2017年10月11日 更新
子供でも「ほくろ除去」はできる?傷跡のリスクや費用
ほくろの除去には、年齢制限がありません。ただし、子供のほくろの除去にはいくつかのリスクがあります。リスクを減らすためには、子供の健康状態を知ってくことが大切です。また、ほくろ除去にかかる費用は治療をする診療科やほくろの大きさによって変わります。
この記事は、コスメディカルクリニックシンシア 総院長 又吉秀樹先生が監修しています。
子供の顔や手足などにできたほくろ。
「もしかしたら何かの病気……?」「目立つ場所にあったら、将来いじめられるかも……」と心配になることもあるのではないでしょうか。
今回は、そのような悩みを持った人へ向けて、子供のほくろの除去についてのリスクや費用などをくわしく紹介します。
子供のほくろは除去しても良いの?

実は、病院でほくろ除去をする場合、とくに年齢制限はないとされています。
しかし、「生まれたばかりの子供がほくろ除去をしてもリスクはないの?」「傷跡はどれほど残るの?」と思う人もいるのではないでしょうか。
子供がほくろを除去するときのリスクについて、メリットとデメリットを紹介します。
子供のほくろを除去するメリット:傷が治りやすい
子供は、大人に比べて傷の治りが早いもの。
これは、子供の体では、細胞のはたらきを活性化させる成長ホルモンの分泌か多いからなのだといわれています。
成長ホルモンの分泌が多いと、その分新陳代謝が高まり、傷の治りが早くなるそうです。
そのため、病院によっては、大人になってからほくろを除去するよりも、子供のうちに除去をすることをすすめているところもあります。
子供のほくろを除去するデメリット:全身麻酔の副作用
ほくろ除去をする際、小学生未満の子供には全身麻酔をすることがあります。
これは、ほくろ除去に恐怖心があったり、手術中に動かないよう意識することがまだ難しかったりする、子供にのみ当てはまるようです。
手術中に大きく体を動かすと、大きなけがの原因になるためです。
しかし、全身麻酔を小さな子供にすることにはリスクがないのかというと、まったくないとは言い切れないとのこと。
全身麻酔でのリスクとして挙げられるのは、学習能力の低下などの副作用です。
全身麻酔のリスクを減らすには
全身麻酔前に、医師に普段の子供の健康状態についてくわしく伝えれば、リスクをほとんどなくすことができるとされています。
医師に伝えるべき点として挙げられるものは、下記を参考にしてください。
- アレルギーがあるか。
- 風邪をひきやすい体質か。
- 服薬はあるか。
- 食事は何を食べたか。
食事についてとは、手術をする前にどのようなものをどれほど食べたのかということを指します。
これは、全身麻酔をしたとき、万が一子供の胃の中に食べ物が残っていると、逆流して喉を詰まらせ、窒息する恐れがあるためです。
しっかりと食べたものを伝えることで、医師がいつ手術をすれば良いのかを判断がしやすくなるため、前日からの食事はメモをしておくことが大切です。
ほくろ除去後の傷跡はいつ頃目立たなくなる?

子供は傷が治りやすいとはいえ、残ってしまうのではないかは心配なところ。
「せっかくほくろを除去しても、傷跡が残ったら後悔しそう……」という不安は、なかなか子供のほくろ除去に踏み込めない理由のひとつ。
そこでここでは、ほくろ除去をしたときの傷跡の経過について紹介します。
深い傷跡でも1年ほどで目立たなくなる
ほくろを除去する方法には、レーザーでの治療や、メスを使った切開法があります。
このうち、ほくろはどのような方法で除去しても、時間が経つと傷跡が目立たなくなることが多いようです。
もちろん、手術直後は、ほくろの大きさや深さによって人それぞれに傷跡が残ります。
しかし、子供は治癒能力が高く、どんなに深い傷跡でも徐々に薄くなって、約1年後にはほとんど目立たなくなることが多いようです。
かさぶたを剥がさないように注意
ほくろを除去した後、傷跡を残さないためには、かさぶたを剥がさないように注意しましょう。
ほくろ除去後にできた傷が治りかけていると、かさぶたが痒みを生じることがあります。
子供は、痒みを我慢できずにかさぶたを剥がしてしまいがちです。
かさぶたを剥がしてしまうと、傷の治りが遅くなるだけでなく、シミのような傷跡が残ったり、菌が侵入して感染症を引き起こしたりするといわれています。
そのため、子供のほくろの除去後は、なるべく引っ掻かないように注意して見ること、絆創膏を貼っておくことなどが大切です。
皮膚科でのほくろ除去にかかる費用

