NICOLY:)[ニコリー] コンプレックスの悩み解決・応援サイト

医師が教えるコンプレックス解決サイト
監修済記事:1036記事

メルマガ登録

2016年03月10日 更新 | 55,843 views

吸入ステロイド薬が効かない?考えられる5つの原因とその対策

喘息の治療においてもっとも有効な治療法のひとつに、「吸入ステロイド薬」があります。副作用の心配もなく、高い治療効果で多くの喘息患者を救っています。でも中には、「医師に処方された吸入ステロイド薬の効き目がない」という経験をしている人が、少なくないようです。効果的な治療のためには、その原因をしっかりと確認して、正しい吸入方法を知る必要があります。

毎年喘息が原因で亡くなる人の数は、およそ3000人と言われています。その人数の多さに驚きますが、これでも10年前に比べると、半分程度にまで減ったんだそうです。

死亡者数の減少に大きく関与しているのが、吸入ステロイド薬の普及です。喘息の発作をしずめるために吸入ステロイド薬が導入されてから、この薬は喘息の治療に絶大な効果を発揮しています。

まずはここで、吸入ステロイド薬の種類と効果について確認しておきましょう。

この記事に書いてあること

  • 吸入ステロイド薬の種類
  • 吸入ステロイド薬の使い方と効果
  • 吸入ステロイド薬が効かない時の原因と対処法
  • 吸入ステロイド薬の副作用

吸入ステロイド薬とは

吸入ステロイド薬

吸入ステロイド薬とは、アトピー性皮膚炎でも使われるステロイド剤を、吸入という方法で投与できるようにしたものです。 炎症が起きている気道の局所に、ピンポイントで直接薬を届けられるため、より少ない量と範囲での使用が可能で、気道の炎症を抑え、呼吸が苦しくなるのを予防してくれます。

「長期管理」を治療の基本とする喘息において、ベースになる治療薬として選ばれる理由はここにあります。

吸入ステロイド薬が用いられる主な症状や病例

吸入ステロイド薬を用いる主な症状や病例は

  • 気管支喘息
  • COPD(慢性閉そく肺疾患)
  • 喘息と合併している場合や、急な症状の悪化が年に2回以上ある場合
  • 咳喘息 など、気管支系の病気に多く用いられます。

吸入ステロイド薬の種類

吸入ステロイド薬を吸入する女性

現在、日本で使用されている吸入ステロイド薬には5つの種類があります。 薬剤によって、肺への到達率や、肝臓での分解率がちがうので、それに合わせて吸入器も使い分けます。

ここで説明している「剤型」とは、簡単に言うと吸入方法のちがいで、「吸入器」とは使用する吸入器のタイプのことです。

キュバール(ベクロメタゾン)

吸入ステロイド薬の中でも、早くから使われていて豊富な実績がある。少量の使用で効果があり、血液の中に入っても、8割以上は肝臓を通過すると分解されるので、ステロイドの副作用が非常に小さい。

  • 剤型:エアゾール 
  • 吸入器:pMDI

フルタイド(フルチカゾン)

キュバール(ベクロメタゾン)の抗炎症効果を数倍強くしたもの。炎症患部に長くとどまるため、強い効果を発揮。肝臓ですみやかに分解されるため、全身に広がるのは薬剤の1%以下で済む。

  • 剤型:エアゾール、ドライパウダー
  • 吸入器:pMDI、ディスクヘラー、ディスカス

パルミコート(プデソニド)

キュバールの2倍程度の抗炎症作用で、全身への副作用も非常に小さい。他の吸入ステロイド薬と同様、携帯吸入器があるほか、吸入液をネブライザーという機械で使用できるため、小さな子どもやお年寄りにも投与しやすい。

  • 剤型:ドライパウダー、吸入懸濁液 
  • 吸入器:タービュヘイラー、ネブライザー使用

オルべスコ(シクレソニド)

非常に粒子が細かく、長時間炎症患部にとどまるので、一日一回の吸入で充分な効果が得られる。薬剤が口の中に残りにくいことから、声がれや口内炎などの副作用が出にくい。また、全身への副作用も非常に小さい。

  • 剤型:エアゾール
  • 吸入器:pMDI

アズマネックス(モメタゾン)

吸入ステロイド薬の中でも、最新型のタイプ。肺内到達率、肝臓内での分解率がともに非常に高く、吸入力が弱まった人でも確実に吸入でき、副作用の心配もほとんどない。

  • 剤型:ドライパウダー
  • 吸入器:ツイストヘラー

また、吸入ステロイド薬には「長時間作用性β2刺激薬」という、気管支拡張剤を配合した「配合剤」を使う場合もあります。配合剤には現在4種類あり、それぞれの特徴を踏まえた上で、年齢や病状、生活環境によって医師が適切なものを処方します。

