2017年07月26日 更新
ピアス穴の開け方は3種類!自分で行う場合に知りたいメリットとデメリット
ピアス穴の開け方は、自分で開ける場合と病院で開ける場合の2種類があります。自分で行う場合は、一般的にピアッサーかニードルを選び、ニードルの場合はファーストピアスを別に購入することが必要です。いずれの方法も、化膿させないための開け方や、ピアス選び、洗浄などが大切です。
この記事は、品川美容外科横浜院 武内大先生が監修しています。
「イヤリングより種類があるからピアスを開けてみたい!」
「ピアスってどうすれば上手に開けられるの? 」
そのような人に向けて、今回は、耳ピアスやへそピアスの正しい開け方について調べてみました。
ピアスを開ける方法についてメリット・デメリットを比較し、自分に合った方法を選びましょう。
耳ピアスを開ける方法3つ

自分でピアスホールを開けるときは、ピアッサーやニードルを使用した方法がおすすめです。
安全ピンを使う方法もありますが、失敗しやすいため避けた方が無難かもしれません。
なぜ失敗しやすいのかというと、安全ピンは小さいため安定して持ちにくく、穴が斜めになってしまう可能性があるからです。
穴が斜めに開いていると、穴の長さが長くなるため短いピアスがつけられなくなったり、ピアスが耳に食い込んだりしてしまいます。
ピアス穴の開け方1:ピアッサーを使用する開け方

ピアッサーとは、内蔵されたバネの力でファーストピアスが飛び出し、穴を開けるホチキスのような道具です。
ピアッサーには、ファーストピアスがあらかじめセットされているため、ピアスを別途購入する必要がなく手軽な方法だといえます。
ピアッサーの選び方
ピアッサーは、ファーストピアスの素材に着目して選びましょう。
とくに、金属アレルギーがある人は、金属アレルギーの出にくい樹脂や純チタン、チタン合金、医療用サージカルステンレスの4種類から選ぶと良いでしょう。
なかでも純チタンは、医療器具として体の中にも使われる素材であるため、おすすめです。
また、ピアスの針の先端が細いものは痛みが軽減でき、さらに固定機能が付いたものを選べば開けた弾みで穴がずれるのを防ぐことができるそうです。
ピアッサーの使い方
ここでは、ピアッサーでピアスを開けるときの事前準備や手順についてします。
ピアッサーでピアスを開けるときに注意したいのが、穴を開けるときの力加減です。
ピアッサーを押し切るときに、怖がったり戸惑ったりしてしまうと途中でピアスの先が止まってしまうことがあるため、思い切って押し切りましょう!
準備するもの
- ピアッサー
- 消毒液
- コットンまたは綿棒
- マーカー
- 軟膏(化膿を防ぐ、抗生物質含有のもの)
開け方の手順
- 消毒液をつけたコットンや綿棒で耳を消毒する。
- マーカーで穴を開けたい場所に目印をつける。
- ピアッサーを、耳に対して垂直にあわせる。
- ピアッサーを安定するよう両手で持つ。
- ピアッサーを押し切って穴を開ける。
- しっかりと貫通していることを確かめてから、消毒液で消毒する。
- 軟膏を塗って化膿を抑える。
ピアッサーのメリット・デメリット
ためらってしまってピアッサーを押し切れるか不安な人や、後の痛みが強くないほうが良い人は、ニードルでの開け方を検討しましょう。
また、メリット・デメリットの比較したうえで、開けるときが簡単で、痛みを一瞬で終わらせたいという人には、ピアッサーでピアスを開ける方法がおすすめです。
以下に、ピアッサーを使ってピアスを開けるときのメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- ファーストピアスが付属しているので、別途買う必要がない
- 一瞬で開けることができるので、痛みも一時的なもので済む
- ほかの方法と比較して簡単に扱える
デメリット
- ピアスを固定するキャッチ部分の金属が外しにくいこともある
- ファーストピアスが短いため、外しにくい場合がある
- 押しつぶすように開けるため、後から鈍い痛みを感じることがある
ピアス穴の開け方2:ニードルを使用する開け方

