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2016年11月24日 更新 | 2,636 views

吃音で苦しんできた私が気づいた「相談相手」がいることの大切さ[体験談]

吃音を抱えながらメイド喫茶やキャバクラで働き、何とか人とうまく話す経験を積んでいきました。しかしある時、突然限界を迎え、保健室で泣きながら吃音について打ち明けました。吃音について相談できる相手を見つけたことで、少しだけ吃音を受け入れられるようになりました。吃音で悩んでいる人はぜひ相談相手を見つけてみてください。

吃音で悩んでいる方の中には、吃音が恥ずかしくて、隠し続けている方が少なくないと思います。吃音は外見からでは分からないし、本人が隠そうと思えば不可能ではないからです。

私も、不完全ながらも今まで吃音を誤魔化して過ごしてきました。隠すことで自分が普通の人に紛れて楽しく会話をしている気分になれるし、何より友人などに自分が吃音だということを知られるのが恥ずかしかったからです。

しかし、吃音を隠すあまり、相談する相手が一人もいないという状況は、必要以上に心に負担がかかっています。そのことに気付かされた話をしようと思います。

吃音による劣等感

吃音、どもり、それが私の悩みになったのは小学生の頃です。今思い返せば、まだ幼いながらに自分は会話が得意ではないという感情を持っていたように思いますが、特に友人に「言葉がつっかえるよね」と指摘されたことから、私は吃音を意識するようになりました。

自分でも言葉がつっかえることは分かっていましたが、いざ友人に指摘されると途端にとても恥ずかしくなったのです。

自分は人とは違う、変、そう思うと言いようのない劣等感に襲われました

幸い、小学生の頃の私は活発で友達もそれなりに多くて明るいキャラクターだったので、吃音が原因でいじめられたり悪口を言われたりすることはありませんでした。

小学生の頃は、自分の吃音を理解しながらも、まだ思考が追いつかないせいかそんなに卑屈になることはありませんでした。

しかし、中学生になる頃には自分とみんなの違いを意識するようになり、自分がみんなと違って上手く喋れないということを、はっきりコンプレックスだと認識しました。

どもる自分への怒り

私は早口で喋る癖があり、ずっと親に「ゆっくり喋りなさい」と言われてきました。早口が吃音を引き起こしやすいからです。しかし今でも早口で喋る癖は治らず、ゆっくり喋ろうと思っていても、感情が高ぶっている時などはつい早口になってしまいます。

どれだけ興奮していてもまずは落ち着いて喋ろう、と心がけてはいました。しかし、心がけてはいたものの、自分を抑えきれなかったことも多々あります。

私はバスケットボール部に所属していたのですが、試合で興奮して、友人に伝えようとした時に、とても早口で

あ、あ、あ、あのパスが

と、誰が聞いても明らかなくらいどもってしまいました。

私は、しまった..と思いました。

私の話を聞いていたチームメイトたちは苦笑いで顔を見合わせていました。とてもとても恥ずかしかったです。私は、失敗したと思いました。

どうして自分のことなのに自分でコントロールできないんだろう、と落ち込みました。落ち込むと同時に、つい我を忘れて落ち着かないまま喋り始めてしまった自分への怒りも生まれました。

それまでは失敗しちゃったな、と落ち込むだけだったのですが、失敗する自分に対してイライラしてしまうようになりました。

感情の高ぶりが原因の早口での失敗は多くありますが、この時がきっと一番恥ずかしかったのだと思います。本当に恥ずかしくて、その時のショックは今でも鮮明に覚えているくらいです。

吃音によるストレス

吃音のせいで恥ずかしい思いをした経験はとても多くて、恥ずかしい思いをする度に、次はどもる前に言葉を言い換えよう、落ち着いて喋ろう、と心に決めます。しかしどれだけ気をつけても吃音は出てしまいます

特に言い換えのきかない固有名詞をつっかかった喉から無理矢理声に出そうとすると100%どもります

友達と会話をしていて「あれって何だっけ?」と聞かれた時に、その答えが頭で分かっていても声に出すとつっかかってしまうと思った時は、「私も忘れちゃった」と言って誤魔化したりします。

自分から話し始めておいて物の名前や人物の名前などが上手く言えない時は「あれなんだっけ?」と言い、忘れてしまったふりをします。

大したことないことのように思えますが、これが積み重なると結構なストレスになり、なんで私はスラスラ喋れないの?思ったことが言えないの?と卑屈になってしまったこともあります。

