知っておきたい!「ヒアルロン酸注入」のしくみと効果やリスク

ヒアルロン酸は、人間の体内にもともと存在する、保水力にすぐれた物質です。美容医療でヒアルロン酸注入が行われる場合は、皮膚などのボリュームを増すことで、希望する形状をつくったり、しわなどを目立たせなくしたりする目的で使われます。即効性が期待できますが、体内で吸収されていくため、効果の持続期間は数か月〜半年であるとされています。

サプリメントや化粧品、美容施術などの名称でよく目にする「ヒアルロン酸」

「肌に良い成分」という認識はあっても、どのような成分なのかについて、くわしくは知らない人も多いのではないでしょうか。

ヒアルロン酸にはいくつかの種類があり、効果的に使用するコツや、施術に伴う副作用などのリスクもあります。

この記事では、ヒアルロン酸の特徴や作用、効果の持続期間や副作用など、効果的に利用するために知っておきたい知識について解説します。

目次

ヒアルロン酸とは

ヒアルロン酸は、人間の体内に存在するゲル状の成分であり、「ムコ多糖類」に分類される物質です。

「ムコ」とは「粘液」、「多糖類」とは「多くの種類の糖から構成される物質」を意味します。ヒアルロン酸も、高い粘性をもっています。

ヒアルロン酸は、体のさまざまな部位の細胞と細胞の間に存在し、細胞間や組織間を結合するはたらきをしています。

なかでも、眼球の硝子(ガラス)体や関節、皮膚などにとくに多く存在しています。

ヒアルロン酸の効果とはたらき

ヒアルロン酸の特徴は、優れた保水力で、1グラムで2〜6リットルの水を溜めこむことができるといわれています。

ヒアルロン酸はその保水力により、肌のうるおいや弾力を保ったり、衝撃を吸収して関節をなめらかに動かしたりするなどのはたらきをしています。

しかし、人間の体内のヒアルロン酸は加齢とともに減少。

そのため、加齢とともに肌のうるおいや弾力が失われ、関節の痛みなどの現象が起こりがちになります。

市販の化粧品やサプリメントの効果

現在、ヒアルロン酸が配合された化粧品や、サプリメントなどが多く市販されています。

これらの商品でヒアルロン酸を体内に直接補充すれば、肌のうるおいや弾力を取りもどすことができるような印象を受ける人も多いかもしれません。

しかし実際には、化粧品やサプリメントでは、ヒアルロン酸を体内に取り入れる効果はうすいと考えられています。

これは、口から摂取したヒアルロン酸は、消化の段階でアミノ酸とブドウ糖に分解されてしまうためです。

皮膚に含まれるヒアルロン酸を生成するのは、皮膚の奥の層である「真皮層」に存在する「線維芽細胞」という細胞のはたらきです。

そのため、皮膚に含まれるヒアルロン酸の量を増やしたい場合は、線維芽細胞のはたらきを活性化させることのほうが効果が期待できます。

線維芽細胞の活性化には、紫外線などの肌への刺激を避け、十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事などの方法が効果的であるとされています。

化粧品配合のヒアルロン酸は肌のうるおいを改善しない

では、肌に直接塗布する化粧品に配合されているヒアルロン酸は、肌の内部に浸透し、そのまま皮膚内部でヒアルロン酸として機能するのでしょうか?この答えも、残念ながら「NO」です。

化粧品の成分は「薬機法」という法律により、皮膚の外側の層である「角質層」までの浸透しか認められていません。

安全性の観点から、角質層よりも奥の層には成分を浸透させてはいけないこととなっています。

そして、角質層は死んだ細胞が重なってできている層であり、生きた細胞は角質層より奥の層に存在します。

そのため、化粧品に配合されているヒアルロン酸が角質層に浸透したとしても、肌の水分量が増加する効果は期待できないのです。

ヒアルロン酸注入とは

経口や化粧品で摂取するヒアルロン酸の効果は期待できないため、ヒアルロン酸を患部に直接注入する治療が行われることがあります。

例えばひざの関節など、ヒアルロン酸が不足している部位に直接、注射器を用いて注入。ヒアルロン酸の補充により関節液の粘性が回復し、関節がスムーズに動くようになるため、痛みをやわらげる効果が期待できます。

