2017年08月23日 更新

【医師が解説】整形手術の事故はなぜ起こる?安全な治療のために知っておきたいこと

整形や豊胸など美容医療の分野においても、事故は稀に起こってしまうもの。今回は、国内最大手の美容クリニックである湘南美容外科の居川医師に、事故が起こる原因や麻酔のリスク、持病や既往症、薬と安全性の関係、安全対策などについてインタビューしてきました。安心して施術を受けられるよう、くわしく知っておきましょう。

SBCメディカルグループ副統括院長、湘南美容外科 新宿本院 副院長 居川和広

この記事は、SBCメディカルグループ副統括院長、湘南美容外科 新宿本院 副院長 居川和広先生が監修しています。

ときどき耳にする、美容医療におけるトラブル。

滅多にないことだとわかっていても、「もしかしたら自分が施術を受けるときに起こってしまうかも」と考えると恐ろしいものです。

コンプレックスを解消し、より満足できる自分になりたいという思いで受ける美容医療。

自分の意志で受ける治療だからこそ、安全性についてはよく知っておく必要があります

では、美容医療において、トラブルや事故はどのような原因で起こる可能性があり、それを防ぐために現場ではどのようなことが行われているのでしょうか?

今回は、SBCメディカルグループ副統括院長で新宿本院の副院長でもある居川和広医師に、美容医療の安全性についてお話を伺いました。

居川医師の写真

目次

美容医療における事故の原因とは?

医療事故が起こる原因というと、医師の技術不足によるミスや病院の不備を思い浮かべる人が多いかもしれません。

実際のところ、何が原因となることが多いのでしょうか?

まずは、美容医療において事故が起こる原因について聞いていきましょう。

ライター:居川先生よろしくお願いします。美容医療の現場で事故が起こってしまう原因として、何が挙げられるのでしょうか?

居川医師の写真

美容医療の領域での事故においてもっとも多いのは、麻酔に関するものです。

麻酔は、アレルギーアナフィラキシーショックなどの不測の事態を起こす可能性があります。

急変が起こった場合には、迅速な対応が不可欠です。正しい対応がとられれば、問題が起こる心配はほとんどありません。

ライター:アレルギーが起こる可能性があるかどうかは事前に確かめられますか?

問診票では、以前に局所麻酔を受けてアレルギー反応が出たことがないか確認しています。

ただし、アレルギーはいつ起こるのかわからないもので、過去に局所麻酔を受けてなんともなかった人でも、2度目以降に受けた際にアレルギー症状が出る場合があります。

そのため、絶対に出ないとは言い切れません。

ライター:アレルギーが起こると具体的にどのような症状が出るのでしょうか?

アレルギーの症状は、程度によって異なります。

軽度なアレルギーだと顔にブツブツが出たり、痒くなったり、むくんだりという症状が出るのですが、重度な場合は、気道がむくんで気道閉塞が起こり、息が苦しくなってしまう場合もあります。

ただし、重度の場合も適切に対処すれば次第に治まります。

ハチに刺されるなど、日常生活のなかで突然重度のアレルギーが起こった場合は、対処が間に合わないこともありますが、医療機関内でアレルギー反応を起こした場合は、そのような心配は要らないでしょう。

ライター:麻酔以外の薬剤でも、アレルギーが起こる可能性はありますか?

世の中の薬は、すべてアレルギーを起こす可能性がありますが、頻度の差があります。

アレルギーが起こった例がほとんどない薬剤もあれば、起こりやすい薬剤もあるということです。

ヒアルロン酸を溶かす際に使われるヒアルロニダーゼ抗生剤は比較的アレルギーが起こりやすいですね。

美容医療における全身麻酔の安全性は?

麻酔は、美容医療のさまざまな施術にとって欠かせないもの。

しかし、アレルギー反応が起こらなかったとしても、全身麻酔ともなると不安に感じる人も多いのではないでしょうか?

美容医療における全身麻酔について、質問してみました。

ライター:どのような施術で全身麻酔を使用するのですか?

居川医師の写真

まず厳密に言うと、人工呼吸器につないで完全に眠った状態にする麻酔が全身麻酔なのですが、点滴の中に眠くなる薬を少しでも入れると、広い意味では全身麻酔と呼ばれます。

骨切り以外の施術は、ほぼすべて局所麻酔で行うことができます。脂肪吸引や豊胸バッグも、硬膜外麻酔という局所麻酔をすれば手術ができます。

しかし、局所麻酔を打つこと自体に痛みがあるので、数分間静脈麻酔で強力な鎮痛剤を入れて、局所麻酔の注入時の痛みをなくすことが多いです。

また、手術中意識があるのが嫌な場合は、眠っている状態にするために、点滴から眠くなる薬(静脈麻酔)を入れます。

骨切り以外の施術に関しては、患者様の要望によって麻酔の種類を決めることも多くあります。

ライター:全身麻酔には、何かリスクがありますか?

術後の吐き気や頭痛、気持ち悪さや怠さなどは、比較的軽い副作用として起こることがあります。

稀なものでは、アレルギー・悪性高熱・塞栓などが挙げられます。

美容医療は誰でも受けられるの?持病と安全性の関係とは

問診票は、はじめてクリニックを訪れたときに必ず書くものです。

その際に、持病や服用中の薬についても書かなくてはいけません。

持病と美容医療の施術の関係性について、お話を聞いていきましょう。

ライター:持病がある人は、受けられる施術が制限されてしまうのでしょうか?