こうした経験から、あまり自分から喋ろうとしなくなりました。面白い体験をしたことを伝えようとしても、一番伝えたいオチで言葉が出てこないからです。

頭の中では話の組み立てができていてあとは声に出すだけなのに、それができません。吃音のせいで話すことが苦手だと自覚があるから、必ずしも発言する必要のない場面で余計なことを言ってどもりたくないと思い、口数が減ってしまいました。

また、ずっとこのままなのかと思うと余計に気持ちが暗くなりました。社会人になると、初対面の相手や目上の人と話さなければならないことが多くなると思います。そんな時に緊張してしまって話せなくなってしまったらどうしよう、などと考えると不安でたまらなくなりました。

吃音と接客業

私は高校一年生の頃からアルバイトを始めました。働かなければならないわけではなかったのですが、自分の趣味のために使うお金を稼ぎたかったのです。

そのアルバイト選びでも色々と悩みました。やはり高校生のアルバイトは飲食店での接客業がメジャーだと思ったのですが、吃音持ちとして、接客業は出来るだけ避けたかったのです。

しかし、もっと内職的な仕事を探したのですが見つからず、結局は自宅から自転車で10分もかからないところにある飲食店で働くことになりました。

面接はとても緊張しました。面接の緊張ではなく、言葉が自然に出るかの緊張です。実際、言葉が出てこなくなる場面もありましたが、何とか上手く凌ぐことができました。

飲食店で働いてみて、初めて気がついたことがあります。「いらっしゃいませ」や「ご注文はお決まりですか?」など決まり文句がとても多いのですが、その決まり文句が自然に口から出るようになったのです。

お客さんが来たら「いらっしゃいませ」。呼ばれたら「失礼します」。メニューの提供時には「お待たせいたしました」。

驚くことに、条件反射のようになりました。とても衝撃的でした。おかげで、それなりに飲食店の接客業は勤まりました。しかし、いつもマニュアル通りなわけではありません。ちょっと変則的な対応を迫られると、やはり上手く喋れないこともありました。

こんなこともあり、時々心が折れそうになりましたが、せっかく慣れた仕事なので高校生の間はその仕事を続けました。

苦い経験となった「メイド喫茶」でのアルバイト

大学生になりアルバイトの幅が広がると、私は今まで知らなかった世界に飛び込みました。大きく分けると二つあります。

一つ目は、メイド喫茶です。マンガやアニメが好きだった私を、友達が誘ってくれました。以前働いていた飲食店と同じような、基本的にはマニュアル通りの仕事なら可能だと思ったので、面接を受けて働くことになりました。

ただご飯を食べに来るというよりも女の子に会いにお店に来てくれるお客さんが多かったので、マニュアル以外の会話の方が多かったです。

会話も仕事のうちですが、もちろん他にも注文をとったり料理を提供したりする仕事があります。料理を運んで戻る時の一瞬で話しかけてくるお客さんには、テンポよく返事をすることが求められました

私には、その限られた短い間にお客さんと会話をするというのが出来ませんでした。とても苦痛でした。返事しなきゃと思うと焦ってしまい声が出せず、最終的には何も言わず笑顔で流すことが多くなってしまいました。私は限界を感じて逃げるように辞めてしまいました

自信になった「キャバクラ」でアルバイト

二つ目は、また別の知り合いに誘われて、キャバクラでのアルバイトです。水商売こそ個人のスキルが問われると思ったし、そもそも上手く喋れない私では話にならないと思いました。

しかし、この先社会人になった時のことを考え不安になっていたことを思い出して、会話に慣れる手掛かりになるかと思い、とりあえず体験だけでもと言われて行きました。

面接のその日に、そのまま1日体験をすることになりました。当時はまだ年齢的にお酒を飲めませんでしたが、成人でも飲みたくない人は飲まなくてもいいお店だったので助かりました。

体験と言ってもグラスのことやお酒のことなど、覚えることはたくさんありましたが、何よりも不安なのは会話でした。

私のテンポの悪い話で楽しんでもらえるだろうか、怒られないだろうか、とても不安でした。しかしそんな不安も必要ないほどにお客さんは優しく、何よりも居心地が良かったです。

なぜなら、言葉がつっかえそうになって会話に変な間が生まれてしまっても、身振り手振りで誤魔化せるからです。普段はやらないような大きなジェスチャーでも、キャバクラ嬢とお客さんが楽しく会話する場では、そのジェスチャーすら盛り上がる要素になりました。

また、お互いに座っている状態での会話なので、メイド喫茶の時のように時間に急かされることなく、ある程度ゆっくりと話ができました。

従業員とお客さんという関係は、以前働いていたお店と同じですが、従業員としての自由度がケタ違いでした。マニュアル通りの仕事ではない分、考えることも多く楽な仕事ではありませんでした。