アドエア

吸入ステロイド薬「フルチカゾン」に、気管支拡張剤「セレベント」を配合したもの。

  • 剤型:エアゾール、ドライパウダー

シムビコート

吸入ステロイド薬「プデソニド」に、気管支拡張剤「ホルモテロール」を配合したもの。

  • 剤型:ドライパウダー

フルティフォーム

吸入ステロイド薬「フルチカゾン」に、気管支拡張剤「ホルモテロール」を配合したもの。

  • 剤型:エアゾール

レルベア

吸入ステロイド薬「フルチカゾン」に、気管支拡張剤「ビランテロール」を配合したもの。

  • 剤型:ドライパウダー

吸入ステロイド薬の使い方と効果

以前の喘息治療は、発作が起こった時にそれを緩和する治療が主流でした。しかし喘息の患者には、発作が起きていない通常時でも、気道の慢性的な炎症が起きていることが分かりました。

そこで炎症を長期的に管理する方法が研究され、登場したのが吸入ステロイド薬による治療法なんです。 治療はまず医師の指導で、年齢や症状から薬剤のタイプや吸引方法を決めて、一日に決められた回数の吸引を行い、それを長期的に続けることになります。

吸入ステロイド薬は、喘息の治療と同時に、発作を起こさせないという予防の効果もあります。また、薬剤による副作用が非常に小さいため、安心して使い続けることができるんです。

吸入ステロイド薬が効かない時の原因と対処法

喘息の治療に有効な吸入ステロイド薬ですが、症状がいっこうによくならないという人も。 そんなときは、もしかしたら思わぬ見落としをしているかもしれません。その原因を5つ、ここで考えてみましょう。

1. 発作薬と勘違いしている

吸入ステロイド薬は「長期管理薬」のひとつで、ゆっくりじわじわと効き目がみられる薬。 だから効果が出始めるのに、約3日ほどかるんです。 そのため、発作したそのときに吸引しても効き目はありません。

発作を止める薬と勘違いして使い、効き目がないからと吸入をやめてしまうと、吸収ステロイド薬の本来の力が発揮されません。 実はこの勘違いが原因で、効き目がないと思い込んでいるパターンが一番多いよう。 きちんと長期間、毎日の使用を心掛けましょう。

2. 吸入の仕方が間違っている

「毎日使用しているのに効果がない」という人は、吸入のしかたが間違っていたり、吸入方法が自分に合っていなかったりする可能性があります。

長い間使ってるうちに、だんだん吸入方法が自己流になっていませんか?

また、小さい子どもの場合、きちんと吸入方法を教えてあげられていますか?

「ゆっくり吸入する」「スペーサーを使う」「息をこらえる」の3つの基本的な使い方を必ず守りましょう。 もし不安であれば、自分の吸入法が合っているかどうか、病院で定期的にチェックしてもらうといいでしょう。

3. 気道が細くなっているために薬が届かない

また、発作を起こしていて気道が細くなっているために、患部に薬が届いていない可能性も。 「発作が頻発している」「痰が溜まっている」「高度な気道炎症」を起こしているなどに当てはまることがあれば、気道が細くなっている可能性が大。

それぞれの対策としては、発作が頻発している時には、気管支拡張剤を吸入することで気道を広げること。痰が溜まっている場合は、水分補給やネブライザーを使って痰を取り除くこと。 そして、高度な気道炎症を起こしている時には、一定期間全身性ステロイドを投与する、などの方法があります。

4. 生活上気道の安静が保てない

前述の3つの原因のどれにもあてはまらないというときは、気道の炎症が鎮まるまでの充分な時間や環境がないことが考えられます。

仕事や家事、部活、勉強など、忙しい人はなかなか「気道の炎症が収まるまでは、一定期間気道を安静に保たなければならない」という条件をクリアするのが難しいのです。 生活上の問題ではありますが、担当医と相談して使用する薬や使用頻度などを考えれば、ある程度改善されるはず。

5. COPD(慢性閉そく肺疾患)である

喘息ではなく、COPDの場合、そもそも吸入ステロイド薬が効き目を果たさない場合があります。

COPDは、肺の生活習慣病のことで、長年の喫煙習慣が主な原因。COPDには本来、気管支拡張薬という、吸入ステロイド薬とは別の薬が処方されることが多いはずです。

ちなみに気管支拡張薬には「β2刺激薬」「抗コリン薬」「テオフィリン」の3種類があります。詳しくは、担当の医師に相談してみることをおすすめします。

吸入ステロイド薬の副作用

吸入ステロイド薬は長期間、毎日使用するもの。中には「毎日のステロイド使用は副作用が心配」という人も多いはず。でも実は、吸入ステロイド薬は、副作用が現れる可能性がとても少ない薬なんです。

