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2016年07月01日 更新 | 6,216 views

すきっ歯だけど、人に喜ばれる笑顔を持っている。外見だけで自分の価値を決めないで [体験談]

「すきっ歯」のせいで暗い思春期を過ごした私。社会人になったら歯の矯正をしようと決心したのですが歯を抜かなければならないと言われ断念することに。次に審美歯科を訪れますが、そこでも自分の納得がいく治療ができずに途方に暮れてしまいます。ですが、ある出来事でコンプレックスを乗り越えられるようになります。

颯爽と走っているロングヘアーの金髪の女性出典:Weheartit

私は正中離開、いわゆる「すきっ歯」がとてもコンプレックスでした。

生まれつき前歯が2本少なく、乳歯の時からすきっ歯です。

歯が少ない分とても大きな前歯が2本あり、その間が約3ミリも空いています。

2本の前歯の隣はすぐに犬歯です。

インターネットで検索してみると、「すきっ歯はだらしなく見える」「貧乏臭い」「間抜け顔」等、やはりあまり印象は良くないもよう。

その一方で「ヨーロッパでは、すきっ歯は幸せを呼び込むと言われている」「欧米ではチャーミングに見られる」という話もあり、その国ではあえてすきっ歯にされる方もいらっしゃるようです。

しかしここは日本ですから、前者のネガティブな意見が一般的でしょう。

だからこそ、私にとってとても大きなコンプレックスだったのです。

隙間が空いていることから、「前歯、折れやすいかも…… 」と母が心配し、リンゴの丸かじりや、硬いお煎餅等は食べることを禁じられました。

またうっかりしていると、食事の際に噛んでしまった箸が隙間に挟まり、なかなか外れず痛い思いをしたこともあります。

いっそこの噛んだ箸と共に、前歯が折れてしまえば差し歯に変えられるのに…… と思ったこともありますが、人一倍大きな前歯はそう簡単に折れることはありませんでした。

このわずか3ミリの隙間が、長期にわたり私を苦しめることになるのです。

笑顔が消えた学生生活

暗い部屋で失恋して涙を流している女性出典:Weheartit

「永久歯に生えかわるとちゃんと前歯が4本になる子もいますから」と私の乳歯を見た歯科医が母に言ったそうです。

母は大いに期待したそうですが、小学1年に生え変わった私の前歯は、残念ながら2本のまま。

そして乳歯の時よりも大きな前歯、広い隙間となっていました。

小学生の頃は、誰も私のすきっ歯を指摘する人はいませんでした。

なので「もしかして私が前歯を気にしているだけで、みんなは気づいていないのかな?」と呑気に思っていました。

しかし中学に上がると隣の席の男子が笑いながら「お前の前歯はスゴいすきっ歯だな」と、わざわざイラストまで描いて見せてくれました。

そして当然のようにビーバーと呼ばれました。他にもネズミだのリスだの……。

みんなの前で言われた怒り、本当はみんな気づいていたと知った恥ずかしさ、改めて自分の醜さを確認してしまった悲しさ…… たくさんの負の感情が私に芽生え、

その日から人前で話すことはもちろん、笑うことすら嫌で嫌でたまらなくなってしまいました。

最近でこそおしゃれのために「伊達マスク」をつけたり、花粉や感染予防等でマスクをつけている方は多いですが、

当時は風邪でもあまりマスクをする方は少ない時代でしたので、常に口元に手を当てて過ごす毎日でした。

高校生になると、さすがに面と向かってすきっ歯を指摘してくる人はいませんでしたが、「気づいていても言わないだけ」ということを知っていましたから、

