【医師解説】脂肪吸引の事故は何故起こる?日本の美容医療の現状とは

脂肪吸引は事故が起こったニュースなどから「危険である」といった印象が強い治療のひとつ。しかし、美容医療が進んでいるアメリカでは日本のような事故が起きるケースはほとんどありません。それは日本とアメリカならではの違いがあります。アメリカに18年間滞在し、形成外科専門医として開業もしていたプラザ形成外科院長、クレ カツヒロ ・ロバート先生にお話を伺いました。

院長 クレ カツヒロ ・ ロバート

この記事は、院長 クレ カツヒロ ・ ロバート先生が監修しています。

脂肪吸引は、運動や食事制限をせずに気になる部分の痩身が目指せるとして人気の高い整形施術のひとつです。

しかし、数年にいくつかのペースで脂肪吸引による事故のニュースを耳にすることがあります。そのため、「脂肪吸引は危険な施術である」といったイメージを強く持っている方もいると思います。

脂肪吸引は、本当に危険な施術なのでしょうか?私たち患者側は一体どのようなことに注意をすべきなのでしょうか?

そこで今回、NICOLYではプラザ形成外科 クレ カツヒロ ・ロバート先生にお話を伺いました。


はじめまして。プラザ形成外科で院長を勤めますクレ カツヒロ ・ロバートです。

クレ先生のお写真

私はプラザ形成外科を開業する前に、18年間アメリカに滞在し、形成外科専門医として開業もしていました。

今回は私の経験をもとに、脂肪吸引に関する事故や、防ぐために重要なことについてお話したいと思います。

目次

脂肪吸引におけるアメリカと日本の事故の違い

脂肪吸引で起きしてしまう事故は、実はアメリカと日本では大きく異なります。

アメリカでも過去に脂肪吸引による死亡事故がありました。それは、おもに大量の脂肪吸引が原因の事故です。

大量の脂肪を吸引すると、出血量の問題だけでなく肺浮腫やショックを引き起こしかねない体液のシフトが起こりやすくなり、死亡に至ってしまうことがあります。

そのため、現在では大量の脂肪吸引を行う場合は、全身管理のできる外科ICUなどで術後の管理が徹底され、このような事故は防がれています。

一方、日本ではアメリカ人との体型と比べるとわかるように大量の脂肪吸引をするといったケースはあまり多くありません。そのため、大量の脂肪吸引による死亡事故はあまり聞きませんよね。

それなのに日本で事故が起きてしまうのは、問題が起きないための予防や対処法が行われていない、麻酔の危険性などをしっかりと習得できてしないことが関係していると考えられます。

日本の美容医療で多く起きる「麻酔」による死亡事故

脂肪吸引だけに限らず、日本の美容医療で多いのは麻酔による事故です。

例えば、豊胸施術後に亡くなってしまったというニュースが何年間おきにコンスタントにあるか思います。

これは、豊胸施術で使用されることのある硬膜外麻酔が関係しているように思います。

硬膜外麻酔とは、背骨のなかを走っている脊髄のまわりに麻酔を入れ、体の一部分を限局的に広範囲の麻酔をかける方法です。麻酔科医がいなくてもかけることができるので、経済的であったりクリニック側の利益が高くなったりといったメリットがあります。

しかしこの麻酔の安全領域は、本来であればおへそよりも下とされていて、脚の施術や脊髄の施術、帝王切開などで使用するものです。

そんな硬膜外麻酔を誤ってさらに奧まで刺してしまい、麻酔が効きすぎてしまった場合、呼吸不全で意識不明になり亡くなってしまうことがあります。

また、脂肪吸引でもよく使用される局所麻酔による死亡事故もあります。

局所麻酔には使用して良い量や濃度が決まっていて、患者さんの体重などから計算をしてどれくらい使用すべきかを決めます。

これがしっかりできていないと麻酔中毒により亡くなってしまうことがあるのです。

麻酔によるミスは本来であれば救える命

実は、このような麻酔によるミスをしたからといって、すぐに亡くなってしまうというわけではありません。

もし麻酔の入れる位置をミスしてしまったり、間違った量を使用してしまったりしても、実はしっかりと対処することができれば、救うことができます。

亡くなってしまうのは、医師に気道への挿管の技術がない、経験がないからです。医師が異変に気づき救急車で搬送されたとしても途中で残念ながら亡くなってしまうことが多くあります。

本来こうした大きな手術に際しては執刀医が麻酔をかけるのではなく、麻酔専門医が麻酔を担当すべきなのです。アメリカではそういうシステムになっています。

したがって、大学病院で行われているような外傷や病気の施術で、「麻酔が原因で死亡」という話はほとんど聞きませんよね。

ようするに、麻酔自体が危険なわけではなく、麻酔医でない、知識、経験がない医師が扱うことがとても危険なのです。

お腹の脂肪吸引で起きる「内臓損傷」による死亡事故

麻酔以外の事故では、お腹の脂肪吸引の施術ミスで内臓損傷が起き、亡くなってしまったというケースがあります。

脂肪吸引は、ストロー状の細長い管のカニューレといった細い管を使って施術を行ないます。利き手で管を入れていき、反対の手で先端がどこにいっているのか確認しながら行います。