ニードルとは、先端が尖っていて、皮膚を切るようにして穴を開ける道具です。
ピアッサーにはファーストピアスが元から内蔵されていますが、ニードルで開けるときにはファーストピアスを別に買う必要があります。
ファーストピアスを選ぶときは、デザイン・長さ・素材を考えて選ぶようにしましょう。
ニードルの選び方
ニードルを選ぶ時は、ニードルの太さや使いやすさで決めるのがポイントです。
ニードルの太さは、Gという単位で表記されていて、値が大きいほど細くなります。
自分の開けたい穴の大きさがわからない人は、つけたいピアスの種類から決めるのも良いでしょう。
耳にピアスの穴を開けるときは通常、1.6mmの14Gか、1.2mmの16Gのニードルを使用。
14Gはボディピアスをつけたい人、16Gはファッションピアスをつけたい人向けになっています。
そのほか、ニードルには、ピアス穴を開けた後に針だけを抜き、ファーストピアスを管にさしてから管を抜くことでピアスがつけられるカヌラニードルがあります。
カヌラニードルは、ファーストピアスをつける難しい作業がほぼないことから、失敗してピアス穴を傷つけることも少ないそうです。
ニードルを使ったピアスの開け方
ニードルでピアスを開けるときは、耳たぶよりも大きく平らな消しゴムを用意しましょう。
ピアス穴を開ける側と反対側の耳たぶに消しゴムを当て、安定させることで穴をずれにくくすることができます。
ここでは、ニードルでピアスを開けるときの準備や、手順について説明します。
準備するもの
- ニードル
- ファーストピアス
- 消しゴム
- 消毒液
- コットンまたは綿棒
- マーカー
- 軟膏(化膿を防ぐ、抗生物質含有のもの)
開け方の手順
- 消毒液をつけたコットンや綿棒で耳を消毒する。
- マーカーで穴を開けたい場所に目印をつける。
- ニードルの先端に軟膏を塗る。
- ニードルをマーカーでつけた目印に当て、耳の印の裏に消しゴムを当てて固定する。
- ゆっくりと力を加えて貫通させる。
- ファーストピアスをつける。
- 軟膏を塗って化膿を抑える。
ニードルで開けるメリット・デメリット
ニードルでピアスを開けるときには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリットとデメリットを比較したうえで、早くピアス穴を完成させたい人や、おしゃれなファーストピアスをしたい人は、ニードルでピアスを開ける方法がおすすめです。
また、ファーストピアスを別途買うのが面倒な人や、手軽にピアスが開けられて痛みが続かないほうが良い人は、ピアッサーでの開け方を検討しましょう。
メリット
- ピアス穴がきれいに開けられやすい
- 穴の安定がはやい
- ファーストピアスを自分で決められる
デメリット
- ファーストピアスを別に買う必要がある
- ピアッサーよりも開けるときの痛みが強い
- 普通のニードルの場合、自分でファーストピアスをつけなければいけない
ピアス穴の開け方3:へそピアスの開け方

へそピアスは、耳ピアスの次に人気が高いといわれています。
へその皮膚はピアッサーでは挟みにくく失敗する可能性が高いため、へそピアスを開けるときはニードルを使うこようにしましょう。
また、へそは耳たぶよりも痛みを感じやすいので、開けた後も痛みが継続する人が多いといわれています。
そのため、ピアッサーよりもニードルはピアス穴の完成が早く、比較的痛みの継続が短いというメリットがあります。
ニードルを使用した開け方
ここでは、ニードルでへそピアスを開けるときの事前準備や、手順についてします。
へそピアスを開けるときに使用する大切な器具のひとつに、フォーセプスと呼ばれるピアス用の鉗子(かんし)があります。
フォーセプスは、ピアスを開ける部位を挟むときに使用する器具です。
手でつまみながら開けるという人もいますが、穴のずれや怪我をしやすいため、フォーセプスを使うようにしましょう。
また、へそピアスを開けるときは、耳ピアスを開けるときよりも比較的痛みが強いので、すばやく開けるのがポイントです。
準備するもの
- フォーセプス
- ニードル
- ファーストピアス
- マーカー
- 消毒液
- コットンまたは綿棒
- 軟膏(化膿を防ぐ、抗生物質含有のもの)
開け方の手順
- 消毒液をつけたコットンや綿棒でへそまわりを消毒する。
- マーカーで穴を開けたい場所に目印をつける。
- フォーセプスでマーカーをつけた皮膚を挟む。
- ニードルの先端に軟膏を塗る。
- フォーセプスをしたまま、ニードルをマーカーでつけた目印に当て、力を加えて貫通させる。
- ファーストピアスをつける。
- 軟膏を塗って化膿を抑える。
ピアス穴を開けて安定(完成)する期間の目安について

ピアス穴が完成する期間は、ピアッサーでは1か月半~2か月半、ニードルでは1か月~2か月といわれています。
ただし、ピアスの穴が完成するのには、傷の治りやすさや皮膚の厚さなどの個人差が関係しているため、ひとつの目安にしましょう。
また、ファーストピアスは、ピアスの穴が完全に完成するまで外さないことが重要。
傷口が塞がらない状態でピアスを外すと、ピアスを入れ直すときに傷がつき、治りが遅くなったり、細菌が入り化膿したりする恐れがあるためです。
ピアス穴が塞がったかどうかは、ファーストピアスを動かしたり回転させたりしたときに、痛みがないかや出血はないか、化膿をしていないかなどで判断しましょう。
最低1か月間は、不用意にファーストピアスを動かしたり回転させたりすることはやめましょう。
ピアス穴を開けた後の洗浄と消毒

