2017年02月25日 更新 | 2,939 views

美肌になるけどたるみには効果なし?金の糸のデメリットや失敗例とは

金の糸は、皮下に金の糸を編み目状に埋めこむリフトアップ法。実は効果を感じられない、肌の表面がボコボコになる、異物性肉芽腫ができるなどの失敗例があり、クリニック選びと綿密なカウンセリング、自分に合う施術かどうか吟味することが大切です。

水の森美容外科名古屋院 副院長 西川陽平

この記事は、水の森美容外科名古屋院 副院長 西川陽平先生が監修しています。

「金の糸で若返る」というエイジングケア法を聞いたことがありませんか?

金の糸では大きな効果を感じられる施術ですが、その一方で深刻なトラブルが起きていることも否めません。

数あるリフト術のなかから、自分に最適なものを選べるように、金の糸への理解を深めておきましょう。

ここから書いてあること

金の糸とはなにか?

金の糸を皮膚の下に埋め込んで、血行促進・ハリup効果を出すような美容整形です。

目次

金の糸とは

肌のリフトアップを表した写真

金の糸とは、皮膚の下に金の糸を編み目状に埋めこみ、美肌効果を得る施術法です。

金の糸では、直径0.1ミリ、髪の毛ほどの細さの糸を皮下に埋めこみます。すると、糸の刺激で免疫作用が活性化。血行を促進し、コラーゲンやエラスチンを生成して、ハリつやをアップさせるという効果が期待できます。

費用はおよそ30~50万円とやや高いですが、持続期間が10~15年と長いのが特徴です。

ここから書いてあること

金の糸の失敗例やデメリット

  1. 効果が感じられない
  2. 肌の表面が凸凹になる
  3. 顔が引きつって表情が変になる
  4. 金属アレルギーで顔が赤くなったりかゆくなったりする
  5. 金の糸が皮膚から出てくる
  6. 異物性肉芽腫ができる
  7. 痛みが治らない
  8. 抜糸が困難

→特に、金属アレルギーや異物性肉芽腫ができるは治りづらいので注意が必要です!

金の糸の失敗例やデメリット

肌トラブルに悩む女性の写真

金の糸の失敗例やデメリットには、効果が感じられない、肌の表面が凸凹になるなどの6パターンが考えられます。

なかでも、金属アレルギーの症状や異物性肉芽腫は、完治させるのが難しいという深刻なものです。

1:効果が感じられない

金の糸は、理想とするエイジングケア効果が感じられないことがあります。

皮下に金の糸を埋め込むと細胞が異物に反応して、血行を促進したり、コラーゲンを生成したりします。これにより、肌のキメが整う、ハリがアップするという美肌効果を得ることができるのです。

ただし、金の糸は、たるみを引きあげるリフトアップ効果はほとんどありません。そのため、たるみによるほうれい線やゴルゴラインの改善は難しいとされています。

効果が弱い理由

糸のリフトアップは、トゲや毛羽立ちのついた専用の糸を皮下に通して周囲の組織に引っ掛け、引っ張り上げた状態で皮膚や皮下組織に固定します。

フェイスリフトにおけるSMASのような硬い筋膜などではなく、真皮や脂肪など柔らかい組織に糸を引っ掛けるため、組織を把持する力はあまり強くありません。このため皮膚を引き上げる効果は弱くなり、思ったより効果が少ないということが頻繁に起こります。

また、仮に手術の直後は効果の実感が得られたとしても、糸の引っ掛かりが外れたり固定していた皮膚が伸びることで、すぐに元に戻ってしまいます。一般的に、効果の持続は3か月程度です。

糸のリフトに関して、「糸に対する異物反応でコラーゲンが増生され、リフトアップ効果が持続する」というのをよく目にします。

確かに、わずかにコラーゲンが増えるかもしれませんが、皮膚の引き上げを維持させる程の効果が得られるとは考えにくく、やはりすぐに戻ってしまったというケースが多いようです。

まして、溶ける糸に関しては糸が溶けても効果が持続するわけではなく、基本的に糸が溶けると効果はなくなると思っていただいたほうが良いでしょう。

2:肌の表面が凸凹になる

金の糸は、肌の表面が凸凹になるデメリットがあります。

皮膚の下に編み目状に金の糸が埋めこまれるため、金の糸の一部がゆるんだり切れたりすると、編み目がゆがんで肌の表面が凸凹になってしまうのです。

肌の表面が凸凹になるのは、皮膚の薄い人ほどリスクが高くなります。

3:顔が引きつって表情が変になる

金の糸の施術で、顔が引きつって表情が変になることがあります。糸を皮膚に引っ掛けて引っ張り上げる際に、部分的に強くテンションが掛かったり引き上げが不均一になることで、皮膚に凸凹としたひきつれが生じるのです。

