2018年02月20日 更新

脂肪吸引のしくみと術後経過、失敗例や修正治療の方法まとめ

脂肪吸引は、皮膚を切開し、細い金属の吸引管「カニューレ」を皮下に挿入して、脂肪細胞を吸引する痩身治療です。手術部位は見た目にも術前より細くなりますが、体重の変動はほとんどありません。皮下脂肪の厚みが2.5センチ以上ある部位に適用可能で、1回の手術での脂肪の吸引量は約3リットルほどです。

脂肪吸引とは、運動や食事制限せずに手術だけで部分痩せが目指せる美容整形です。

夢のような治療法に思えますが、実は脂肪吸引には減量の効果は期待できません。また、ダウンタイムも長く、リスクも伴う治療法でもあります。

脂肪吸引を検討されている方は、このようなデメリットについても十分に理解しておく必要があります。

この記事では、脂肪吸引の手術の内容や術後ケア、術後にたどる経過などについて解説します。

目次

脂肪吸引とは

脂肪吸引とは、数ミリ程度切開し、「カニューレ」と呼ばれる細い金属の吸引管を皮下に挿入して、脂肪細胞を吸引する痩身治療です。

脂肪吸引をした部位は、手術から1か月ほど経過してから痩身効果を感じはじめ、約3〜6か月ほどで完成とされています。

なぜ脂肪吸引が痩身に効果的なのかというと、太ってしまう原因となる脂肪細胞の数を減らすことができるからです。

人の体は脂肪細胞が大きくなったり小さくなったりすることで太ったり痩せたりします。運動や食事制限で脂肪細胞を小さくすることはできますが、数を減らすことはできません。

一方、脂肪吸引では太る原因となる脂肪細胞そのものを減らすことができるため、痩身効果が期待できるだけでなく手術部位はリバウンドしにくいとされています。

脂肪吸引では体重はあまり変化はない

多くの場合、脂肪吸引の手術後は、その部位は見た目にも明らかに手術前よりも細くなります。

しかし、体重は手術前とほとんど変わらない場合が多いようです。

これは、脂肪の比重が小さいため。脂肪は体積は大きいものの、その重さは、水に浮くほど軽いものです。

したがって、脂肪吸引により大きな体積の脂肪が除去されても、体重の変動は少ないのです。

:)比重とは?

1ccの水の重さと比較した、ある物質の質量のこと。比重が1より小さい物質は水に浮き、1より大きい物質は水に沈む。

「ベイザー脂肪吸引と通常の脂肪吸引との違い

脂肪吸引の術式のひとつに「ベイザー脂肪吸引」があります。ベイザー脂肪吸引は、比較的新しい術式。専用の吸引器「VASER®-LIPO(ベイザーリポ)」を使用。

ベイザー脂肪吸引は、細長い管「プローブ」から、脂肪に対し超音波「ベイザー波」を照射します。

ベイザー波が脂肪を乳化させ、周辺の線維組織や血管、神経から分離されることができ、脂肪吸引がしやすくなるといわれています。

このような特徴から、脂肪組織周辺の繊維組織や血管、神経などを傷つけにくいとされダウンタイムが短く多量の脂肪が吸引できるともいわれているのです。

ベイザー脂肪吸引の効果については賛否両論

ベイザー脂肪吸引は良い点だけではありません。

最初にベイザー波を照射させるため、通常の脂肪吸引よりも手術の所要時間が長くなります。

もちろん手術の所要時間が長ければ、麻酔の使用量も増えるため、体の負担も大きくなります。

また、吸引機が高価な機械であるため、ベイザー脂肪吸引の料金は、通常の術式の脂肪吸引の料金の2〜3倍の額が設定されています。

ベイザー脂肪吸引を高く評価しているクリニックも多くありますが、効果やダウンタイムは医師の技術の優劣の方が、より大きく結果を左右すると考える医師も少なくないようです。