吸入ステロイド薬による副作用

副作用の少ない吸入ステロイド薬ですが、吸入後のうがいを怠ると、口内に薬が残り、局所的な副作用があらわれることがあります。症状としては主に以下のものが報告されています。

  • 嗄声(声がれ)
  • 口内乾燥
  • カンジダ症(口腔・咽頭・喉頭・食道)
  • 咽頭刺激症状

吸入ステロイド薬は全身にまわることはほぼない

吸入ステロイド薬の投与方法は「局所投与」といわれるもの。「全身投与」である点滴による投与や内服薬と違って、患部に直接作用します。 だからその分、薬の量がとても少なくて済むんです。なんと、吸入薬の場合、内服薬のおよそ100分の1の量で効果があります。 そのため全身に副作用が現れることは、ほぼないと考えて大丈夫。

自分に合った吸入薬を使おう

吸入ステロイド薬の種類はどんどん増えていて、治療の選択肢も多くなっています。自分に合った薬剤と吸入器を選ぶことで、吸入の効率が上がり、治療の効果も上がっていきます。

吸入ステロイド薬があまり効かないという人は、担当の医師に相談して、原因をしっかりとつきとめましょう。その結果で、本当に自分に合った薬剤や吸入器を、検討しなおしてみるのもひとつの手かもしれません。

written by だみわ

まとめ:吸入ステロイド薬が効かない?5つの原因とその対策

吸入ステロイド薬とは

  • 喘息の治療で使われる吸入ステロイド薬
  • 喘息の治療と発作の予防に効果がある

吸入ステロイド薬の種類

  • 吸入ステロイド薬には5つの種類がある
  • 薬剤の種類で効果がちがう
  • 吸入方法と吸入器にも種類がある
  • 気管支拡張剤を配合した、配合剤タイプもある

吸入ステロイド薬の使い方と効果

  • 決められた回数を毎日続ける
  • 喘息の治療と発作の予防ができる

吸入ステロイド薬が効かない時の原因

  • 発作薬と勘違いしている
  • 吸入の仕方が間違っている
  • 気道が細くなっているために薬が届かない
  • 生活上気道の安静が保てない
  • COPD(慢性閉そく肺疾患)である
  • それぞれの原因に合った対処法をとる

吸入ステロイド薬の副作用はほとんどない

自分に合った吸入薬を使う

お悩み別人気クリニック

東京

シロノクリニック銀座院

JR有楽町駅より徒歩3分

詳しく見る

大阪

シロノクリニック大阪院

JR大阪駅より徒歩3分

詳しく見る

横浜

シロノクリニック横浜院

横浜駅直結

詳しく見る

※ 記事の内容は、医学的な正確性、効能、効果を保証するものでなく、かつ、記事の利用においてはしかるべき資格を有する医師や薬剤師等に個別に相談するなど読者の責任において行ってください。

関連するキーワード

注目の記事

【大人気】ブログより詳しい!整形の痛みやダウンタイム・術後経過すべて見せます!美容整形体験レポートシリーズ

【大人気】ブログより詳しい!整形の痛みやダウンタイム・術後経過すべて見せます!美容整形体験レポートシリーズ

NICOLY編集部では、カウンセリングから術後経過までの画像がたっぷりの、美容整形体験レポートを公開しています。切らないプチ整形から、脂肪吸引まで読み応え十分。NICOLY編集部いちおしの記事です。随時更新中!

45984 views | 整形二重脂肪吸引脂肪溶解注射

カテゴリ一覧

この記事のライター

本日のアクセスランキング

いまNICOLYで人気の記事

話題のキーワード

いまNICOLYで話題になっているキーワード

専門家ライター募集

NICOLYで記事を執筆していただける医師を募集

NICOLYでは「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」というビジョンのもと毎日記事を更新しています。信頼性の高い記事を出し続けるために、記事の執筆をしていただける医師を募集しています

専門家ライター募集フォーム

編集者募集

NICOLYで記事を編集してくれる編集者募集

NICOLYでは「コンプレックスで悩んでいる人を笑顔に」というビジョンのもと、一緒に働いてくれる編集者を募集しています。

編集者募集フォーム

関連する記事

この記事に関連する記事をピックアップ