このとき、反対の手で先端がどこにいっているのかしっかりと確認がとれていないと誤って脂肪層より深い層まで刺してしまい損傷が起きてしまうのです。

脂肪吸引による内臓損傷は施術後が重要

もし損傷してしまったからといってその場で異変が起きて亡くなってしまうわけではありません。

問題はそのミスに気づかず、患者さんをそのままひとりで、一人っきりの家に帰宅させてしまうことです。

損傷による異変は、その日の夜、あるいは翌日になってからで、そのときにはすでに受話器をとることも難しい状態になっているため、手遅れになってしまうのです。

もし誰かが患者さんの様子をしっかりとみることができれば、異変があったときにすぐに病院へ搬送することができると思います。そこで検査をして内臓損傷の治療施術を行えれば亡くならなくても済むでしょう。

交通事故でもお腹の中の臓器を損傷したって、施術をして助かることは沢山ありますよね。そう考えると脂肪吸引の施術で内臓損傷が起こっても通常は救えるのです。

ようするに、医療ミスが起こったとしてもそのときにしっかりと対処することができ、術後の様子をしっかりと管理できる状態であれば生命にかかわる事故は少ないと考えることができます。

脂肪吸引によって起きる皮膚の「でこぼこ」とは

脂肪吸引の施術が無事に終わっても「皮膚がでこぼこになった」という方がいます。脂肪吸引では、稀に施術をした部分がでこぼこになってしまうことがあります。

でこぼこは、特に皮膚や脂肪がやわらかい方に起きやすく、反対に皮膚が厚く脂肪も硬い方は起きにくいです。

皮膚が厚い方は、ガシガシと脂肪を吸引しても外側がしっかりと張っているのででこぼこが起きにくいのです。

例えば、空気があまり入っていないフニャフニャのビニールプールは水が入っていても、ぼこぼことゆがんでいますよね。皮膚も同じでまわりの皮膚の硬さは重要なのです。

人種で言うと、白人の方は皮膚が薄く脂肪も柔らかいのででこぼこが起きやすく、黒人の方は皮膚が厚く脂肪も硬いのででこぼこが起きにくいです。日本人はちょうどその中間くらいです。

日本人のなかででこぼこが起きやすい方というのは、中年以降の方で皮膚がたるんできている方、お産を繰り返して皮膚がたるんでいる方などです。

皮膚直下の脂肪吸引は「でこぼこ」が起きやすく医師の腕が重要

でこぼこが起きてしまうのは、体質のほか皮膚直下の脂肪吸引をする際に起こりやすいです。

皮膚直下の脂肪吸引とは、吸引する脂肪が少ない場合や、一度目の施術でデザインに失敗したときの修正、セルライト除去のときに行います。

少しでもミスしてしまうとでこぼこができてしまうため、皮膚直下の脂肪吸引はとても技量が必要となります。

そのため医師の技量が均一でないクリニックなどでは、皮膚直下の脂肪吸引は断られるか、もとから対応していないこともありますね。

プラザ形成外科の脂肪吸引の特徴

当院の脂肪吸引で使用する機器は、全てアメリカ製のものを使用しています。

カニューレには、太いものもありますが、当院ではアメリカ式マイクロカニューレといった幅が約2ミリほどのとても細いものもあります。細いカニューレは、皮膚直下や脂肪吸引の修正などに適しています。

このカニューレは細かな脂肪吸引が可能ですが、使用が難しく、よく注意しないとお腹なら臓器などを傷つけてしまう恐れがあります。

そのため、アメリカ式マイクロカニューレのような、とても細いものは腕が良く責任がとれるような医師しか扱うことは難しいので、どんなクリニックでも採用されているわけではありません。

脂肪吸引を受ける場合は必ず付添人がいることが条件

また、当院の脂肪吸引は"おひとりさま"では受けることはできません。脂肪吸引を受けるなら必ず付添人がいることが条件です。

付添人の方にしていただくことは、術後にただ一緒に帰宅してもらう人ではなく、一晩患者さんの様態をしっかりとみて、体調のチェックをしてもらいます。そして施術翌日に、付添人の方と一緒に当院まできていただきます。

これは、内臓損傷の事故のところでもお話したように、何か異変があったときにすぐに対処できるようにしておくためです。

もちろん、知り合いに秘密で脂肪吸引を受けたいという患者さんもいますので、そのような方には施術を大学病院に入院して行うオプションも紹介しています。

付添人が必要ないかわりに、大学病院なので色々な人と顔を合わせることになってしまう、料金が倍近く高くなってしまうといったデメリットもありますが、大学病院で行う施術は安全性が高いです。