また、引っ張り上げた皮膚を上方で固定する際に、余って行き場がなくなった皮膚はヨレて凸凹したりポッコリ盛り上がってしまうことに。

特に、金の糸を頬に入れる場合は要注意。頬が突っぱった感じになって、笑顔が作りにくくなります。

切るフェイスリフトは、余った皮膚を切除するためこのようなことはありませんが、皮膚を切らない糸のリフトでは十分起こり得ます。

手術を行っているクリニックでは、「ひきつれや凸凹は1~2か月程度で馴染んできます」と説明があるかもしれませんが、余ってヨレていた皮膚が消えてなくなるわけでは決してありません。

つまり、ひきつれが馴染むということは、ヨレていた皮膚が元に戻る、要するに治療によるリフトアップ効果がなくなるということです。

4:金属アレルギーで顔が赤くなったりかゆくなったりする

顔を手でおさえる女性の写真

金の糸は、金属アレルギーを発症して、顔が赤くなったりかゆくなったりすることがあります。

特に、金が皮下に埋めこまれる金の糸は、金イオンが体液に溶けるので、アレルギー症状が出やすいとされています。

金の糸の施術前に、金のパッチテストを受けることは必須です。また、パッチテストで問題がなくても、時間の経過とともに金アレルギーの症状が出る可能性があります。

金の糸は、一度埋めこむと抜きとれないもの。そのため、金アレルギーを発症すると、ずっと抗アレルギーの薬を飲みつづけるしか対処法がないので、注意が必要です。

5:金の糸が皮膚から出てくる

金の糸では、糸端が皮膚から出てくることがあります。金の糸が皮膚から出てくる原因は、細胞が金の糸を異物と判断し、排除しようと押し出すためです。

金の糸が出てくるのは、挿入口か毛穴から。飛びだした金の糸は、シェイバーやはさみでカットすれば問題ありません。ただし、皮膚が炎症を起こしたり、熱を持ったりしている場合は、クリニックに相談しましょう。

金の糸が出てきたところから、感染症にかかることもあるので、注意が必要です。

埋め込んだ糸が、挿入口の創部から出てくるトラブルはこの手術にはつきもの。糸が出てきた場合は抜糸をする必要があります。

原因は医師の技術的な問題と、皮膚直下に埋め込んだ糸が異物反応により体外へ排出しようと押し出されるためです。

6:異物性肉芽腫ができる

金の糸の施術を受けると、異物性肉芽腫ができることがあります。

異物性肉芽腫とは、慢性的な炎症によって細胞が固まってできる腫瘤のこと。体内に分解できない異物があると発症します。

通常の異物性肉芽腫の治療法は、異物と腫瘤の摘出です。しかし、金の糸の場合は取りのぞくことが難しいため、治療は腫瘤の切除と長期的な投薬となります。異物を摘出できなければ、腫瘤が再発する可能性は高く、完治は難しいでしょう。

7:痛みが治らない

糸のリフトアップを受けて通常のダウンタイムを経過したあとでも、痛みが続くことがあります。これは、皮下組織に通した糸が知覚神経や筋肉に接触することで持続的に痛みが引き起こされることが原因

また保持力を求めるあまり側頭部の筋肉(筋膜)に糸を固定したり、また部分的に集中して皮膚や筋肉に負荷がかかることにより、術後に偏頭痛が生じる場合があります。

8:抜糸が困難

糸のリフトアップ手術によって何かしらトラブルが起きた場合には、抜糸が必要になることが多いでしょう。

しかし、細い糸を皮下に埋め込んでいるために位置が特定できなかったり、トゲや毛羽立ちにより引っ掛かってしまい簡単に抜けないなど、完全に抜去することが困難であるケースがあります。

ここから書いてあること

金の糸で失敗しないために大切なこと

  • 症例数の多いクリニックを選ぶ
  • カウンセリングで悩みに対応する施術かどうか相談する
  • 金のパッチテストをする

費用の安さについつい目がいってしまいますが、そこに惑わされないようにしてください!

