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2016年06月13日 更新 | 2,740 views

パニック障害は自力で改善も可能かも。症状と治療法、セルフケアの仕方とは

突然胸が苦しくなったり、気が遠くなったり、そんな症状が頻繁に起きる……。それはもしかしたら「パニック障害」かもしれません。パニック障害には4つの症状があり、中にはうつ病を併発してしまうことも。正しい治療法や自力で症状を抑える方法を知って、パニック障害としっかり向き合ってみましょう。

苦しそうに胸を押さえる女性の写真

電車に乗ったら急に動悸が激しくなった……

人ごみにいるとめまいが起きる……

そんな症状が気になってきたら、それはもしかすると「パニック障害」なのかもしれません。

パニック障害とは?

首を下にもたげて落ち込む女性の写真

パニック障害とは、突然激しい動悸、窒息感、めまいなどの症状が起こることでパニックになり、このまま死ぬのではないかと直接的に死の恐怖を感じる精神疾患です。

命に関わるようなことは決してないのですが、強い不安感でパニックになってしまいます。

芸能人でもこの症状で悩む人が多く、意外にも*社交的で外交的に見える人にも起こりうる病気です。

パニック障害の原因としては、脳内の恐怖や不安に関係する神経伝達物質「ノルアドレナリン」と、興奮を抑える神経伝達物質の「セロトニン」とのバランスが崩れることで引き起こされ、セロトニンの分泌異常が原因と考えられています。

パニック障害は決して他人事ではなく、100人に1人が発症すると言われているのだとか。

男女の比率としてはほぼ同じくらいの割合で発症し、女性は35歳前後がピークのようです。

誰でもなる可能性がある病気だといえます。

パニック障害は神経質な人や心配性の人がなりやすいと思われがちですが、実は性格による問題ではなく、脳の働きが通常と変化しているので、医学的な治療が必要です。

パニック障害の4つの症状

目元を押さえて悩んでいる女性の写真

パニック障害には、顕著に現れる4つの症状があります。

1. パニック発作

パニック障害の中心となる症状は、「パニック発作」です。

パニック発作とは、例えば電車や飛行機などの乗り物に乗っている時に、突然動悸や立ちくらみの症状、強い不安を伴う発作のこと。

症状はどんなに激しくても10分〜1時間以内には治まりますが、何度もくり返しあらわれるので、死の恐怖を感じどんどん不安感が増していくのです。

パニック発作には身体症状と精神症状があります。

身体症状

  • 心臓がドキドキする
  • 息切れ、息苦しさ
  • 窒息感、異常感覚
  • 吐き気
  • 発汗
  • 震え
  • 寒気、熱っぽさ
  • 気が遠くなる
  • めまい、ふらつき

精神症状

  • コントロール感覚を失う
  • このまま死んでしまうのではないかという不安を感じる
  • 気が狂いそうになる
  • 今起こっていることが現実ではない、自分が自分ではない感覚を覚える

2. 予期不安

また、パニック障害の症状に「予期不安」と呼ばれるものがあります。

予期不安とは、またパニック発作が起こったらどうしようと発作に対して不安に思うこと

パニック発作は何度もくり返し起こるので、その経験からまた起きるのではないかという強い不安を幾度となく感じるようになります。

その症状が進むと、日常生活の大きな妨げとなってしまうほどに。

3. 広場恐怖

パニック障害は、広場恐怖を引き起こすとも言われています。

広場恐怖症とは、パニック発作が起こる状況に対する恐怖感のこと。

何度もくり返す発作は、一度経験すると以前発作を起こした状況が怖くなってしまうんです。

怖いと思ったらそれを回避しようとするのが人間の本能で、少しでもパニック発作の要因となりそうなものを避けるようになります。

発作が起きたら助けてもらえないのではないか、安全なところに逃げ出せないのではないか、という恐怖感から、発作の起こった公共の乗り物や人ごみを、少しでも発作が起こらないように避けるのです。

そうなると毎日の生活での行動範囲が狭くなり、社会生活に支障をきたすようになります。

4. 非発作性不安愁訴

上記の3つの症状ほど広く認知されているわけではありませんが、パニック障害には「非発作性不安愁訴」という症状もあります。

非発作性不安愁訴とは、パニック発作があまり激しくなく、緩やかに持続的に出てくるようになるという、パニック障害の慢性期のこと。

理由はないけど何か不安を感じたり(浮動性不安)、波のように出てくる離人症状(いま起きてることが現実ではないような、自分のことをもう一人の自分が見ているような感覚)が起きてきます。