誰かと話していても相手の目線が気になり、目線が私の口元に向かうたびに逃げ出したくなるのでした。

歯並びの悪い友人が、私が居ることを知ってか知らずか「まあ、すきっ歯よりはましかな」と言っていたのを聞き、とても傷ついたりもしました。

実際に私もすきっ歯なら歯並び悪い方がまだましだと思っていましたから。

しかし実際に他人に言われると辛いものがありました。

幸か不幸か、親は私をとても可愛がり、また非常に楽観的でしたので、

「すきっ歯なんて気にしない!あなたは充分可愛いから良いじゃない」

「今にすきっ歯の時代が来るかも知れないじゃない!」

「すきっ歯でも、虫歯のない綺麗な歯なんだから大事にしなさい」と、

いまいち私の気持ちに寄り添ってはくれませんでした。

すきっ歯の時代が来るはずなんて無いでしょう…… と、若干怒りを覚えました。

もちろん私がすきっ歯で悩んでいることを知っている友人達も「気にすることないよ!」と言ってくれましたが、どんなに励まされたところですきっ歯が治るわけではなく、

「気にするなだなんて、所詮他人事だもんね。あなた達はこんな前歯になったことないもんね。」と、

どんどん卑屈になっていく自分に気付き、見た目だけではなく気持ちまでも暗くなっていきました。

当時思春期真っただ中だった私は全く自分に自信が持てず、好きな男の子に話しかけることも、笑いかけることも出来ない、そんな学生生活を送りました。

希望の光

虹色の光が差し込んで手の平にあてている女性出典:Weheartit

すきっ歯を矯正で治せるかもしれない、と知ったのは専門学校へ入学したときです。

それまで私の周りに矯正をしている人はいませんでしたし、歯科矯正は歯並びを整えるだけだと思っていました。

なのですきっ歯も治せると聞いたときは、とても嬉しく思いました。

しかし治療は長期間で料金も高いと聞き、決して裕福な家庭ではなかった私は親に相談は出来ず、また地元に矯正してくれる歯科はありませんでしたから、自分で稼げるようになったら矯正しよう!と心に決めたのでした。

あと2年で卒業。この2年さえ乗りきれば、私は人前で笑うことが出来る!と。

未来に光が射すと、これまで嫌で仕方がなかったのに、自然と笑みがこぼれ、話すことも抵抗が無くなったのでした。

もうすぐ歯が治る、それだけで見える景色さえ美しく変わるのでした。

悩みを打ち明けられる友達にも出逢い、初めて学校が楽しいと思えました。

私は写真を撮られるのが嫌でした。

カメラに向かって笑うなんて出来ませんから、口を閉めた不自然な笑顔や怒ったような顔の写真ばかり。

でも本当は笑顔の写真が欲しい。

そこで友達と笑顔の研究をしたところ、前歯の後ろに舌をあてがうことで隙間が黒く見えず、多少隙間が目立たなくなることを発見しました。

これは写真だけではなく、日常的に使える技だと思います。

ただ舌を強く押し付けてしまうと、隙間から舌が飛び出てしまい、いかにも「隙間を隠しています」という感じになってしまうので、そこだけは注意が必要です。

それでも歯は宝物

星のスパンコールを口元につけている女性出典:Weheartit

社会に出て初めてのお給料を握りしめ、私は早速矯正歯科へ行きました。

私の場合

「ただ隙間が空いているだけではなく、もともと歯が2本足りないことから、そのまま矯正すると上の前歯が後ろに下がり、受け口のようになってしまう。それを防ぐためには、健康な下の歯を2本抜き、下の歯も矯正することになります。」