脂肪吸引が可能な部位

脂肪吸引は、ほぼ全身の部位に対して適用可能であるとされています。ただし脂肪吸引で除去可能なのは、皮下脂肪のみで、内臓脂肪は除去できません。

皮下脂肪についても、厚さが2.5センチ以上あることが脂肪吸引が適応可能となる条件であり、厚みがある部位に対して行った場合に効果がに顕著にあらわれます。

したがって、下腹部や太もも、二の腕などの部位への脂肪吸引で、とくに大きな効果が得られることが多いようです。

一方、背中やふくらはぎなどの部位への脂肪吸引の効果は、見た目には目立ちにくい傾向にあります。

また、一般に、皮下脂肪が少なく、神経や筋肉が多い以下のような部位は、脂肪吸引が適応不可能となることが多いようです。

  • 手の甲と指
  • 足の甲と指
  • ひざ
  • すね お尻の下部

お尻は脂肪の多い部位ですが、お尻下部の脂肪には、お尻の上部の脂肪を支える役割があります。

お尻下部の脂肪を除去すると、お尻上部の脂肪が垂れ下がってきてしまうため、お尻下部の脂肪吸引は行わないクリニックが多いようです。

男性でも脂肪吸引を受けることは可能

脂肪吸引といえば、一般に「女性が受ける治療」とのイメージが強いかもしれません。しかし、男性でも脂肪吸引を受けることは可能です。

ただし男性の体は、脂肪のつきかたが女性とは異なるため、脂肪吸引で期待できる効果が女性とは少し異なります。

男性の体には、皮下脂肪よりも内臓脂肪がつきやすい特徴があります。しかし脂肪吸引では、皮下脂肪しか除去することができません。

そのため、皮下脂肪よりも内臓脂肪が多いタイプの人では、脂肪吸引により痩身効果は期待できません。

男性の体で皮下脂肪がつきやすい部位は、下腹部や胸部などの上半身であるとされています。

とくに下腹部は、女性よりも脂肪が多い男性も少なくないようです。これらの部位への脂肪吸引では、効果が出やすいといえます。

一度の手術で吸引が可能な量

脂肪吸引は、1回の手術において吸引可能な脂肪の量には上限があります。

一般には、1回の手術での脂肪の吸引量の上限は、5リットルであるとされていますが、これはとても体が大きく極度な肥満な人の場合が多いです。

実際には医師は、患者の体型や手術の部位、術前の検査結果などから安全制を考慮し1回の手術では最大でも3リットルほどの脂肪を吸引することが多いようです。

全身の脂肪吸引では手術を複数回にわける

複数の部位や全身の脂肪吸引の場合は、手術を複数回にわけて行います。

これは、1回の手術での脂肪の吸引量に上限があることに加え、脂肪吸引は体に大きな負担をかける手術であることが理由です。

脂肪吸引は、皮膚内部の組織が断裂され、皮膚内部での出血量も多い治療法。

1回の手術で大量または広範囲の脂肪を吸引すると、貧血を引き起こす恐れがあります。

脂肪吸引後のダウンタイム

一般には、脂肪吸引のダウンタイムは1〜2週間であるとされていますが、脂肪を吸引する部位や量、体質などにより異なります。

ダウンタイムには、主に以下のような症状があらわれます。

  • 痛み
  • 腫れ
  • 内出血
  • むくみ
  • 拘縮(こうしゅく)