これはすべて激しい不安感などではなく、慢性的に軽い症状で、起こる頻度が多いのが特徴です。

パニック発作がでやすいとき

満員電車の写真

パニック障害は場所と日々の生活の出来事できっかけとなるものがあり、発症する傾向が。

パニック発作があらわれやすい場所

パニック発作が比較的頻繁にあらわれやすい場所があります。

  • 電車に乗っているとき
  • 会社の会議室
  • 以前、パニック発作を起こしたことがある場所
  • 車を運転しているとき
  • 人ごみの中 など。

基本的に密室空間は、パニック障害を誘発しやすいのかもしれません。

パニック発作があらわれるきっかけになること

日々の行動や体調なども、パニック発作を起こすきっかけとなるものがあります。

  • 疲れていて体調が悪いとき
  • 緊張しているとき
  • 炎天下での労働、スポーツ
  • 睡眠不足
  • 風邪
  • カフェイン(コーヒーや薬に含まれる)
  • アルコール
  • タバコ(ニコチン)
  • 生理 など。

疲れや睡眠不足など、身体が万全ではない状態は、パニック障害の要因になりうるのかも。

パニック障害はうつ病を併発しやすい

暗い部屋で顔を手でかくし嘆いている女性の写真

パニック障害が長引いてくるとうつ病を併発することがあります。

パニック障害が続くと、心身の不調を気に病み落ち込むことで、うつ状態になりやすいのだとか。

また、実はうつ病もパニック障害と同じように、脳内の神経伝達物質である「セロトニン」の働きが低下することが関係しているのです。

したがって食欲がない、眠れない、気分が落ち込むなどの症状があらわれるようになります。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

パニック障害を持つ人の50~60%は、病気の経過の中で、大うつ病性障害を合併すると言われています。
うつ病より先にパニック障害を発症したり、両方同時に発症したり、パニック障害がうつ病より先に発症するなど、パターンはいろいろあります。

パニック性不安うつ病

パニック性不安うつ病は別名非定型うつ病とも呼ばれ、パニック障害とうつ病を併発している状態のこと。

パニック性不安うつ病になると、気分の浮き沈みが激しくなります。

症状が重くなるにつれ気分の変動がより大きくなり、午前中は比較的機嫌がよかったのに、午後から夕方にかけて強い不安感に襲われ、夜に向かって強い抑うつ状態に陥る、ということも。

パニック性不安うつ病の症状

  • 楽しいことがあると一気に気分が明るくなる
  • 食欲が増して体重が増える
  • いくら寝ても眠たい
  • 疲労感が強く、手足が鉛のように重い
  • 夕方から夜にかけて体調が悪くなる
  • 他人の顔色がひどく気になる

これらはうつ病の主な症状である「気分の落ち込み」が2週間以上続いていることが前提となっています。

その上で気分のアップダウンが激しかったり、さらにその他の症状が2つ以上心当たりがあれば、非定型うつ病の可能性があるんです。

パニック障害を防ぐためのセルフケア

魚の写真

まずは自分でできるパニック障害を防ぐ方法を知りましょう。

規則正しい生活リズムにする

生活のリズムを正すことは、パニック障害のみならず健康でいるために非常に重要なこと。

あまり眠れず睡眠不足になっていたり、働きすぎて疲労が溜まっていたり……

さらには風邪をひいていたり、飲み過ぎて二日酔いになっていたりすると、パニック障害に影響を及ぼすことになりかねません。

早寝早起きをして規則正しい生活を送るようになると、パニック障害を起こす要因を減らすことができ、改善が見られた人もいるようです。

オメガ3脂肪酸を積極的に摂る

ある研究センターの発表によると、「オメガ3脂肪酸」を摂取することで、恐怖を感じる過去の体験や記憶を緩和される傾向があることがわかりました。

オメガ3脂肪酸は人間が体内で作ることができない、必須脂肪酸と言われています。

オメガ3脂肪酸を摂取するためには、オメガ3脂肪酸が含まれている青魚と亜麻仁油を日々積極的に摂ることが大事。

青魚の中でも特にサバとイワシはオメガ3脂肪酸が豊富に含まれているため、おすすめです。

亜麻仁油は不安感を減少させる成分が入っています

ヨーグルトに入れたり、ドレッシングにしたりして摂取すると良いかも。

1日4〜5グラム(約小さじ1杯弱)ほどで充分です。

最低2〜3ヶ月続ければ効果が出てくる、と言われています。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

オメガ3脂肪酸は、脳全体に良いものであり、気分を向上させることが明らかにされています。また、オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚油サプリメントが、抗うつ薬の治療効果を上げるという研究結果も報告されています。

アルコールやカフェインを含む飲み物を避ける

アルコールは飲むことで気分が良くなりますが、それは一過性のものにしか過ぎません。

酔いが覚めると現実が押し寄せ、飲む前よりもさらに強い不安を感じるように。

飲んだ後にパニック発作が起きたり、症状が悪化しやすくなったりするケースもあるんです。

カフェインが含まれるコーヒーは、疲れているときに飲むとリラックス効果が期待できると言われています。

しかしパニック障害の人は、コーヒーを飲んだ後に発作が起きることが多いので、できるだけ飲まない方がいいかも。

コーヒーだけでなく、お茶やコーラにもカフェインが含まれています。

まったく飲まないということができない場合は、なるべく飲む回数を減らしましょう。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

