2017年09月06日 更新

まぶたが開きにくくなる眼瞼下垂(がんけんかすい)、治療や効果について

眼瞼下垂(がんけんかすい)の治療は眼科・ 形成外科・美容外科で受けることが可能です。治療法は手術となりますが、メスを使った「切る治療方法」と、糸を使った「切らない治療方法」があります。症状によって適応可能な治療法とそのメリットやデメリット、費用やダウンタイムも異なります。

聖心美容クリニック 札幌院 院長 前多一彦

この記事は、聖心美容クリニック 札幌院 院長 前多一彦先生が監修しています。

「まぶたが開きにくい・重い」

「二重まぶたの幅が広くなった」

このような症状がある人は、眼瞼下垂(がんけんかすい)かもしれません。眼瞼下垂は、見た目が気になるだけでなく、生活にも支障が出ることも。

この記事では眼瞼下垂とはなにか、どのような治療があるのかを紹介します。

目次

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは

顔を隠す女性の写真

眼瞼下垂(がんけんかすい)とは、顔が正面を向いているときに、まぶたが瞳孔に一部覆い被さってしまっている状態のこと。

眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉の力が弱まったときや、眼瞼挙筋を動かす「動眼神経」という神経に異常があるときに起こります。

眼瞼下垂(がんけんかすい)の症状には、「まぶたが開きにくい・重い」「二重まぶたの幅が広くなった」という目やまぶたに関わるものから、「よく頭痛がする」「常に肩が凝っている」「額のしわが深くなってきた」などの、目には直接関係ないようなものまでさまざまです。

眼瞼下垂は、治療せずに症状を放置していても自然に改善したり治癒することはなく、むしろ徐々に進行していきます。

視野が徐々に狭まり視力が低下したり、交感神経が支配する筋肉が酷使されるため、自律神経失調症が悪化したりするため、日常生活のなかでさまざまな支障をきたすようになります。

眼瞼下垂の治療はどこで受けられる?

眼科での医師の診察の様子の写真

眼瞼下垂の治療は、眼科だけでなく形成外科や美容外科でも受けることができます。では、それぞれの診療科での治療には、どのような違いがあるのでしょうか?

眼科での治療

眼瞼下垂の疑いがあるとき、ほとんどの人はまず眼科を受診します。しかし、眼瞼下垂はまぶたの病気であるため、厳密には眼科で行う診療の対象外です。

〈メリット〉

眼科は、どの街でも比較的数が多いことから、受診しやすいのがメリットです。

また、眼瞼下垂の治療はほとんどの場合手術になりますが、手術後にもしドライアイや視力の変化などの「目」に関する合併症が起こった場合に、しっかりと対応してもらえる点が魅力です。

さらに、治療に健康保険が適用されるのもメリットのひとつ。3割負担の場合、治療費用の目安は両目で約5〜7万円です。

〈デメリット〉

眼科では「眼瞼下垂の診断はするが、手術には対応していない」というケースが多くあります。その場合は他の病院へ紹介されることになるため、ひとつの病院の受診で終わらない点はデメリットと言えます。

また、もし眼科で眼瞼下垂の手術に対応しているところがあっても「症状の改善」が目的となるので、「手術後のまぶたが美容の観点からみて美しいか否か」には重点が置かれないことも知っておく必要があります。

形成外科での治療

眼科が眼瞼下垂の治療に対応していないとき、ほとんどの場合は形成外科へ紹介されて治療を受けることになります。

〈メリット〉

形成外科が何をする診療科なのか、すぐにピンとこない人が多いかもしれません。けれど、形成外科は「体表面の外傷や異常の外見および機能の再建」を目的とする診療科ですので、眼瞼下垂の治療は形成外科の担当領域に入るのです。

事実、眼瞼下垂の手術は多くの場合、形成外科で行われます。

したがって「治療経験が豊富である」ということが、形成外科で治療を受けるメリットです。

形成外科での眼瞼下垂の治療にも健康保険が適用され、費用も眼科での治療の場合と大差ありません。

〈デメリット〉

形成外科は、眼科ほど軒数が多くありません。受診するために大学病院や大病院へ出向かなければならないことも多く、眼科に比べ受診がしにくいことはデメリットと言えます。

また、眼科の場合と同じく、症状の改善とまぶたの機能の回復が優先されるので、手術のでき上がりの見た目はあまり重視されない傾向にあります。

デメリットではありませんが注意したい点は、形成外科が扱う領域は全身に及ぶため、医師によって得意分野が違うことです。

すべての形成外科医が眼瞼下垂の手術が得意とは限らないので、眼瞼下垂の治療経験が豊富な医師を選びましょう。

美容外科での治療

眼瞼下垂の手術では、術後に目の印象が大きく変わります。手術の性質上、一重まぶただった人も二重まぶたになることが多く、術後の目の仕上がりに左右差が出ることもよくあります。