居川医師の写真

そうですね。美容医療は持病などがないことが条件となってしまう部分があります。

例えば、1か月以内に喘息の発作があった方は、豊胸バッグなどの大掛かりな手術をお断りすることがあります。

てんかんの発作があった場合も同様で、湘南美容外科では全院共通のガイドラインを作り、何年以内にどの程度の発作が起こったかによって、手術が可能かどうかを決めています。

ライター:そのほかに、過去にかかったことがあったり、治療中であったりすると施術を受けられない病気はありますか?

過去に心筋梗塞脳梗塞になったことがある方は治療をお断りしています。

病気ではありませんが、妊娠・授乳中も同様です。

また、糖尿病がある場合や、ステロイド剤を服用している場合は、傷の治りが遅くなったり感染症が起こりやすくなったりするため、お断りすることがあります。ときには、持病の担当医に意見を聞いてから、手術をするか決めることもありますね。

ライター:ステロイド以外の薬で、服用中だと施術を受けられないものはありますか?

ホルモン剤や、血をサラサラにする薬を飲んでいる方はお断りすることがあります。

また、ピルを服用中の方が脂肪吸引を受ける場合は、手術の2週間前から飲むのをやめてもらうようにしています。

ライター:では、精神疾患を持つ人に関しては、何か施術の制限はありますか?

精神疾患に関しては、多くの薬を服用していても、とくに制限はありません

薬を服用しているかどうかよりも、意思疎通ができて、お願いしたことを守っていただけるかどうかの方が重要です。

ライター:ちなみに、喫煙者だとトラブルが起きやすくなるということはありますか?

タバコを吸っていても問題ありませんが、傷の治りが遅くなったり感染症のリスクが高くなったりすることはあります。

また、脂肪注入の施術で、維持されて残る脂肪の量が少なくなってしまう可能性も高いですね。

持病や既往症によってリスクが高まってしまう場合、患者の体のことを考えて「手術はできない」とはっきり伝えてもらえるというのは、医師への信頼につながりますね。

施術を受けるのに適した健康状態かどうかをシビアに判断してもらうことは、安全に治療を受けるためには必須だといえそうです。

持病や既往症、薬についての申告は正しく行いましょう。

クリニックへ行く前に、以下の点について再確認しておくと良いかもしれません。

  • アレルギー反応が出たことのある薬
  • 現在服用中の薬
  • 現在治療中の病気
  • 過去にかかったことのある病気

【注意したい持病や既往症】

  • 喘息・てんかん:直近で起こった発作から何か月経過しているかによって、受けられる施術が制限される。
  • 糖尿病:感染症のリスクが高まるので、受けられる施術が制限される。
  • 心筋梗塞・脳梗塞:施術問わず、受けることができない。

【服用していると受けられる施術が制限される薬】

  • ステロイド剤
  • ホルモン剤
  • 血をサラサラにする薬
  • ピル(手術前に服用をやめれば問題なし)

湘南美容外科が行っている安全対策

最後に、湘南美容外科が行っている安全への取り組みについてくわしくお話を聞いていきましょう。

ライター:湘南美容外科で行っている安全対策について、具体的に教えていただけますか?

居川医師の写真

先ほどもお話したように、ガイドラインを細かく規定しています。

病気や体重、採血結果、以前施術をいつ受けたかなどに基づいて、その施術を受けて良い人の基準を細かく作っています。そして、その枠内に入る人しか施術を受けられないようにしています。

また判断が難しい場合は、医師ひとりによって決めるのではなく、院長やエリア長など、段階的に判断を重ねてから決定する仕組みになっています。

ライター:そうなんですね。そのほかにも、安全のために設けている条件などがあったら教えてください。

当院で自主的に決めているルールはたくさんありますね。

例えば、お腹の脂肪吸引は、脂肪吸引を300件以上担当した医師でないと担当できないようにしています。

ちなみに脂肪吸引に関しては、取ることができる脂肪の量の上限を体重から換算して決めていますね。

また、麻酔の投与できる量の上限も決めて、過剰投与を防いでいます。

ほかには、硬膜外麻酔での豊胸バッグや脂肪吸引のような大掛かりな手術時には、緊急時に備えて医師が2名以上いなくてはならないという決まりも作っています。

ライター:しっかりした規定があるんですね。ガイドラインやルール以外に、普段から行っている取り組みがあったら教えてください。

月に一度、急変時に備えた訓練を、受付やナース、医師全員で行っています

また、全国に何十院もあるので、ひとつの院でなにかが起きた場合、すぐに情報伝達をし、同様のことがほかの院で起こらないように対策しています。

安全な美容医療の施術を受けるために……

医師とのカウンセリングで笑顔の患者の写真

施術を受けるクリニックを検討する際は、症例写真を見比べて個々の医師の技術を吟味することももちろん大切です。

しかし、クリニック全体でどれほど安全対策をしているかも重要なポイント。

湘南美容外科は、1年間で来院数100万人を超える大手クリニックなだけあり、安全への取り組みが徹底されていました。

公式ホームページを見たり、医師とのカウンセリングでしっかり話を聞いたり、口コミを調べたりして、安心して施術を受けられるクリニックを見つけましょう

居川医師にお話を聞くために訪れたのは、湘南美容外科新宿本院

湘南美容外科新宿本院の待合室の写真

2017年4月27日にリニューアル移転したばかりの湘南美容外科 新宿本院は、とてもきれいで広々としています。

待合室のソファーは、背中合わせに配置されているため、多くの人と顔を合わせにくいという配慮も。

雑誌やドリンクもあり、待ち時間も快適に過ごせそうな院内でした。

居川医師のカウンセリングを受けてみたいと思った人は、ぜひ湘南美容外科新宿本院を訪れてみてはいかがでしょうか。

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