アルコールやカフェインなどの刺激物を過剰摂取することは、不眠やうつにも悪影響があると言われています。
適量を心がけてください。

糖分を控える

パニック障害は糖分も関係しています。

お菓子などに含まれる糖分は急激に血糖値を上げるため、身体が危険を感じ、すい臓からインスリンを分泌させ血糖値を急激に下げます。

そうなると動悸や息切れなどの症状があらわれ、パニック発作に似たものを誘発するのです。

そのため、パニック障害の人は糖分を控えるべきかも。

自力でパニック障害が改善されないなら、病院へ

医師からカウンセリングを受ける女性患者の写真

セルフケアでパニック障害の症状が改善されない場合は、無理をせず心療内科や精神科などの専門科を受診しましょう。

病院では薬物治療と薬を使わない治療があります。

薬物治療

薬物治療には主に3つの方法があります。

1. SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)

SSRIやSNRIはパニック障害に使われることが多い薬で、脳内のセロトニンやノルアドレナリンを増やす働きがあります。

効果が出るまで2〜3週間飲み続けなければなりません。

副作用として吐き気や眠気がありますが、他の抗不安薬に比べれば軽く済むようです。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

個人差はありますが、これらの薬は即効性がなくパニック発作を瞬時に抑えることはできません。
また抗うつ薬に分類され、パニック障害にうつを合併している場合、処方することが多いです。

2. 抗不安薬

また、抗不安薬もパニック障害に用いられる薬のひとつです。

パニック障害でよく使われるのはベンゾジアゼピン系の薬で、SSRIが世に出る前はパニック障害に1番多く使われていました。

副作用は眠気やふらつきなど。

SSRIよりも薬の効果が強いため、依存性や習慣性などの問題があります。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

抗不安薬は、即効性が期待できパニック発作が起こりそうな時に前もって服用したり、パニック発作が起きてしまってからでも飲むことで発作の軽減が期待できます。

3. 三環系抗うつ薬

便秘や眠気、のどの渇きなどの副作用が強く、SSRIや抗不安薬で効果がみられない場合に使われるのが、三環系抗うつ薬。

薬物療法は症状を一時的に抑えることはできますが、根本的な治療には結びつきません。

薬に依存してしまう可能性もあるので、心理療法と平行して行うことが望ましいです。

薬を使わない治療法

パニック障害に効果的な心理療法には、2つの方法があります。

1. 認知行動療法

パパニック障害の精神療法として、一番認知度が高いのが「認知行動療法」です。 認知行動療法とは、歪んだ認識に基づく行動習慣を少しずつ修正して、正しい行動習慣を身につけてゆく精神療法。

例えば広場恐怖の症状により、電車に乗れなくなったとします。

その場合、「電車=パニック」、「電車=怖い」、「電車=死の恐怖」というふうに誤った学習をしてしまっているので、 「電車=移動手段」、「電車=怖くない」、という本来の認知に修正していき、徐々にステップを踏んで不安を克服します。

2. 対人関係療法

対人関係療法には、臨床心理士とともに行う「支持的カウンセリング治療」というものがあります。

これは、カウンセリングにて無意識にある「不安の種」について気づいていき、その対応方法を共に考えていくものです。

3. 自律訓練法

また、パニック障害の精神療法に「自律訓練法」というものがあります。

自律訓練法とは、心と身体の両方をリラックスさせる方法を身につける訓練のこと。

パニック障害の人は発作が起きていないときでも、障害を持っていない人より高い緊張感を持ち続けていることが多いです。

それは常に糸がピンと張った状態で、普通なら何でもないことでも、その緊張の糸が切れてパニック発作につながる可能性があります。

日常からパニック障害の人が抱く緊張の度合いを下げるための訓練方法です。

新宿ストレスクリニック 精神科専門医 渡辺佐知子

最近は、「認知行動療法」と「支持的カウンセリング療法」が広く浸透しており、実施しているメンタルクリニックも増えてきています。

パニック障害と向き合って、自分に合った治療法を

カメラ目線で笑顔の女性の写真

突然くるパニック発作に恐怖を抱いてしまい、そのくり返しで負の連鎖になってしまうパニック障害。

しかしパニック障害は、正しい生活習慣と適切な治療できっと治すことができます。

自力で治せなかったとしても、病院で受診をすれば自分に合った方法が見つかるはず。

「パニック障害かも? 」と思っても不安にならずに症状と向きあえば、改善策はおのずと見えてくるかもしれません。

※ 記事の内容は、医学的な正確性、効能、効果を保証するものでなく、かつ、記事の利用においてはしかるべき資格を有する医師や薬剤師等に個別に相談するなど読者の責任において行ってください。

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