2017年09月15日 更新

血小板を注射する「PRP療法」とは?効果や気になるデメリット

自分の血液から生成された成分を皮膚に注入することで肌が活性化し、エイジングケアができるPRP療法。レーザー治療や注入系の療法に比べてまんべんなく悩みの解消が目指せるといわれています。治療は1時間ほどで終わり、費用は20~40万円程度です。

品川スキンクリニック新潟院院長 武内大

この記事は、品川スキンクリニック新潟院院長 武内大先生が監修しています。

さまざまなエイジングケア治療があるなか、注目されているのがPRP療法。

「なるべく安全にエイジングケアをしたい!」

このような人に、PRP療法はおすすめです。

この記事では、PRP療法とはどのようなものか、デメリットはあるのか、くわしく紹介します。

目次

PRP(自己多血小板血漿)療法とは

分離させた血液の写真

PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)療法とは、血液成分のうち血小板を利用して組織再生・創傷治療を行う再生医療です。

治療には自己多血小板血漿療法というその名のとおり、自分の血液を使い治療を行うので、拒絶反応やアレルギーなどの可能性が極めて低い、安全性の高い治療方法のひとつとされています。

PRPのなかには多くの成長因子と呼ばれる細胞を活性化する成分が含まれているため、美容分野ではしわや目の下のくまなどの治療にも有効であるとされ、注目をされています。

PRP(自己多血小板血漿)療法の歴史

血小板を用いた再生医療は1990年代にアメリカ・マイアミ大学の外科チームが始めました。

チームのリーダーであったロバート・マークス博士は、「血小板に含まれる増殖因子は驚くべき力を有しており、血小板がすべての人間の創傷治療に対し重要な細胞である」と述べています。

それまで創傷治療に対する適用が中心であったPRP療法ですが、血小板は傷の治療だけでなく、肌が実年齢より若く見られるなどとされる点に注目し、2006年に日本で初めてPRP注入療法による組織の若返りやしわの軽減などの美容分野への応用に成功しました。

現在でも日本国内におけるPRP療法は、外科分野よりも美容分野での臨床実績が大きいというのは、このような背景があるからかもしれません。

PRP(自己多血小板血漿療法)療法が美容に効果的な理由

微笑む女性の写真

PRP療法は血小板が持つ、「傷を治し、組織を修復し若返らせる力(創傷治癒力)を増加増進させる」力を応用した治療方法です。

創傷治癒力を促進させるためには、高濃度の血小板を含んだ血漿(PRP)をつくり、血小板を活性化させることが必要となります。

十分な治療効果を得るために必要な血漿中の血小板数は、臨床上通常の血小板数の4~7倍だといわれています。

通常では、人の血液成分中の血小板が占める割合は1%程度。PRP療法で使われるPRPは血小板の濃度が94~96%で、残りは少しの赤血球と白血球のことが多いです。

そこで、いかに”リッチ”な血小板血漿をつくり、治療に有用な増殖因子の作用を強めることができるかというのがPRP療法の鍵となります

血小板の増殖因子とは何か

増殖因子は、血小板由来成長因子(けっしょうばんゆらいせいちょういんし:Platelet-Derived Growth Factor、PDGF)とも呼ばれ、血液が凝固するときに血小板が破壊する際に分泌されます。

血小板から放出されるPDGFは老化した皮膚細胞を再生し、新生血管をつくることで皮膚のコラーゲン生成機能を活発化することでヒアルロン酸を作り出し、肌全体の若返りを図ります。

ただし、PDGFは単体では作用せず、肌細胞表面にある上皮成長因子(EGF)や、インスリン様成長因子(IGF)と結びついて作用します。

上皮成長因子(EGF)

肌のシミやくすみ、たるみ、乾燥などの肌トラブルを解消が期待でき、健康的な肌へ導く作用を持つ。

インスリン様成長因子(IGF)

壊れた細胞の再生を促進する作用を持つ。皮膚の再生を促し、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を増加促進する。

肌のはりを回復し、たるみやしわ防止・解消に効果的にはたらくとされる。

PRP療法(自己多血小板血漿療法)のデメリット

注意を促すイラストの写真

納得できる治療を受けるためには、ネガティブポイントも含めて理解することが大切です。どのようなデメリットがあるのでしょうか?