※皮膚が硬くなったように感じたり、引きつれたような感覚がある症状のこと。

これらの症状のうち、術後すぐにあらわれるのは痛みと腫れ、内出血です。

脂肪の吸引量は範囲、部位にもよりますが、手術から1〜2週間はこれらの症状が強く出るため、自宅で安静に過ごすことが推奨されます。

一方、むくみや拘縮は術後1週間ごろからあらわれ、1〜6か月ほどかけて消失していきます。

脂肪吸引を受ける場合に必要となる休暇の日数

脂肪吸引から1〜2週間後は、大きな腫れや痛み内出血が目立ちます。そのため、術後1〜2週間の休暇をとる人が多いようです。

しかし、狭い範囲の脂肪吸引をしてダウンタイムの症状が軽い人は術後数日で仕事や学校に復帰したという人もいます。

脂肪吸引手後にたどる経過

脂肪吸引は、治療完成までに3〜6か月と、長い期間を要する治療です。

術後にはさまざまな症状があらわれますが、時間の経過とともに治癒していきます。

また、脂肪吸引の効果は、術後すぐにはあらわれません。ダウンタイムの症状の治癒とともに、徐々にあらわれてきます。

脂肪吸引の量や部位、体質などにより期間や症状は異なりますが、一般には、脂肪吸引の術後は以下のような経過をたどることが多いようです。

脂肪吸引直後〜3日目

脂肪吸引の術後3日間は、痛みや腫れ、内出血が強く出る時期です。腫れが強く出ているため、手術部位は前よりもむしろ太くなっているように見えます。

痛みや腫れのために動かしにくいため、日常の動作にも支障が出ます。

手術で消耗した体力や皮膚組織の損傷の回復をうながす意味においても、この期間はなるべく安静にして過ごすことが推奨されます。

脂肪吸引術後1週間目

術後1週間が経過する頃には、大きな痛みや腫れ、内出血は引いています。日常生活を少し楽に過ごせるようになりますが、まだ不便なことも多いのがこの時期です。

腫れが完全に引いたわけではないため、手術部位は依然として術前よりも太く見えます。

この頃から、手術部位にむくみがあらわれたり、手術部位の皮膚に拘縮があらわれたりすることがあります。

脂肪吸引術後1か月目

術後1か月頃にはほとんどの痛みや腫れ、内出血やむくみが引いており、日常生活の動作にもほぼ支障がなくなります。

腫れが引いていくとともに、手術部位が細くなっていくことが実感できるようです。

皮膚を切開した箇所の傷跡はまだ赤みをもっていたり、盛り上がりが見られたりします。皮膚の拘縮もまだつづいています。

脂肪吸引術後3か月目

脂肪吸引から3か月が経つと拘縮は改善し、傷あとも気にならない程度にまで色がうすくなっています。

脂肪吸引の量が少ない場合や、部位によっては、この頃にはむくみがほぼ解消しているため、治療前にデザインで想定した細さが実現しています。

そのため、この時点で治療完成と見なすことができます。

一方、大量や広範囲の脂肪を吸引した場合は、むくみがなくなるまでにさらに3か月ほどを要することがあります。

傷あとが、色がほぼわからなくなる程度まで治癒するには、術後半年〜1年を要します。

脂肪吸引後に行う圧迫固定・マッサージの必要性

脂肪吸引の手術後は、圧迫固定マッサージが重要になります。

圧迫固定やマッサージは、脂肪吸引の仕上がりを左右するともいわれるほど重要な術後ケアです。

圧迫固定の必要性

脂肪吸引の術後には、専用の装具を装着して圧迫固定を行います。

圧迫固定には、圧迫により手術部位から水分の排出をうながしてむくみを最小限に抑えると同時に、止血を行うことで内出血を防ぐ目的があります。

圧迫固定を行う期間は、脂肪吸引の部位やクリニックの方針などにより異なりますが、手術から少なくとも数日間は装具をつけたままの状態で、1日24時間圧迫を続ける必要があるようです。

