどん自信が無くなっていきました。

それでもピアノが好きだった中学時代

鍵盤の隙間に花を差し込んでいる様子出典:We heart it

恐怖と戦いながらピアノと向き合っていましたが、中学生になった頃、初めて自分の弾きたい音色で演奏ができるようになったと実感し、また、弾きたい曲が比較的自由に弾けるようになり、ピアノそのものは好きになる一方でした。

自宅で好きなように好きな曲を弾く事が何よりの楽しみで、楽譜を読む力もついてきたため、本来のレッスンで取り組んでいる曲ではない、ポピュラー音楽の楽譜などを買ってきては弾くような毎日でした。

しかし相変わらず人前で弾く事は好きでは無く、慣れているはずのピアノの先生の前でも萎縮してしまい、本来の力が出せずに自己嫌悪に陥る事がほとんどでした。

まして発表会などは恐怖以外の何ものでもなく、出演しなくて良いものならば出演しなくないと思いながらも、毎年しぶしぶ参加していました。

中学校の合唱コンクールの伴奏でも

ハイライトが入ったロングヘアーの女性出典:We heart it

どんなに人前で演奏する事が嫌いでも、ピアノが弾けるという噂はすぐに広まるようで、中学生の時は毎年合唱コンクールの伴奏者を務めました。

最初は友人に推薦され、クラスにピアノが弾ける人があまり多くはいなかったため、乗り気でないものの引き受けました。

伴奏ならば、そんなに目立たないし、暗譜をする必要もないから、大丈夫だろう、とその時はそう思っていました。

しかし私はまたもここで大失敗してしまうのです。

なんと、楽譜が目の前に置いてあるにもかかわらず、極度の緊張で恐慌状態に陥り、弾き始める場所を間違えてしまったのです。(専門用語を使って説明いたしますと、1オクターヴ高いところで弾き始めてしまったのです)

これには弾いている本人が一番驚きました。

どうにかその場では平静を装い、何事も無かったかのようにキリの良いところで通常の場所に戻しましたが、ショックは大きく、演奏が終わった後、どうしてもこらえきれずに大泣きした事をよく覚えています。

「あんなに簡単な伴奏なのに、どうして間違えたんだろう」

という悔しさと恥ずかしさでいっぱいでした。

もう二度と伴奏なんか弾かない。ピアノも絶対に人前では弾かない。

と堅く決意するほど、ショックを受けました。

同級生のひと言に救われて

仲良しの友人と海に来てテンションが上がっている様子出典:We heart it

大きなショックを受け、立ち直れないほど号泣した私でしたが、そんな私を心配してか、ピアノ経験のある同級生が励ましの言葉をかけてくれました。

「オクターヴ上で弾き始めた時は、正直どうなる事かと思ったけど、あんなに自然に元に戻せるなんてすごい! 天才かと思った!」

本心かどうかは分かりません。

泣く私をただ励ましたくて大げさに褒めてくれただけかもしれません。

それでも私はこの言葉に大いに助けられ、それから3年間ずっと伴奏を担当し続ける事になったのです。

伴奏には伴奏の難しさがあり、楽譜は見ながら弾けるものの、指揮者を意識しながら弾かなければならなかったり、歌がつられてしまうような和音はミスする事が許されなかったり、ソロで演奏するよりも責任の重さを感じました。

それでも、自分の中の恐怖心と「あがり症」と闘いながら、騙し騙し伴奏を引き受け続ける中で、ソロの方が責任が軽い(=失敗しても困るのは自分だけ)という実感が強くなり、次第にソロの演奏を自由奔放に楽しむ事ができるようになっていきました。

微笑みながら見つめている眼鏡をかけた金髪の女性出典:We heart it

いくらソロの演奏を楽しむ事ができるようになってきたとはいえ、私の「あがり症」は相変わらずでした。

発表の場があれば、その前日から落ち着きがなくなり、夜眠れないのも、朝ご飯が喉を通らないのも、毎度お馴染みの習慣となっていました。

本番直前は自分の心臓の音が嫌というほどハッキリ聞こえ、本番中もドキドキは収まることなく、極度の緊張の中弾ききれるかどうかに挑む、という流れでした。

本番恐怖症は克服できずに悩んでいましたが、ピアノが好きだという気持ちは強くなるばかりで、音楽について、ピアノについてもっと学びたいという一心で、音楽の道へ進む事を決意します。

教育学部の音楽専攻を目標に、必死に受験準備をしました。

あがり症そのものが克服できない事はよく自覚していたので、あがる事に慣れるために、課題曲を何度も人前で発表しました。

そして、努力と運が味方し、念願の音楽科への進学が実現しました。

大学の試験でも大失敗

ピアノをする前に精神統一している様子出典:We heart it

大学の授業はとても刺激的で興味深く、毎日が新鮮な楽しさで溢れていました。

しかし学生が避けて通れないものは学期末の試験。

私は、またここでも大失敗してしまうのです。

大学1年生の学年末試験だったと記憶しています。

ピアノの試験で、小学4年生の悪夢を再び見ることになりました。

なんと、試験中に頭が真っ白になり、手が止まってしまったのです。

曲そのものは技術的にさほど難しいものではありませんでした。

それなのに、試験の真っ只中で演奏が停止してしまったのです。

真っ青になり、冷や汗が吹き出たのが今でも鮮明に感覚として思い出されます。

あんな思いは二度としたくないというほど、焦りました。

少し前の箇所から弾きなおしても、やはり止まってしまった箇所に差し掛かると弾けなくなってしまい、その時はかろうじて右手でメロディーラインのみを演奏し、途中から左手を復活させて取り繕いましたが、散々な演奏だった事は間違いありませんでした。