〈メリット〉

まぶたの機能改善に加え、術後のまぶたの左右差や二重まぶたのデザイン、顔全体におけるバランスなどの美的観点も考慮した治療が可能である点は、美容外科ならではのメリットです。

また、眼科や形成外科での保険適用診療では「切開法」という、まぶたの切開をともなう治療しか選択できません。しかし美容外科での保険外診療で、眼瞼下垂が軽度〜中度であれば「埋没法」という、切開をしない治療法の適用が可能な場合があります。

〈デメリット〉

美容が目的の治療は健康保険が適用されないため、治療費用が高額になります。クリニックによって異なりますが、費用は約40~70万円にのぼることが多いようです。

眼瞼下垂の治療方法とは

カウンセリング風景の写真

眼瞼下垂の治療法には、切開をともなう治療法と、切開せずに糸を使う治療法とがあります。

切開をともなう眼瞼下垂の治療方法

  • 眼瞼挙筋腱膜前転術
  • 眼瞼挙筋腱膜短縮術
  • 前頭筋吊り上げ術

切開せずに糸を使う治療法

  • 埋没式拳筋短縮法

ここでは、それぞれの治療法のメリットとデメリットを解説します。

眼瞼挙筋腱膜前転術

目の手術の様子の写真

信州大学医学部特任教授の松尾清氏が開発した手術法で、「松尾式」「信州大学式」とも呼ばれます。

腱膜性眼瞼下垂の場合に用いられる代表的な治療法で、形成外科でこの手術法が用いられることが多いようです。

腱膜性眼瞼下垂(けんまくせいがんけんかすい)とは

まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋と、まぶたの縁にあり芯のような役割をする「瞼板(けんばん)」という軟骨は、「腱膜」という膜によってつながっています。

老化や、目を頻繁に激しくこするなどの刺激によって腱膜と瞼板との結合がゆるんだり外れたりしたために起こる眼瞼下垂が「腱膜性眼瞼下垂」です。

ハードコンタクトレンズの長期装用者や、アレルギーなどで目を頻繁にこすることが多い人に発生しやすいといわれています。

眼瞼挙筋腱膜前転術は、ゆるんでいる腱膜を、瞼板に再度固定する手術です。

まぶたを二重のライン上で切開し、腱膜を前方へ引き出して瞼板に糸で縫合します。手術中に目を開いて、黒目の見え方を調整します。

メリット

眼瞼挙筋や腱膜を切らないので、眼瞼挙筋とつながっており交感神経が支配する「ミュラー筋」という筋肉を傷つけるリスクが低い手術法です。

まぶたの開く度合いを調整でき、まぶたに傷あとが残りません。

さらに、まぶたを引き上げる腱膜を短くするので、目が開けやすくなります。

デメリット

高度な技術と経験を必要とする手術法であり、医師の技術力によって仕上がりやダウンタイムの長さに差があります。

また、まぶたを切開するため、強い腫れや内出血が現れやすいといわれます。

痛みとダウンタイム

手術中に、まぶたの開き具合を確認するため局所麻酔をして手術を行うので、手術中の痛みはほとんどありません。

術後3日ほどは強い腫れがあり、全体の腫れは10日〜2週間かけて引いていきます。

腫れが引いて二重のラインが安定し、まぶたが完成するには3〜4か月かかります。

治療時間と術後の通院回数

手術の所要時間は1時間前後です。当日のうちに帰宅できますが、術後はまぶたが腫れるので、サングラスなどを持参すると良いでしょう。

抜糸は手術の1週間〜10日後に行うところが多いようです。

術後の通院回数は、抜糸時と1か月後の2回のところから、抜糸から1週間後にも診察するところまで、クリニックによってまちまちです。

術後のケア

多くのクリニックでは、目の周り以外のメイクと洗顔は手術翌日から、アイメイクは抜糸の翌日からしても良いとしています。

また、洗顔やシャワーは翌日から可能ですが、入浴や運動、飲酒は1週間ほどは控えましょう。

費用の相場

  • 保険適用の場合……3割負担の自己負担額は、約5〜7万円
  • 自由診療の場合……50万~70万円程度

眼瞼挙筋腱膜短縮術

女性の目元の写真

眼瞼挙筋腱膜短縮術(がんけんきょきんけんまくたんしゅくじゅつ)では、ゆるんだり延びきってしまっている眼瞼挙筋や腱膜を切って短くしてから、瞼板に固定します。

眼科でこの手術法が採用されることが多いようです。

二重まぶたを作りたいときはまぶたの表側を切開する「経皮法」、作りたくないときはまぶたの裏側を切開する「結膜法」が採用されます。

メリット

眼瞼下垂の治療法として昔から行われてきたスタンダードな方法のため、症例が豊富で、効果が立証されています。

眼瞼挙筋や腱膜を直接短縮するため、重度の眼瞼下垂も治療ができます。

デメリット

眼瞼挙筋を切除したり縫い合わせたりして直接処理するため、ミュラー筋を傷つけるリスクが高く、傷つけない場合でもミュラー筋への負担が大きくなります。

内側から行う結膜法では、ミュラー筋をほぼ例外なく損傷させてしまうとされています。

交感神経が支配するミュラー筋が傷つくと神経系にダメージが生じ、神経症などを発症することがあるため、眼瞼挙筋腱膜前転術で改善が見込めないような重度の眼瞼下垂の場合にのみ用いられる方法です。