カウンセリングに時間をかけてくれるようなクリニックがおすすめです。自分が納得するまで、しっかり施術に関して話し合ったり質問したりしてくださいね。

金の糸で失敗しないために大切なこと

注意を促すイラストの写真

金の糸を受けるなら、失敗しないで若々しい美肌を手に入れたいですよね。

金の糸で失敗しないために大切なことは、症例数の多いクリニックを選ぶこと、カウンセリングを綿密に行うこと、金のパッチテストを行うことです。

症例数の多いクリニックを選ぶ

症例数が多いということは、施術経験が多く、ノウハウが集積されていて、患者の支持を得ているということです。

実績のあるクリニックなら、もしものトラブルのときの対応も、誠実に対応してくれるはず。

クリニックは、金の糸の料金が安いから、宣伝広告が魅力的だから、と安易に選ばないようにしましょう。

カウンセリングで悩みに対応する施術かどうか相談する

金の糸は、たるみの引きあげやブルドッグ顔解消の施術と思われがち。

しかし、実はコラーゲン増加による美白や美肌効果に優れているものの、たるみ解消に効果があるとは明言されていません。

もし、たるみの引きあげ、ブルドッグ顔やゴルゴラインの解消を希望するなら、カウンセリング時に相談してみてください。

金の糸で悩みを解消できないときは、別の施術法を紹介してくれるかもしれません。

金のパッチテストをする

金の糸を受けるなら金のパッチテストは欠かせませんが、クリニックによっては、パッチテストを積極的に行っていないところがあります。

そのような場合は、金アレルギーによるトラブルを避けるためにも、カウンセリング時に医師に相談することがおすすめです。

さらに、金の糸は、同時にほかのアンチエイジングの施術を行うことができないことが多いもの。レーザーや高周波などで、金の糸が発熱して、皮下からやけどする恐れがあるためです。

もし、ほかの施術も受けたい、あるいは受ける可能性がある場合は、医師と相談して決めることが大切です。

また、金の糸は、皮下に一度埋めこむと取り出すことができない施術で、トラブルが起きても元に戻すことが難しいとされています。

「金のパッチテストの結果が良くなかった」「金の糸でトラブルになるのが不安」「もっとしっかりたるみを解消したい」というときは、ほかの施術法を考えてみると良いかもしれません。

ここから書いてあること

金の糸が合わない人におすすめのリフトアップ術

  • スプリングスレッド(費用40~60万円)
  • シルエットリフト(費用30~50万円)
  • ハッピーリフト(費用30万円)
  • ミントリフト(費用30~50万円)

表情が引きつるのがイヤ・・・スプリングスレッドがおすすめ!

高いリフトアップ効果を実感したい・・・シルエットリフトがおすすめ!

肌の残る傷のリスクを最低限にしたい・・・ハッピーリフトがおすすめ!

持続性の高い美容整形を求めている・・・ミントリフトがおすすめ!

金の糸が合わない人におすすめのリフトアップ術

考える女性の写真

金の糸が合わないけれど、たるみを解消したいという人におすすめのリフトアップ術があります。

それは、溶けない糸を使う「スプリングスレッド」と「シルエットリフト」と、溶ける糸を使う「ハッピーリフト」と「ミントリフト」の4種類。

スプリングスレッド

スプリングスレッドとは、伸縮性のある糸を皮下に埋めこんでたるみを引きあげるリフトアップ術。

使用する糸には、「コグ」と呼ばれる突起が1センチあたり24個、90度の角度で4方向についています。

コラーゲンの増加によるハリ感アップや美肌効果が得られる金の糸とは異なり、スプリングスレッドは皮膚組織をしっかり引きあげて、たるみの解消に役立ちます。

またスプリングスレッドは、金の糸とは違って伸縮性のある糸のため、表情が引きつりにくいというメリットも。

費用は、およそ40~60万円

シルエットリフト

シルエットリフトは、「コーン」と呼ばれる円錐形の突起によって、360度皮膚組織を引きあげるリフトアップ術。

コーンは生分解性ポリマーでできているため、およそ半年で溶けてなくなります。ポリプロピレンでできている糸本体は皮下に残り、コーンの刺激によって生成されたコラーゲンが糸のまわりにつくことにより、肌の弾力性やハリがアップするというメリットが。