試験の結果がどうか、などという事よりも何よりも、10年近く前のトラウマが鮮明に実感として襲ってきた事の方が恐怖で、その晩は一睡もできませんでした。

ピアノの「あがり症」から逃げて声楽で卒業

巨大なエイリアン型のプレートを顔の前に持っている女性出典:We heart it

結局、ピアノの「あがり症」から来る恐怖心を、どうしても克服できず、私はそこから逃げ、大学3年生で専攻を最終決定する際に声楽を選び、歌を歌って卒業してしまいました。

勿論、歌も大好きでした。

中学生の時は合唱部でしたし、合唱は勿論、オペラアリアを歌うこともとても好きでした。

今でも声楽を専攻生として学び、声楽で卒業した事は誇りに思っています。

しかし、根底にピアノの「あがり症」の恐怖から逃げてしまったというネガティブな選択要因があった事を、忘れられずにいました。

ピアノ協奏曲への挑戦

たくさんの花を摘んで花飾りも作った女性出典:We heart it

そんな私に転機が訪れたのは、大学を卒業し、音楽教室の講師として働き始めた社会人1年目の秋でした。 アマチュアオーケストラでクラリネットを吹く友人から

「ピアノ協奏曲のソリストをやらないか」

と声をかけてもらったのです。

話を初めて聞いたときは

「とんでもない!」

とその場でお断りしたのですが、

「いやいや、あなたならできる!それにあなたのピアノ協奏曲を是非聴きたいの!」

と熱心にアプローチしてもらい、とうとうお話を受ける事にしてしまいました。

曲もやりたいものをやってほしい、との事だったので、幼い頃から大好きで、ずっと憧れていたショパンのピアノ協奏曲の第1番を選びました。

とても難しい曲でしたが、私は夢中になり、毎日数時間の練習を全く「苦」と思わずに熱心に取り組みました。

オーケストラとの合わせでも厄介な「あがり症」が発症し、家では問題なく弾ける箇所が全く形にならなかったり、指がいつもよりももつれてしまったり、問題だらけでした。

反省ばかりのオーケストラ合わせでしたが、皆様とても温かく応援してくださいました。

演奏会前日にパニック状態に

なかなかうまくいかず行き詰っている女性出典:We heart it

どうにか本番間際に形にするところまでこぎつけ、リハーサルも終えた本番前日、リハーサルまでは落ち着いていた私を突然すさまじい恐慌が襲いました。

人生で、これまでの恐怖は感じた事のないほどの恐怖に見舞われ、震えが止まらなくなり、動悸も激しく、嘔吐感まで沸き上がってきました。

わけも無く涙が溢れ出して止まらなくなり、まるで自分の感情が崩壊してしまったようでした。

衝動的にパソコンを開いて「ピアノ 本番 怖い」などと打ち込み、検索をかけました。

様々なサイトを渡り歩き、「緊張のほぐし方」を読み込んだり、「誰だって本番は怖いんです」というコメントに「うんうん」と頷いたりしました。

そんな事をやっている中で、ひとつの文章が目にとまりました。

「あがり症」のパニックから救ってくれた魔法のひと言

本屋さんで買った本を早速読みながら歩いている女性出典:We heart it

その文章は、世界的な巨匠ピアニスト、ルービンシュタインの若き日の手記でした。

「若いとき、私はなまけ者だった。私は才能に恵まれていたけれど、人生にはピアノを練習するよりももっと大切なことが沢山あった。 (中略)そのころの私はたくさんの音符、たぶん30%ぐらいを落として弾いていた」

このひと言が私を「はっ」とさせました。

巨匠ルービンシュタインが3割もの音符を落として弾いていたと豪語しているのだから、私みたいなアマチュアピアニストは半分ぐらいの音符を落としたって良いのではないだろうか…… と思えてきたのです。

実際はもちろん半分もの音符を落とすなんて言語道断ですが、そのくらいの気持ちでいたっていいじゃないか、”あの”ルービンシュタインが3割も落として弾いていたのだから! と思えたことが大きかったようです。

そして、本番当日、舞台上で小さなミスをするたびに

「私はルービンシュタイン、私はルービンシュタイン」

と言い聞かせて、40分もの大曲を全て弾ききる事ができました。

その後の私の「あがり症」

観葉植物に腰かけて伸びをしている女性出典:We heart it

協奏曲は弾ききるには弾ききりましたが、それでもパーフェクトな演奏ができたわけではありませんでした。

ミスはもちろんしましたし、ギリギリの精神状態で乗り切ったので、相変わらず人前で演奏する事は怖いです。

しかし、例え極限状態であっても協奏曲を弾ききったという事実と、ルービンシュタインの手記は、今なお私の中に生き続けています。

幸い、社会人になった今でもピアノや歌の演奏の機会をいただく事がありますが、あがり症のパニックに見舞われそうになる度に、あの協奏曲の本番と私を救ってくれたひと言を思い出すようにしています。

そうすると気持ちがふっと軽くなり、演奏を楽しむ事に意識を向けられるようになるのです。

written by Amemiya Emi*

Top image via Weheartit

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