その後約3か月にわたり、自宅にいるときなど可能なかぎり常に圧迫固定を行います。

マッサージの必要性

脂肪吸引の手術後、1か月が経過する頃からマッサージを行うことが推奨されています。

脂肪吸引で起きてしまう拘縮は、マッサージを行うことで血行が促されより早い改善が目指せます。

皮膚の拘縮は、早い場合は脂肪吸引の術後1週間頃からあらわれますが、マッサージは術後約1か月が経過し、医師の指示が出てから行うことが重要です。

これは、手術により起こった損傷や炎症の治癒を待ってから、マッサージを加える必要があるため。

また、術後1か月間は圧迫固定をする方が優先されるためです。

脂肪吸引で起こりうる失敗例

脂肪吸引で起こりうる主な失敗例には、以下のようなケースが挙げられます。

失敗例1:皮膚のたるみ

脂肪吸引で多量の脂肪を除去した場合、皮膚が十分に収縮しきれず、たるみができてしまうことがあります。

これは、とくに下腹部の脂肪吸引で起こりやすい失敗例です。

原因は、脂肪の不均一な吸引や、皮膚に近い層の脂肪の除去など、医師の不十分な技術。しかし皮膚の弾力性など、患者の体質による部分もあります。

失敗例2:皮膚の凸凹

脂肪吸引の手術後、皮膚に凸凹ができることがあります。

これは、脂肪の吸引ムラが主な原因。また、術後の圧迫固定を正しく行わなかった場合にも起こることがあります。

失敗例3:左右差ができてしまった

脂肪吸引により、体のラインに左右差ができてしまうことがあります。

これは、医師の技術が不十分であることが原因。左右どちらかの部位の脂肪を吸引しすぎてしまったことにより起こります。

脂肪吸引の失敗例の修正治療

脂肪吸引の失敗例のなかには、修正治療が可能であるものもあります。

修正治療1:皮膚のたるみの修正

脂肪吸引で皮膚のたるみが起こった場合は、レーザーや高周波の照射により皮膚を引き締める治療が適用されます。

たるみが大きい場合は、その部分に脂肪注入が行われることもあります。

修正治療2:皮膚の凸凹の修正

脂肪吸引によりできた皮膚の凹凸は、脂肪の吸引ムラが原因。そのため、再度手術を行い、取り残した脂肪を吸引します。

再度の脂肪吸引だけでは改善しない場合は、脂肪注入により凹凸を解消させることもあるようです。

修正治療3:左右差の修正

脂肪吸引によりできた左右差は、左右どちらかの部位の脂肪を除去しすぎたことが原因。

そのため、再度脂肪吸引を行い、取り残しがある側の脂肪を吸引することで、左右のボディラインを均等に調整します。

修正治療4:体のラインが不自然な場合の修正

脂肪吸引により体のラインが不自然になってしまった場合は、再度の脂肪吸引や脂肪注入により、自然な体のラインを形成します。

脂肪を除去しすぎた部位には脂肪注入を行い、取り残しがあったりバランスをととのえる必要があったりする場合は脂肪吸引を行います。

脂肪吸引の手術の流れ

脂肪吸引のカウンセリング後、手術を受けると決めた場合、以下のような流れで手術を行います。
脂肪吸引を行う前には、医師による診察、血液検査を行い健康状況を確認します。健康状況に問題がないと診断されてから、実際に手術へと進みます。

<脂肪吸引の流れ>

  1. 手術部位に体形や脂肪の付き方に合わせてデザインを行います。
  2. 麻酔を行い無痛の状態にします。麻酔は多くのクリニックが全身麻酔(静脈麻酔)と呼ばれる麻酔ガスや点滴からの眠った状態になるものを使用します。
  3. 脂肪吸引を行います。施術部位にカニューレを挿入し、脂肪を吸引します。
  4. ガードルやサポーターなどで腹部を圧迫します。
  5. 手術が終了後、少し休憩をとります。十分に休憩をとってから帰宅します。

脂肪吸引の費用の相場

部位 相場
両頬 8万円〜42万円
あご下 8万円〜42万円
両二の腕 10万円〜40万円
ウエスト 10万円〜30万円
下腹部 25万円〜60万円
お尻(全体) 25万円〜60万円
背中(全体) 40万円〜60万円
両太もも全体 40万円〜80万円
両ふくらはぎ 45万円〜60万円
両足首 5万円〜40万円

表の値段相場は、品川美容外科・湘南美容外科・城本クリニック・水の森美容外科・大塚美容形成外科といった、複数店舗展開している美容クリニックなどを参考にした料金になっています。

手術以外に、検査料、術後のサポーター料などが別途加算される場合があります。事前に合計でいくらほどかかるのか確認しておきましょう。

脂肪吸引まとめ

:)まとめ

  • 脂肪吸引とは脂肪細胞を減らし痩身をはかる美容整形
  • 脂肪吸引は見た目の効果に比べ体重の変化は少ない
  • ベイザー脂肪吸引は脂肪が吸引しやすくなる脂肪吸引のメニューのひとつ
  • 脂肪吸引は厚さが2.5センチ以上ある部位に対し治療が可能
  • 脂肪吸引は男性でも受けることが可能
  • 一度の脂肪吸引では3リットルほどまでの吸引が可能
  • 複数の脂肪吸引を受ける場合は手術日をわけて行う
  • 脂肪吸引のダウンタイムは1〜2週間、1か月ほど経過して効果を感じる
  • 手術後は圧迫固定やマッサージを行う必要がある
  • 脂肪吸引では失敗のリスクもあるが、修正治療で改善ができることもある

脂肪吸引の施術を受けられるクリニック

  • 大阪御堂筋線 心斎橋 駅より徒歩4分
  • VASER脂肪吸引お腹すっきり(腹+ウエスト+腰)780,000円

湘南美容外科クリニックの詳細

  • 福岡西鉄福岡天神駅より徒歩5分
  • お腹3部位脂肪吸引(上腹+下腹+側腹)710,000円

聖心美容外科 福岡院の詳細

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