との説明を受けました。

とてもショックでした。

治療が長期間だろうと治療箇所が増えようとも、そんなことは問題ではありません。

私は歯の見た目は悪いのですが、これまでとても歯を大事にしてきたのです。

虫歯になったことすらありません。歯科は歯科検診と歯石除去のためにしか行ったことがありません。

ですから、「健康な歯を抜かなくてはならない」という現実は、大切な宝物を奪われるような感覚で、どうしても受け入れられませんでした。

他に方法は無いのか確認してみたり、他の矯正歯科も行ってみたのですが、答えは変わらず、泣く泣く矯正を断念せざるを得ないことになってしまいました。

上を見ている鼻の高いシルバーの髪色の女性出典:Weheartit

次に訪れたのは、審美歯科です。

ここでは歯の隙間を埋める施術が受けられると聞いていたのですが、私の場合は隙間が広すぎて施術しても仕上がりが不自然になってしまうかもしれない、とのことでした。

先に矯正をし、後に審美の施術を受けることで綺麗に出来る、との話もありましたが、

*「歯を抜きもせず、削りもしないのであれば、今の前歯が大き過ぎるために、出来上がり予定としては前歯を1本増やすのが精一杯で(前歯2本だったのが3本になる)、

しかも3本目の歯は今ある前歯よりも小さいサイズになる。料金は約50万~60万円」*とのこと。

私にとっては高額でとてもすぐには受けられませんでした。

お金を貯めるしかない。治す方法を知ってから2年待てたのですから、

治療費を貯めるくらいなんてことはないはず…… そう自分に言い聞かせましたが、

当時初めての独り暮らし、そしてお給料の安い福祉のお仕事。

すぐにお金が貯まるわけもなく、いつになったら治せるのか見通しが立ちません。

しかも前歯は4本が希望でしたから、3本で妥協しなくてはならないことも、治療に対するモチベーションを見事に下げてしまったのです。

前歯は4本だからこそ美しく、私の憧れ。

それがサイズは不揃いで3本なんて、美しいはずがない!しかし宝物を削ってまで4本にはしたくない。

私が欲張り過ぎなのでしょうか。間近に見えていた希望の光が消え、足元すら見えない状況に、ただただ呆然とするばかりでした。

作り物でも本物でも、笑顔は笑顔

笑顔でベットで寝転んでいる女性出典:Weheartit

自分に適した治療法が見つけられず、ガックリと肩を落とした私は、再び笑顔のない生活に戻る…… かと思いきや、当時の私の職業は高齢者介護。

介護のお仕事は、高齢者の方や障害のある方をお世話するだけではありません。

その方が笑顔で過ごす時間を増やすこともとても大切な仕事です。

暗い顔では仕事になりません。泣きたい気持ちを押し殺し、私は日々笑顔で過ごしました。

最初は作り笑顔だったと思います。それでも笑い続けなくてはならない。

とんでもない仕事に就いてしまったと思いました。

自分が自分ではないような、偽りの姿で仕事をして良いのかという葛藤もありました。

でも、それこそが私がコンプレックスを乗り越える大きなきっかけとなったのです。

笑いたくもないのに笑い、無理に明るく振る舞っているうち、あるご利用者が

「あなたの笑顔は本当に気持ちが良いね。見ているとうれしい気持ちになるんだよ。ありがとう。」

と言ってくださいました。

私の笑顔が気持ち良い? 醜くて面白いの間違いでは? と思いましたが、その方は顔を合わせるたびに「ありがとう」「いい顔してるね」と声をかけてくださり、私に自信をつけてくださいました。

自然に笑えるようになるとその方だけではなく、たくさんの方に笑顔を誉めてもらえるようになりました。

自信がつくと、仕事が楽しくなりました。こんなに喜んでもらえるなんて、幸せだと思いました。

弱さを受け止める強さ

古い町並みを眺めている女性出典:Weheartit

ある日、上司からこんな話を聞きました。

「僕はシンデレラの話が好きなんだ。彼女の素晴らしさは、どんなに継母達から罵倒されても恨まず、夢を忘れなかったこと。あんな状況で腐らずに努力していた。

いや、本当は荒んでいたかもしれないけど、それを見せずに自分の立場をきちんと理解して、それを受け止めていたんだと思うんだ。それって実はとても難しいことなんだよ。彼女にはそういう強さがあったんだね。」

私の目からウロコが落ちました。それまでシンデレラをそのようにとらえたことはありませんでしたから。

また世にある「シンデレラストーリー」も、たとえばお金持ちと結婚した、ある日トップにのぼり詰めたという部分にのみ注目し、それまでの努力や苦悩に目を向けることはしませんでした。

私は自分の醜さを恨み、指摘した人を恨み、自分の嫌なところは隠し、他人に憧れて、劣等感のかたまりでそれを受け止めることをせずに生きてきました。

大切なのは歯の状態でも、顔立ちでもない。

いかに自分と向き合い、いかに相手を想って行動出来るか、ということに気づいたとき、私は私の劣等感を受け止めることが出来たように思います。

前歯をコンプレックスに思い、隠す毎日ではこんなに笑えませんでした。

それに自分が思っているほど隠せる箇所でもありませんし。

せっかく治療出来るのに削ることを拒むだなんて、本当は心のどこかでこの歯をいとおしく思っていたのかもしれません。

単なる開き直りかもしれませんが、無理に隠そうとせず、他の部分で自信を持てると自然に乗り越えられるのがコンプレックスなのではないでしょうか。

そしてたとえコンプレックスであっても気にしすぎていると、そのうち愛着が沸くものなのかもしれません。

何だかんだ言っても一生の付き合いである、他でもない自分なのですから。

一般的にコンプレックスは、他人と比べることを止めるのが、克服の糸口になると言われていますが、私にはそれは出来ませんでした。

どうしたって比べてしまうし、どう考えてもすきっ歯が美しいとは思えません。

今でも綺麗な前歯の人と会うと、自分の前歯をみすぼらしく感じます。

だけど以前のように落ち込んだりはしません。すきっ歯だけど、人に喜ばれる笑顔を持っていますから。

ただ私がお婆ちゃんになり、歯を失う日が来たら、入れ歯は綺麗な前歯にしてもらおうと思っています(笑)。

その日が来るのを私は笑顔で待とうと思います。

Top image via Weheartit

written by okukst41

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