ほくろ除去にかかる費用は、ほくろの大きさによって変わるようです。それは、ほくろの大きさによって、除去の方法が違うからなのだとされます。
一般的には、ほくろが大きくなればなるほどほくろ除去にかかる費用は高くなります。
ただし、ほくろは徐々に大きくなるものもありますが、でき始めは小さいものがほとんどなのだそうです。
そのため、子供のうちにほくろを除去した方が少ない費用で済むこともあります。
また、大きさごとの費用は、5~6mm未満のほくろで約5,000円~10,000円、5~6mm以上のほくろで約10,000円から要相談という皮膚科が多いようです。
保険が適用されるほくろもある
皮膚科でほくろを除去するときには、保険が適応される場合と、されない場合があります。
保険が適応される場合のほくろとは、メラノーマと呼ばれる悪性腫瘍や、生活に支障をきたすとされるものなど、医師に取るべきと判断されたものです。
メラノーマとは?
メラノーマとは、悪性黒色腫という、手のひらや足の裏にできる皮膚がんのひとつです。
ただし、メラノーマは紫外線が原因でできるものと考えられていて、子供が発症する確率は極めて低いとされています。
しかし、子供でも絶対にできないというわけではないので、下記のメラノーマの特徴に多く当てはまるものがあるかを確認してみましょう。
メラノーマの特徴
- 表面が盛り上がっていたり、でこぼこしていたりする。
- 色の濃さがまばらになっている。
- ほくろの淵がくっきりしておらず、にじんでいたりぼやけていたりする。
- 丸くなく、いびつな形をしている。
- 短期間で急激に大きくなる。
- 大きさが5mm以上ある。
皮膚科でのメラノーマを判断する検査方法は、医療用のルーペでほくろを見るだけなので、傷はつけず、費用も多くはかからないそうです。
そのため、上記の項目と比べて少しでもメラノーマの疑いあった場合は、なるべく皮膚科での診断をおすすめします。
悪性黒色腫(メラノーマ)の『ABCDE』といわれているものがあります。
A:Asymmetry(非対称性)
B:Border Irregularity(辺縁が不整)
C:Color(色調がまだら)
D:Diameter(径6㎜以上)
E:Evolving(経時的に変化している)
以上が当てはまるようでしたらなるべく早く皮膚科を受診しましょう。
生活に支障をきたすほくろ
医師に生活に支障をきたす可能性があると判断されたされたほくろは、保険が適応されます。
実際に支障をきたすほくろと判断された例としては、痒みや異物感などの症状があるものや膨らみ巨大化しているものなどが挙げられます。
しかし、生活に支障をきたすほくろにははっきりとした基準はないため、医師に保険が適応できるかどうかを相談することが大切です。
ほくろ除去を皮膚科以外で行う場合の違い

ほくろは、皮膚科以外でも美容皮膚科や形成外科などで除去することができます。では、皮膚科とそれ以外でほくろを取るのにはどのような違いがあるのでしょうか。
費用の違い
皮膚科や形成外科以外でほくろを除去する際の違いのひとつに、費用の違いが挙げられます。
皮膚科や形成外科は診察料やほくろの除去手術において比較的保険が利きやすいため、皮膚科以外でほくろ除去をする場合と比べると費用が安く済むことが多いのだそうです。
一方で、美容皮膚科や美容外科でのほくろ除去は、カウンセリング料や診察料が別途含まれ、ほとんどの費用が自費になることが多いといわれています。
費用をなるべく安くしたいという人には、皮膚科でのほくろ除去をおすすめします。
傷跡の残りやすさの違い
皮膚科と皮膚科以外での受診の違いには、傷の残りやすさも挙げられます。皮膚科は、ニキビやほくろなどの皮膚疾患を治療するところです。
それに対して、美容皮膚科や美容外科は、治療によってきれいな肌をつくることを目的としています。
そのため、皮膚科でほくろ除去を行うよりも、手術後に傷跡が残りにくいそうです。
手術後、なるべく子供の肌に傷を残したくないという場合は美容皮膚科や美容外科がおすすめです。
ほくろ除去は子供でもできる!

子供のほくろ除去は、予めしっかりと子供の健康状態を知っていれば、年齢に関係なく少ないリスクで行うことができるといわれています。
また、子供のときにほくろを残し、大人になってから除去をすると、傷が残ったり、費用が高くなったりするかもしれません。
子供のほくろの除去をするかを迷っているという人は、一度まずは皮膚科に相談に行ってみてはどうでしょうか。
傷の治りが早いとはいえ、ほくろの深さなどによっては傷が完全になくならないこともあります。
ほくろの目立ち具合と予想される傷痕に関して医師と良く相談してください。
ほくろ除去の費用目安

クリニック | 費用(目安) |
---|---|
品川スキンクリニック | 4,860円 |
聖心美容クリニック | 9,800円 |
城本クリニック | 10,000円 |
シロノクリニック | 10,000円 |
※費用は税抜表示です。※主に直径1mmのほくろ除去の金額を掲載しています。
※掲載している情報は2017年10月11日時点で公式サイトに記載されていた情報であり、またクリニックによって施術条件や価格条件が異なるため各情報を保証する内容ではありません。正確な情報はクリニックの公式サイトを訪れていただくか、クリニックに直接お問い合わせ下さい。
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医療・薬剤に関する情報の指摘
又吉秀樹
絆創膏もキズパワーパッドのような湿潤状態が保てるタイプの方が最終的な治りが良いということで、すすめている医師も増えています。