即効性はない

効果が出るまでの個人差が大きく、実感までには1~2か月程度かかるとされています。

繰り返し治療を受けることが必要

PRP療法の効果は限定的で、約1〜2年ほどとされ、効果を持続させるためには繰り返し治療を受ける必要があることが多いです。

多くのクリニックでは、3か月以上の間隔を開けて繰り返し治療を受けることを推奨しているようです。

治療後に腫れることがある

治療を受ける部位にもよりますが、1週間程赤みや腫れが残る場合もあります。

顔の皮膚のなかでも比較的厚い口元は腫れにくく、皮膚が薄い目元や額などは腫れやすい部位だといわれます。

治療時に内出血をすることがある

注入の際に注射針が血管を傷つけることで内出血をし、皮膚の下で出血することで赤紫~紫色になる場合がありますが1週間程度で色が薄く目立たなくなります。

内出血は、メイクやコンシーラーで隠すことができる程度です。

また、内出血の後の跡が目立ちにくくするように、治療後に治療部位を冷却してくれるクリニックもあります。

効果が治療する医師による技術に左右される

どの治療でも同じことですが、PRPを注入するポイントや量などは、医師の裁量によるところが大きく、仕上がりに大きく影響します。

治療を受ける際にはカウンセリングを受け、治療の実績や、症例を確認することをおすすめします。

効果が実感できない

成長因子が配合されていないPRP療法の場合、成長因子が配合されているPRPに比べ効果が穏やかなため、効果が現れにくい人もいます。

十分なPRPの効果を感じるためには治療に十分な血小板の濃度が必要となるため、精度の高い抽出作業が必要となります。

使用される遠心分離器、抽出作業の精度により血小板濃度も左右されてしまいます。

効果には個人差があるということを予め知っておきましょう。

PRP療法(自己多血小板血漿療法)の副作用

肌トラブルを抱える女性の写真

自分の血液を使った治療のため、アレルギーや拒絶反応といった副作用が少なさそうなイメージですが、PRP注入後に、注入した箇所にしこりができることがあるようです。

しこりは、PRPに成長因子(bFGF:塩基性線維芽細胞増殖因子)を添加して注入する治療で、生じやすいのだそうです。

添加される成長因子は合成されたbFGFである場合が多く、本来のPRPとは異なり自己血以外の成分が添加されることになります。

成長因子入りPRP注入後にできるしこりの多くは、成長因子(bFGF)による血漿の凝固によるものだと考えられています。

残念ながらこのしこり(肉芽種)の除去はとても難しく、万が一できてしまった場合の修正は困難です。

そのため、「成長因子配合」とされているPRP療法は避けたほうが良いかもしれません。

PRP療法(自己多血小板血漿療法)とほかの治療の比較

考える女性の写真

しわ治療:レーザー治療と比較

フラクショナルレーザー(フラクセル、フラクショナルCO2など)やサーマクール、YAGレーザーを用いたレーザーによるしわ治療は、真皮に熱を与え、ヒートショックプロテイン効果の皮膚の活性化によるしわ低減効果を狙った治療方法です。

たるみによるしわには効果が期待できますが、ほうれい線や表情じわのような深いしわにはレーザーによるしわ治療の効果はあまり期待できません。

ほうれい線や表情じわにはPRP療法のほうが効果が期待できます

しわ治療:注射療法と比較

しわ治療には定番となっているヒアルロン酸注射やコラーゲン注射、ボトックス注射、グロースファクター注射などがありますがそれぞれに得意分野が異なります。

RPR療法は注射療法にある”不得意分野”が少なく、網羅的な美肌効果が期待できるというメリットがあります。

ヒアルロン酸注射

ほうれい線を目立たなくする治療は、ヒアルロン酸注射の得意分野です。

注入後、はやく効果を感じることができるとされ、さらにダウンタイムがほとんどないということが、大きなメリットです。

コラーゲン注射

しわに対して有効症例の幅が広いのがコラーゲン注射です。

しかし、タンパク質であるコラーゲンは、ブタ由来のものを代表とする動物由来のものと、ヒト由来のものがありますが、実際に使われているものの多くが動物由来のコラーゲンです。