金の糸も刺激でコラーゲンが生まれますが、シルエットリフトは、皮膚組織を糸で引きあげてこめかみに留めるので、リフトアップ効果が高いのが特徴です。

デメリットは、糸をこめかみに留めることによる、頭痛や側頭部の違和感がひどいこと。埋めこみ式の金の糸のほうが、術後の痛みや違和感は軽いかもしれません。

費用は、およそ30~50万円

ハッピーリフト

ハッピーリフトは、とげ状の切れこみの入った糸を埋めこむリフトアップ術。

糸にあるとげの刺激によってコラーゲンが生成される点は金の糸に似ていますが、皮膚組織を引きあげる力が強く、たるみの解消に役立ちます。

ハッピーリフトは、半年~1年ほどで体に吸収されるため異物が体に残る心配がなく、肌に傷が残るリスクが少ないというメリットが。

しかし、とげのチクチク感が気になったり、とげがめくれて効果が半減したり、ひどいたるみには効果を発揮しなかったりというデメリットもあります。

費用は、およそ30万円

ミントリフト

ミントリフトは、強度の高いとげのついた糸を埋めこむリフトアップ術。とげが折れにくく、たるみをしっかりと引きあげる効果が期待できます。

金の糸と同様に、とげの刺激でコラーゲンが生成させるので、ハリ感アップや美肌効果を得ることが可能です。

ミントリフトは、半年~1年ほどで体に吸収されますが、最新版のミントリフト2なら、持続期間が2年に。

ミントリフトは引きあげる力が強いために、顔に引きつれが出ることがありますが、ミントリフトミニは引きつれが出にくい施術となっています。

費用は、およそ30~50万円

糸のリフトの種類にも溶ける糸や溶けない糸、さまざまな形状のトゲや毛羽立ちのついた糸、頭部に固定して引き上げるタイプ、皮下に留置するだけのタイプのものなど、施術名も数え上げれば切りがありません。

しかし、当院の見解としては、どのような糸の手術であっても効果や持続性に大きな差はなく、あくまで糸の形状や名称の違いは、メーカー側やクリニック側の戦略によるところが大きいと考えられるかもしれません。

自分に合ったリフトアップ術を見つけよう

自然のなかで微笑む女性の写真

たるみ解消や肌を若々しくすることができるリフトアップ術は、金の糸だけではありません。

それぞれの施術の、メリットデメリットをしっかりと理解して、自分に合ったリフトアップ術を見つけることがおすすめです。

糸のリフトアップについての水の森美容外科の見解は……

西川陽平医師

最後に、水の森美容外科 名古屋院の西川陽平先生に糸のリフトアップについて語っていただきました。医師が指摘する糸のリフトアップをおすすめできない理由とは……

当院の見解についてお話しますね。糸のリフトアップは「プチ整形」とはいえ、高額な料金で行うクリニックが数多くあります。数か月で元に戻ったからといって、繰り返し手術を行っていると莫大な費用がかかり、現実的ではありません。

糸の治療で陥りがちな悲惨なケースは、出費を重ねて数回手術を受けたけれど結局たるみは元に戻り、残るのは顔中に埋め込まれて意味のなくなった無数の糸と、その糸によって引き起こされる後遺症だけ、ということです。

現在の美容外科業界において、糸のリフトアップを取り巻く環境は「切らない、腫れない」というメリットを全面的に打ち出すクリニックもあります。

ところが、その裏には肝心の効果の面に疑問があったり、術後の後遺症が生じたりと患者様の不満に繋がりやすく、最近ではこの治療を巡って集団訴訟が起きたことも記憶に新しいです。患者様とクリニックの間で、トラブルが頻出しているという一面も持ち合わせているのです。

本来なら、治療効果に乏しく、これだけデメリットが多い治療を医療者として行うべきではないと思います。

西川陽平先生

また西川先生は、現在の美容医療が抱える問題点についても指摘しています。

ではなぜ、今日ではこれほど多くの美容外科クリニックが当たり前のようにこの治療を推しているのでしょうか?そこには、現在の美容外科業界が抱える問題点があります。

糸のリフトアップの施術は皮下に糸を通すだけの治療ですので、非常に簡易的です。医師も特別にトレーニングを積まなくても、誰でもすぐにできてしまいます。

本来、外科の手術というのは、しっかりと修練を積んで習得するもの。しかし、一部の美容外科では、医師の育成よりも売り上げや規模の拡大を優先しているところもあるようです。

あまりに多数の医師を抱え、ひとりひとりの医師の技術習得に時間や手間をかけることを怠るようになっています。そのような状況では、容易に施術ができるようになる、糸のリフトはうってつけだと考えているのかもしれません。

しかし、患者様のためにならない施術を言葉巧みに誘導して利益を上げることは、正しい医療行為とは言い難いと思います。

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