脂肪吸引の事故を防ぐために重要なこと

今回お話してきたことからわかるように、脂肪吸引の事故や失敗を防ぐためには、医師の腕や、医師が万が一のときに対処ができるのかどうかが重要です。

麻酔による事故は、麻酔の危険性や対処法の知識がある麻酔科医がいるクリニックであればミスは起きないほか、万が一起こっても対処ができれば死亡には至りません。

お腹の脂肪吸引で起こる事故も、しっかりと脂肪吸引が習得できている医師が行えばほとんど起きないほか、何かあっても術後のケアがしっかりとしていれば死亡に至らなくて済むのです。

ほかのリスクも含めこれらはほとんどの場合、防ぐことができ、命を落とす必要もない事故ばかりです。

ひとつの安全を担保する意味では「形成外科専門医」を選ぶべき

しかしながら、患者さん達は医師たちのことはよくわかりませんよね。有名なクリニックであったり、有名大学を出ていたりすれば良いと思うかもしれません。

私がおすすめするのは、「形成外科専門医」の資格があり、美容医療の研修もしっかりとしてきた医師を選ぶこと。さらに、麻酔は麻酔専門医が担当しているクリニックを選ぶことです。

一人前の医師になるには、医学部を卒業後、何年もの研修期間が必要です。

形成外科医は少なくとも5年間、学会が認める医療研修施設にて研修を行い、専門医認定試験に合格して「形成外科専門医」となれます。

そのため、ひとつの安全を担保する意味では「形成外科専門医」の資格がある医師が良いと思います。

ホームページで医師たちの経歴が確認できない場合は、カウンセリングなどで直接聞くと良いでしょう。

クレ カツヒロ ・ロバート先生からのメッセージ

レ カツヒロ ・ロバート先生からのメッセージ

脂肪吸引の施術自体は、ちゃんと研修を受ければ決して難しい施術ではありません。

医師の腕が良く、万が一の対処や予防、術後のケアをしっかりと行っているところで行えば、安全に理想のボディラインが目指せ、これからの人生を明るくしてくれるとても良い施術です。

「脂肪吸引をしたいけどどこで行えば良いか迷っている……」

「危険性についてもってくわしく話を聞きたい……」

このような方はぜひ一度、プラザ形成外科へカウンセリングにいらしてください。

:)この記事の解説医師

クレ先生のお写真

プラザ形成外科 院長 クレ カツヒロ ・ロバート

アメリカ(米国)形成外科専門医、アメリカ病理専門医、アメリカ神経病理専門医、アメリカ脳神経外科専門医過程修了
横須賀アメリカ海軍病院インターン修了、アルバートアインシュタイン医大専門医課程修了、前マイアミ大学脳外科チーフレジデント
UCLA形成外科レジデンシー修了(2000年)、前UCLA形成外科チーフレジデント
アメリカ形成外科学会正会員 (ASPS)、アメリカ美容形成外科学会正会員 (ASAPS)、アメリカ(米国)医師免許 (6州で取得)
日本国医師免許・博士(医学, PhD)、日本美容医療協会適正認定医、日本形成外科学会正会員、東京女子医科大学非常勤講師

在米18年、ニューヨーク(マンハッタン)、ビバリーヒルズにて開業経験あり。
日米で30年以上にわたる卒後教育、研究、開業の経験があります。

※ドクターは日本生まれ、育ちですので、診療は日本語で行います。日米医師免許所有。

クレ カツヒロ ・ロバート先生へのご相談は「プラザ形成外科」へ

  • 住所東京都渋谷区広尾5-5-1 4F
  • アクセス東京メトロ日比谷線 広尾駅 出口2 徒歩1分 (広尾散歩通り、スターバックス隣り)
  • 休診日水曜・日曜・祭日
  • 診療時間9:30〜18:00
  • 電話番号03-5475-2345
  • 予約電話予約 WEB予約

※ クリニック情報や診療メニューなどは、公式ホームページから取得した内容ですので、情報の正確性は保証されません。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

プラザ形成外科の詳細

「プラザ形成外科」の脂肪吸引メニュー

脂肪吸引 価格(税別)
下腹部 300,000円~
太もも(内側) 300,000円~
二の腕 300,000円~
あご下 300,000円~
その他の部位 診察時に脂肪の量や面積を測定して判断

※価格は2018年2月時点のものです。予期なく変更する場合がございます。
※そのほか治療メニュー料金はこちらからご確認いただけます。

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脂肪吸引の施術を受けられるクリニック

  • 大阪御堂筋線 心斎橋 駅より徒歩4分
  • VASER脂肪吸引お腹すっきり(腹+ウエスト+腰)780,000円

湘南美容外科クリニックの詳細

  • 福岡西鉄福岡天神駅より徒歩5分
  • お腹3部位脂肪吸引(上腹+下腹+側腹)710,000円

聖心美容外科 福岡院の詳細

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