2018年01月23日 更新
目尻切開の術式や効果とは?知っておきたいダウンタイム・注意点・費用のまとめ
目尻切開は、目尻の皮膚と粘膜を数ミリ切開し、目尻の幅を顔の外側に向かって広くする手術。目が大きく見える効果が期待できます。また、小顔に見えたり、切開の方向によってはたれ目やつり目の改善など、目の印象を変える効果もあったりします。しかし目尻切開では、目頭切開ほど印象が大きく変わることはありません。
目尻切開は、目の横幅を大きく見せる効果が期待できる整形手術です。
目の印象が大きく変わる整形手術である「目頭切開」は、一般にもよく知られていますが、目尻切開についてはあまり知られていません。
そこでこの記事では、目尻切開の術式や効果、失敗例や修正手術などについて解説します。
目を大きく見せる整形手術を検討している人は、選択肢のひとつとして、ぜひ参考にしてください。
目尻切開とは
目尻切開とは、目を大きく見せる効果が期待できる整形手術のひとつ。目尻の皮膚と粘膜を数ミリ切開し、目尻の幅を顔の外側に向かって広くする手術です。
目尻切開にはいくつかの術式がありますが、代表的なものは以下の3つです。
目尻切開の術式1:I字型切開法
I字型切開法とは、目尻の皮膚を、顔の外側に向かって一直線に切開を行う術式です。
I字型切開法のメリットは、傷あとが目立ちにくいこと。しかし、一直線に切開して縫合するだけであるため、目を大きく見せる効果はほかの術式にくらべ小さくなります。
また、横方向に一直線に切開するだけであるため、目尻を縦方向に広げる効果は期待できません。さらに、傷の治癒とともにあと戻りしやすいというデメリットもあるようです。
目尻切開の術式2:W字型切開法
W字型切開法とは、目尻の皮膚をWの字を横にした形で切開し、切開線の上下の皮膚を切除して縫合する術式です。
W字型切開法では、目尻が外側だけでなく、上下方向にも広がるため、目を大きく見せる効果がほかの術式よりも大きくなります。
しかし、切開幅がほかの術式にくらべ大きいため、傷あとが目立ちやすいというデメリットがあります。
目尻切開の術式3:Y字型切開法
Y字型切開法は、目尻の皮膚をYの字を横にした形で切開し、Vの字を横にした形で縫合する術式です。
Y字型切開法は、その効果も傷あとの大きさも、I字型切開法とW字型切開法の間とされています。
目が大きく見える効果はI字型切開法よりは大きいものの、W字型切開法には劣ります。その代わり傷あとの大きさも、I字型切開法よりは大きく、W字型切開法よりは小さくなります。
目尻切開の術式4:単純切開法
単純切開法ととは、目尻の角の上下の皮膚を、それぞれ三角形に切除する術式です。
目が上下方向にも大きくなって見えるメリットがある反面、横方向への広がりは比較的少なく見えるデメリットがあります。
目尻切開の効果

目尻切開では、目が大きくなって見える効果が期待できます。これは目尻切開により、白目が露出する面積が増えるためです。
個人差はありますが、目尻切開では目の横幅を1ミリ〜5ミリ程度広げることが可能であるとされています。
術式によっては、目が上下方向にも広がって見える効果が期待できます。
さらに、術式により切開の幅や方向が異なるため、目の印象を切れ長にしたり、やさしい印象にしたり、つり目やたれ目の改善なども期待できます。
目の横幅が顔の外方向に広がって見えるため、術式によっては、小顔に見える効果も期待できる場合があります。
この目尻切開手術の効果は、基本的には半永久的に持続すると考えられています。ただし術式によっては、傷が治癒するときに多少あと戻りしてしまうケースもあるようです。
目尻切開の効果がない人

目尻切開は、目の構造によっては、あまり効果が期待できない場合があります。
目尻切開は、目尻の皮膚で覆われていた白目を露出させることで、目を大きく見せる治療法です。