しかし、初対面の人や年上の人と喋ることに慣れるという意味では、期待以上の経験を積むことができました。緊張しやすい私の場慣れしたい気持ちや居心地の良さから、ここでのアルバイトは長く続くことになりました。

吃音を認めたくなかった自分

吃音を強く意識するようになり、バイトもそのことを気にしながら選ぶくらいでしたが、まだ私は心のどこかで自分の吃音を認めていませんでした

きっと、吃音ながらも普通にアルバイトをこなすことができたりしたことも、自分の吃音と向かい合うことのできなかった原因だと思います。

認めていなかったので、悩んではいましたが、自分が吃音で悩んでいることを誰かに相談したことが一度もありませんでした。

学校にあるカウンセリングルームや相談室にも行ったことがなく、言葉の言い換えなどで自分の吃音を出来る限り隠してきました。吃音だと思われるのも恥ずかしいし、吃音だと宣言するのも恥ずかしかったのです。

親はもちろん私がどもることを知っていましたが、早口をやめなさい、ということ以外は言いませんでした。吃音が強すぎて会話にならないというわけではなかったし、なんとなく誤魔化して喋っていたから余計に、専門の病院に行くことはありませんでした。

そして限界を迎える

しかし大学に入学して1年以上経ったある日、突然自分が上手く喋れないことに腹が立って、悲しくて、大学の保健室に駆け込んで泣きながら悩んでいることを打ち明けました。

きっと、今まで抱えてきたストレスが何かをキッカケに爆発したのだと思います。慰めてもらいながら話し続けました。その後はカウンセリングルームを紹介されました。

それから私は、そのカウンセリングルームに通うことになりました。カウンセリングルームでも保健室と同じように泣きながら話しました。

吃音についての悩みを打ち明ける時も吃音に悩まされる自分に心の中で呆れながらも、溢れる感情が止まりませんでした。

上手く喋れなくて嫌な思いをしたこと、大学で吃音を隠そうとして口数が少なくなり友達ができなかったこと、授業で当てられた時にどもりたくなくて黙り込んでしまったことや、答えが分かっていても言いたい言葉が声にならなくて「質問聞いていませんでした」と言って悔しさを隠してへらへら笑って誤魔化したこと、たくさん話しました。

誰にも相談しなかったし相談したいとも思わなかったことを、友達ではなく知り合ったばかりの先生に包み隠さず打ち明けました。打ち明けながら、なぜ今まで誰にも相談しなかったのだろうと思いました。

相談ができたことで少しだけ吃音を受け入れることができる

それまで誰にも相談せずに一人で抱え込んできたのは、私が強いからではなくプライドが高かったからだと涙を流しながら思いました。

しかし、何年間も一人で悩んできたことを一気に吐き出して、真剣に聞いてもらえて、今までずっと心の中にあったモヤモヤが無くなったような気がして少し心が楽になりました。

ずっとプライドが邪魔して言えずに一人で抱え込んできた悩みを打ち明ける場所があるということは私にとって救いになりました。とは言っても、先生以外にはまだ相談していません。

ましてや友達に言うなんて、まだまだプライドが邪魔してしまいます。しかし、何かを失敗してしまってもそれを親身に聞いてくれる人がいるだけで、必要以上に落ち込むことがなくなり気持ちが楽になりました。

楽になったからといって吃音としっかり正面から向かい合えたかというと、それは違います。そんな簡単なことではありません。まだどこかで認め切れていません。

なので、本格的に専門の病院に行って克服の努力をするなどということはできていません。しかし、言葉にして誰かに伝えることで少しだけ受け入れることができたことは確かです。

こうして記事を書いていることが、その証拠です。以前の私なら絶対に過去を掘り返して記事を書くなんてことは絶対にしませんでした。

吃音で悩む人へ

吃音で苦しんでいるのは私だけではありませんし、私よりも症状が重い人もたくさんいると思います。その中には恥ずかしさから一人で抱え込んでしまっている人がいるはずです。

吃音はあまり理解されていないし、吃音である自分を恥ずかしいと思ってしまいます。だから余計に抱え込んでしまいがちです。しかし私と同じように、打ち明けやすい相手を見つけて相談に乗ってもらうことで、憂鬱な気分を少しでも晴らすことができてもらえたら、と思います。

written by riorin.

※ 記事の内容は、医学的な正確性、効能、効果を保証するものでなく、かつ、記事の利用においてはしかるべき資格を有する医師や薬剤師等に個別に相談するなど読者の責任において行ってください。

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