ピアス穴を開けて1か月後からは、1日1回の洗浄を心がけましょう。
なお、一般的な消毒液であるマキロンやオキシドールは、殺菌効果が高く、新しくできる皮膚の細胞まで壊してしまう恐れがあるため、使用しない方が良いでしょう。
ピアス穴は下記の手順で洗浄を行うと、細菌や汚れをきれいに落とすことができます。
ピアス穴の洗浄方法
- 体温に近い36度~40度前後のお湯でピアス周辺の汚れを流す。
- 低刺激のボディソープを泡立てネットで泡立て、多めの泡をピアス穴周辺に塗る。
- 2~3分程度放置し、泡で汚れを浮かせる。
- 2~3分経ったら泡を洗い流す。
- 水気をタオルで拭いてから、綿棒やコットンで丁寧にしっかりと拭き取る。
時間がない場合や消毒をしたい場合は、消毒液ではなくピアス穴消毒用のジェルを使うのがおすすめ。
ピアス穴消毒用のジェルは、通常の消毒液よりも殺菌効果が高いのだそうです。
ただし、クリニックによっては1週間の消毒を指示しているところもあります。
クリニックでピアスを開ける場合は、医師の指示に従いましょう。
開けたピアス穴が化膿してしまったら?

ピアス穴が化膿してしまったときに、まずはじめにチェックすることは、ピアスの傷に膿が溜まっているかどうかの確認です。
膿が溜まっている場合は、腫れや痛みがある重度の化膿であるため、自分で対処をせずに病院で治療をしてもらいましょう。
少し膿が出ている軽度の化膿である場合は、ピアス穴を洗浄し、抗生物質が含まれた市販の軟膏を塗って経過を見ることをおすすめします。
ホットソークを使用した対処法
ピアス穴が化膿しているとき、軽く腫れがある場合には、ホットソークを行うことがあります。
ホットソークとは、ミネラルの含まれた塩水のことで、塩はミネラルの含まれたものを使います。
なぜホットソークが良いのかというと、人の体の60%は水分でできていて、細胞は一定の温度と塩分で作られているので、細胞を入れ替える代謝を促進させることで化膿が治りやすくなるからなのだそうです。
ちなみに、ホットソークでの治療は、ピアス穴の洗浄の後に行うと効果的といわれています。
ただしホットソークはあくまで殺菌をするのではなく、治癒力を上げる方法です。1週間ほど行っても効果が出ない場合や、悪化した場合には、病院での治療をおすすめします。
ホットソークに過剰な期待はしない方が良いでしょう。
化膿した場合は、できるだけ清潔に膿を出し、洗浄しクリニックを受診してください。
ピアス穴を開けるなら自分で?病院で?比較する3つのポイント

ピアス穴を開ける際、自分でピアスを開ける場合と病院で開けてもらう場合とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
失敗と安全性についてや、費用、トラブル面という3つのポイントから、以下のような比較をしてみました。
ピアス穴開けに失敗する可能性と安全性は?
ピアッサーやニードルを正しく使うことができれば、自分で開けるときと病院では大きな差はなく、それほど危険性はありません。
ただし、どちらが安全かといえば、やはり病院で開けてもらうほうが安全性が高いといえます。
病院では医師の人がきれいに開けてくれるため、自分で開けるときに起こる穴のずれなどの失敗はほぼありません。
また、病院では、医療用の針でピアス穴を開ける方法が一般的。
耳の厚さや痛みを感じやすい場合を考慮して、麻酔を行ってもらうことも可能です。
ピアス穴開けの費用の比較
次に、ピアス穴を開ける際の費用について見ていきましょう。
自分でピアスを開ける場合、ピアッサーの費用は両耳で1,500円前後、ニードルは1セット500円未満で購入できるものが多く見られます。
しかし、ニードルの場合はファーストピアスを別に買う必要があるため、この分の費用も考えておきましょう。
ファーストピアスがつけやすいカヌラニードルは、ニードルよりも費用が高くひとつ1,500円前後が目安です。
その一方で、病院でピアスを開ける際にかかる費用は、両耳で約7,000円〜1万円が相場で、これにはファーストピアスの費用も含まれます。
ピアス穴開けのトラブル
ピアスを開けるときのトラブルとして挙げられるのが、開けた後に起こる痛みや化膿などの炎症です。
病院でピアスを開けたときは、一緒にアフターケアの方法をくわしく指導されるため、間違ったアフターケアをせずに済む可能性があります。
このような点から考えると、よりトラブルが起こりにくいのは病院といえるでしょう。
正しい方法で上手にピアスを開けよう!

ピアスを開ける方法には、それぞれメリットとデメリットがあり、失敗しないためには自分にあった方法で開けることが大切です。
また、きれいにピアスを開けても、アフターケアによってトラブルが起こるかどうか変わってきます。
正しい方法でピアスを開けて、耳元のおしゃれを楽しみましょう!
ピアスは、感染などのトラブルも少なくありません。そのため、少しでも心配な方は病院で開けるのが無難でしょう。
この記事の監修医:武内大先生のクリニックはこちら
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医療・薬剤に関する情報の指摘
武内大
へそピアスは浅くしすぎると、将来的にへその皮膚が裂けてしまうことがあり、深くしすぎるとうまくはまらずに内出血することがあります。
すばやく開けることはもちろんですが、注意深さも必要です。