そのため、アレルギーなどの副作用が懸念されます。

また注入後3~6か月で体内に吸収されてしまうため、比較的高い頻度で治療を受ける必要があります。

アレルギーなどの副作用のリスクもあるため、治療を受ける場合は事前に医師から説明を受けましょう。

ボトックス注射

表情じわに効果的なボトックス注射ですが、ほうれい線などの深いしわには効果が低いようです。

ほかの注射治療と同様、効果を持続させるには定期的に治療を受ける必要があります。

ボトックス注射を定期的に受けると、将来的なしわ予防効果もあります。

グロースファクター注射

前述にある成長因子配合PRP療法と同様の治療となります。

代表的なものが、bFGF製剤であるフィブラストスプレー®を溶解し注入する治療です。

フィブラストスプレー®は、創傷治療薬としてはとても実績の高い薬剤ですが、フィブラストスプレー®を注入する治療は安全性の高い治療法とはいえません

PRP療法と比べ効果は出やすいとされますが、bFGFの濃度設定や治療方法を間違えるとしこりができるといった副作用が起こることもあります。

できてしまったしこりの除去はとても難しいため、あまりおすすめではない治療方法といえます。

※フィブラストスプレー®を注入することは製薬メーカおよび厚生労働省が禁止をしており、注意が呼びかけられています。

たるみ改善:切開系リフトアップ治療と比較

たるみ改善効果を期待した治療で比較をすると、外科治療である切開治療によるリフトアップに軍配が上がります。

老化によりたるんだ肌にメスを入れ、引っ張り、縫合する切開治療は半永久的にその効果が続くとされますが、PRP療法では注入後一定期間すると効果がなくなってしまうため、定期的に治療を受ける必要があります。

こんな悩みにはPRP療法(自己多血小板血漿療法)がおすすめ

おでこにしわのある女性の写真
  • 目の下のちりめんじわ
  • ほうれい線
  • おでこのしわ
  • 眉間じわ
  • 口元のしわ
  • 首のしわ

PRP療法では、これまでのレーザー治療やヒアルロン酸注射、ボトックス注射では効果が薄かったり、効果そのものが期待できなかったり、治療ができなかったりなどといった部位への効果が期待できます。

特に目の下のちりめんじわはこれまでの治療方法では難しかったのですが、PRP療法でなら大きな効果が期待されています。

PRP療法(自己多血小板血漿療法)の治療時間や費用は?

財布とお金の写真

治療の流れ

  1. カウンセリング・・・治療前に最終の確認を行います。
  2. 血液採取・・・20mlほどの血液を採取します。
  3. 麻酔処置・・・治療部位に麻酔クリームやテープを使い麻酔処置をします。
  4. PRP生成・・・採取した血液を遠心分離処理を行います。
  5. PRP注入・・・希望した治療部位にPRPを注入します。
  6. アフターケア・・・クリニックによっては治療後の肌のケアを行います。

治療時の痛みはどれくらい?

多くのクリニックは注入前に麻酔クリームや麻酔テープによる局所麻酔を導入しているため強い痛みを感じることはないようです。

痛みに敏感な人でも、チクっとする程度の我慢できる痛みまでコントロールするクリニックが多いため、安心して治療を受けることができます。

1回当たりの治療時間はどれくらい?

血液採取から注入完了までおよそ1時間です。

治療にかかる費用は?

治療する部位にもよりますが、20~40万円程度です。

「PRP療法」は自己血を使った最新の再生治療!

鏡を見る女性の写真

安全性の高さが売りのPRP療法ですが、せっかく生成したPRPに添加物を加えることで思わぬトラブルになってしまうことも。

特にbFGF、フィブラストスプレー®などのグロースファクターを、純粋なPRPに添加した結果にできてしまった肉芽種の除去はとても困難です。

PRP療法のメリットは、自身の血液から生成された多血小板血漿を用いる安全性にあります。

どうしても「長い持続性」や「即効性」というキーワードに惹かれてしまいますが、PRP療法の持つメリットを最大限に活かし、いきいきとした美肌を手に入れるために、慎重にクリニック選びをしましょう。

PRP+bFGFによる、しこりの副作用の報告は全国的にあります。
そのため、PRP治療を受けるときは医師から十分にリスクに関しても説明を受けましょう。

この記事の監修医:武内大先生のクリニックはこちら

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