そのため、もともと白目の覆われていた部分が少ない構造の目である場合は、目尻切開を行っても大きな変化は期待できません。
効果が期待できるか否かの判定方法
目尻切開の効果があるかどうかについて、正確には医師の診断をあおぐ必要がありますが、自分でも鏡を見ながらある程度判定できる方法があります。
その方法とは、目尻の皮膚を、指で外側に向かって真横に引っぱることです。
このときに露出した白目の横幅の長さが1.5ミリ以上であれば、目尻切開の手術により、ある程度目が大きく見える効果があるようです。
一方、露出した白目の幅が1ミリ以下である場合は、目尻切開の手術を受けても、目の印象はほとんど変わらないと考えられます。
目尻切開のダウンタイムと生活制限
目尻切開の術後のダウンタイムの症状には、目尻を中心とした腫れが起こるとされていますが、術後1週間ほどで引くことが多いようです。
また、白目の部分が腫れて、水が溜まったような感じになる結膜浮腫(けつまくふしゅ)が起こることもあります。結膜浮腫が起こった場合は、1〜2週間で改善することが多いようです。
まれに内出血が起こることがありますが、この場合も1週間〜10日で消失します。
傷あとは、手術から3か月ほどでほとんどわからない程度にまで治癒します。
この期間には傷あとが赤みをもつことがありますが、アイメイクでカバーする人が多いようです。
目尻切開の手術後の生活制限
目尻切開の術後は、以下のような生活制限を守る必要があります。
- 洗顔:手術の翌日から可能。
- 入浴:術後3日目ごろから可能。
- シャワー浴:患部を濡らさないように留意し、手術当日から可能。
- 洗髪:患部を濡らさないように留意し、手術の翌日から可能。
- アイメイク:手術から約1週間後に行われる抜糸後から可能。
- コンタクトレンズ装着:術後約1週間は控える。
- 運動:術後1週間は控える
- まつ毛エクステンションやパーマ:抜糸後から可能。
※ここに記載されている期間は一般的な目安です。正確な期間については、手術を受けたクリニックの指示にしたがってください。
目尻切開の注意点
目尻切開の整形手術を受けることを決める前には、知っておきたいことがあります。
次の2点の注意点を知っておき、納得できる場合にのみ、目尻切開の手術に踏み切ると良いでしょう。
注意点1:目頭切開は目の印象が変わる度合いが少ない
目尻切開は、目の印象が変わる度合いが少ない整形手術です。
目頭切開では、ミリ単位で切開を加えただけでも、目の印象は大きく変わります。しかし、目尻切開では、目頭切開ほど大きな印象の変化は望めません。
日本人の約8割は、目頭には蒙古ひだという皮膚がかぶさっています。目頭切開ではこのひだを切除するため、目の印象が大きく変わります。
しかし目尻には、目頭のように覆っている襞が存在しません。
目尻切開手術で切開できるのは、最大でも、眼球がおさまっている頭骨前面の穴「眼窩(がんか)」の骨がある部分までです。
しかしながら、目尻の角から眼窩の骨までは、非常にせまいスペースしかありません。そのため、目尻を切開しても、露出できる白目の面積はわずかなのです。
また、目尻は上のまぶたが被さっているため、正面から見たときに変化がわかりにくいともいわれています。
注意点2:まつ毛が生えない部分ができる
目尻切開で目尻の横幅を広げると、その部分のまぶたからは、まつ毛は生えてきません。
ただし、目尻切開ではそれほど大きく目尻の幅を広げることがそもそも不可能であるため、まつ毛が生えない上まぶたの幅もごくわずかです。
多くの場合は、よく見ないとわからない程度で気にならない人が多いようです。
注意点3:ほかの整形手術が併用されることもある
目尻切開だけでは目を大きく見せる効果がとぼしいと思われる場合は、ほかの整形手術が併用されることがあります。