痛みとダウンタイム

手術中に、まぶたの開き具合を確認するため局所麻酔をして手術を行うので、手術中の痛みはほとんどありません。

術後1週間程度で抜糸しますが、強い腫れが1~2週間続きます。

経皮法は比較的ダウンタイムが短いものの手術の跡が残りやすい一方、結膜法はダウンタイムが長めですが、手術の跡は残りません。

治療時間と術後の通院回数

手術の所要時間は約90分で、当日のうちに帰宅できます。

術後の通院回数は2〜4回です。

術後のケア

術後2〜3日の腫れが強い期間は、安静にし、患部をアイシングするのが良いでしょう。

洗顔や洗髪、入浴は手術の翌々日から可としているクリニックが多いようです。

目元以外のメイクは手術当日から目元のメイクは抜糸の約2日後から可能です。

費用の相場

  • 保険適用の場合……3割負担の自己負担額で、約5〜7万円
  • 自由診療の場合……50万~70万円程度

前頭筋り上げ術

目元の写真

まぶたを引き上げる眼瞼挙筋の力がかなり弱まっているか、まったくなくなっており、眼瞼挙筋腱膜短縮術が適用できない場合に用いられる手術法です。

まゆげの上とまつげの上の2か所を切開し、特殊な糸か、太ももの奥の腱膜を使って連結させ、額の筋肉である前頭筋の力でまぶたを引き上げるようにするものです。

メリット

眼瞼挙筋の筋力がまったくなくなっているような、重度の眼瞼下垂も治療が可能です。

デメリット

眼瞼挙筋の動きは回復しないため、術後は目を閉じにくくなることがあります。

痛みとダウンタイム

局所麻酔でも可能ですが、静脈麻酔や全身麻酔で行う場合もあります。手術中の痛みはほとんどありません。

しかし、他の眼瞼下垂の手術より腫れが強く、ダウンタイムも長めです。人によっては腫れが引くまで1か月ほど、完全に腫れが引くのに3か月ほどかかることがあります。

治療時間と術後の通院回数

手術の所要時間は約2時間です。

術後の通院回数は約1週間後の抜糸時と、1か月後の検診時の2回が多いようです。

術後のケア

手術の翌日は患部がかなり腫れるので、安静にしているのが良いでしょう。

洗顔やシャワーは手術の翌日から可能です。

費用の相場

  • 保険適用の場合……3割負担の自己負担額は、約5〜7万円
  • 自由診療の場合は……50万~70万円程度

埋没式拳筋短縮法

針と糸の写真

眼瞼下垂の眼瞼下垂の治療法には、切開しない「埋没式拳筋短縮法」という方法もあります。

これは、ゆるんでいる眼瞼挙筋を糸で結び、まぶたを引き上げる方法です。

メリット

まぶたの裏から行う手術であるため、傷跡が残りません。

抜糸すれば元の状態に戻すことが可能なので、仕上がりに不満がある場合は治療のやり直しが可能です。

デメリット

医師の技術によって効果の差が大きい施術です。微調整が難しいため左右差が出やすく、効果が不完全であったり、場合によってはすぐに元に戻ってしまうことがあります。

痛みとダウンタイム

皮膚を切開せず、まぶたの筋肉を切除しないので傷跡が残らず、腫れや内出血などもほとんどありません。

治療時間と術後の通院回数

手術の所要時間は約20分で、当日のうちに帰宅が可能です。

術後の通院回数は、1回で済むところが多いようです。

術後のケア

手術直後からメイクが可能で、手術当日から洗顔や入浴、アイメイクもできます。

費用の相場

健康保険が適用されず、自由診療となります。費用は20万~30万円が相場のようです。

同じ糸で、「切らない眼瞼下垂の治療&二重の作成」を同時に行う、最新の治療法もあります。

最終的な治療法選択は、医師の判断を仰ぎましょう

医師と患者のカウンセリングの様子の写真

眼瞼挙筋の力が弱っていたり、眼瞼下垂をしっかりと治療したい場合には、メスを使った「切る眼瞼下垂の治療方法」を検討するのがいいでしょう。

事情により十分なダウンタイムが確保できなかったり、手術に対して心理的な抵抗があったりし、かつ予算に余裕がある場合は「切らない眼瞼下垂の治療方法」を選択することもできます。

しかし、症状のタイプや進行具合、体質など、治療法を選ぶうえで考慮すべき要素はたくさんあります。最終的には医師の判断を仰いでから決めるようにしましょう。

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