しばしば併用される手術に「下眼瞼下制術(かがんけんかせいじゅつ)」があります。俗に「たれ目形成手術」「グラマラスライン手術」とも呼ばれるこの手術は、下まぶたのラインを下げる手術です。
たれ目の印象にするとともに、この手術でも白目の露出面積が増えるため、目尻切開と併用すると目がさらに大きく見える効果が期待できます。
目尻切開の失敗例
目尻切開の失敗例では、目が明らかに不自然な形になってしまうことはあまりないようです。
それは、そもそも目尻切開が、目の印象がそれほど大きく変化する整形手術ではないからです。
目尻切開でよく起こる失敗例としては、効果がないケースや、一時的に効果があっても、時間とともにあと戻りしてしまうケースが挙げられます。
このほかにも、目尻を切開しすぎてしまい、結膜が露出して、目が腫れているように見えるケースなどがあります。
このような目尻切開の失敗例に対して、修正手術に対応しているクリニックもあります。しかし目尻切開の修正手術は、難しい手術であるとされています。これは、まぶたの内部は複雑な構造になっているためです。
そのため、修正手術とならないよう医師選びは慎重に行う必要があります。
目尻切開の手術の流れ
クリニックにより細かな違いはありますが、目尻切開の手術は、一般に以下のような手順に沿って行われます。
手順1:カウンセリング
カウンセリングでは患者が希望する目の仕上がり状態をつくるために、目尻切開が適している治療であるか否かについて判断します。
適している場合は、目尻切開の治療の詳細について説明があり、目尻切開のデザインを決めます。
目尻切開の治療に関しての疑問点があれば、このときに医師に質問して、すべて解決しておきましょう。
手順2:手術当日の準備(麻酔とデザイン)
目尻切開をすると決まったら、契約などの手続きや手術の予約を行います。クリニックによってはカウンセリング当日に手術を行うこともできます。
実際に手術に入る前に、メイクを落とし、医師がカウンセリング時に合意した目尻切開のデザイン内容の最終確認を行います。
手術後の目の状態と比較するため、ここで写真撮影を行うクリニックもあります。次に、消毒をして局所麻酔を行います。
手順3:目尻切開の手術開始
麻酔が効いていることを確認し、目尻切開の手術を開始します。手術の所要時間は、両目で40分〜1時間程度です。
手順4:手術終了
腫れを抑えるため、手術後は目のまわりを30分〜1時間ほど冷やします。その後、患部にとくに異常がなければ帰宅できます。
目尻切開の手術にかかる費用
目尻切開の手術にかかる費用の相場を知るために、NICOLYでは関東を中心に複数院を展開している大手美容クリニック5院の目尻切開の料金を調べてみました。
この結果、目尻切開手術の料金の最低額は101,850円、最高額は280,000円、5院の料金の平均は200,720円となっています。
このことから、目尻切開の手術料金の相場は20万円前後であるようです。
ただし、クリニックによっては麻酔や、処方薬などが別料金となっている場合もあります。
正確な料金については、治療を受けることを検討しているクリニックでカウンセリングを受け、見積もりを提示してもらうと良いでしょう。
目尻切開まとめ
:)目尻切開まとめ
- 目尻切開とは目尻の皮膚と粘膜切開して目尻の幅を広くする手術
- 目尻切開にはI字型切開法・W字型切開法・Y字型切開法・単純切開法がある
- 目尻切開ではやさしい印象にしたり、つり目やたれ目の改善が期待できる
- 目尻切開は白目の覆われていた部分が少ない目の場合は効果がうすい
- 目尻切開後は目尻を中心に腫れや内出血が起こる場合がある
- 目尻切開後は洗顔や入浴などの生活制限がある
- 目尻切開では効果があまりなかったりあと戻りしてしまうケースがある
- 目尻切開は約20万円ほどで手術ができる
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