美容医療では、頬や鼻、涙袋などの顔や、乳房などにヒアルロン酸注入が行われます。

美容医療におけるヒアルロン酸注入の効果

美容医療におけるヒアルロン酸注入では、関節のようにスムーズな動きを回復する目的ではなく、注入部位のボリュームを増す効果をねらいます。

このように、注入部位のボリュームを増す目的で使われる薬剤は「皮膚充填(ひふじゅうてん)剤」または「フィラー」と呼ばれます。

ヒアルロン酸注入により、しわやほうれい線を伸ばしたり、皮膚の張りやボリュームを出したりする効果が期待できます。

ただしヒアルロン酸注入は対処療法であり、しわやほうれい線などを根本的に治療するものではありません。

あくまで、ヒアルロン酸を注入は、しわやほうれい線などの「溝」を埋めることで、目立たなくするものです。

美容医療で使用される主なヒアルロン酸製剤の種類

ヒアルロン酸製剤には、さまざまな種類があります。そのため、注入部位や目的に沿ったタイプのヒアルロン酸製剤を使用することが重要となります。

「やわらかい」ヒアルロン酸

粒子が小さなヒアルロン酸は質感がやわらかく、粒子が大きなヒアルロン酸は比較的硬い質感となります。

やわらかいヒアルロン酸は、皮膚の浅い層にできている小じわなどへの注入に適しています。

注入加減の微調整が可能ですが、体内での吸収速度が早いため、効果の持続期間が短いというデメリットがあります。

「硬い」ヒアルロン酸とは

硬い質感のヒアルロン酸は、鼻筋や豊胸など、しっかりとした形状をつくる必要がある場合に適しています。

体内で吸収される速度が遅いため、効果の持続期間は比較的長くなります。

主なヒアルロン酸製剤の種類

料金が安価なクリニックのなかには、質の良くないヒアルロン酸製剤や、非正規ルートで流通しているヒアルロン酸製剤を使用しているところもあるようです。

このような場合、たいていはヒアルロン酸製剤の商品名が明らかにされていません。

そのため、施術を受ける場合は、使用するヒアルロン酸製剤の名称を明らかにしているクリニックを選ぶと安心です。

顔への注入に使用される主なヒアルロン酸製剤には、以下のような商品があります。

  • 「ジュビダーム」シリーズ(アラガン・ジャパン社)
  • 「レスチレン」シリーズ(Q-MED社)
  • 「テオシアル」シリーズ(TEOXAN社)
  • 「クレヴィエル」シリーズ(AESTURA社)
  • ベロテロ(メルツ社)

ヒアルロン酸注入が可能な体の部位と効果

ヒアルロン酸は、体のどこでも注入が可能なわけではありません。

ヒアルロン酸を安全に注入し、効果が得ることができる部位は限られています。

美容医療では、以下のような部位にヒアルロン酸注入が行われ、それぞれの効果が期待できます。

ヒアルロン酸注入が可能な部位 期待できる効果
額のしわが目立たなくなる/額にふっくらとした丸みが出る
こめかみ こめかみに適度なふくらみが形成され、若々しい印象になる
眉間 眉間のしわがなくなる
目の下 目の下のくぼみやクマが解消される
目尻 目尻のしわが目立たなくなる
涙袋 ふっくらとした涙袋が形成される
ゴルゴ線 ゴルゴ線が目立たなくなる
ほほ ほほのくぼみが解消され、ふっくらと若々しい印象になる
鼻筋 鼻筋が高くなる、曲がった鼻筋がまっすぐになる
ほうれい線 ほうれい線が目立たなくなる
口角 口角のしわが目立たなくなる
唇の縦じわが消え、ふっくらとした唇になる
マリオネットライン マリオネットラインが目立たなくなる
あご あごのしわが目立たなくなる
乳房 乳房のサイズが大きくなる/大きさや形の左右差の解消

※ゴルゴ線……目頭のすぐ下の部分から、ほほの中央にかけてできる線状のくぼみ。
※マリオネットライン……口角の両端からあごに向かって伸びるしわやくぼみ。

ヒアルロン酸注入の効果の持続期間

ヒアルロン酸はもともと人間の体内に存在する成分であるため、アレルギーを起こすリスクもなく、安全に使用できる物質であるとされています。

しかし「もともと人間の体内に存在する」ということは、体内で吸収もされやすいということを意味します。

そのため、ヒアルロン酸の種類によっても差がありますが、一般には、注入したヒアルロン酸は数か月〜半年ほどしか効果が持続しません。

ヒアルロン酸注入の効果を維持するためには、半年〜1年おきに注入をくり返す必要があります。

「効果の持続期間」と「吸収されてなくなるまでの期間」の違い

ヒアルロン酸注入の施術の効果は一般に、数か月〜半年ほどであるとされています。

しかしこれは、注入から半年で、体内で完全に吸収されてなくなるということではありません。

ヒアルロン酸は注入直後から、徐々に周辺組織に馴染んでいくとともに吸収されていき、完全になくなるには、2〜3年を要するのです。

したがって、半年〜1年おきに同じ部位に注入をくり返すと、その時点では前回注入したヒアルロン酸が少し残っていることになります。

そのため、定期的な注入をくり返すと、前回注入のヒアルロン酸の残りが積みあがっていくため、効果を実感できる期間も徐々に長くなっていきます。

ヒアルロン酸注入の副作用とリスク

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質であるため、アレルギーを起こすリスクも低く、安全に使用できるとされています。

しかし、ヒアルロン酸注入には以下のような副作用やリスクが伴う場合もあります。

副作用1:感染

ヒアルロン酸注入では、感染が起こるリスクはゼロではありません。

これは、ヒアルロン酸が「使いまわし」されている場合に起こる可能性が高くなるリスクです。

ヒアルロン酸注入の料金は、製剤1本(1cc)買い取り制の料金設定になっている場合と、0.1cc単位で料金が設定されている場合があります。0.1cc単位の場合、余ったヒアルロン酸をほかの患者に使用します。

この際に、肝炎などに感染したり、ヒアルロン酸の保管の過程で細菌が繁殖したりすることで、感染症を起こしてしまうリスクが考えられるでしょう。

副作用2:皮膚の壊死

稀ではありますが、ヒアルロン酸注入により、小鼻や眉間などの皮膚の壊死が起こった例も報告されています。

これは、注入したヒアルロン酸が細い血管に詰まって血行障害を起こした結果、皮膚の一部に血液が供給されなくなったためです。

血行障害を避けるためには、ヒアルロン酸を少量ずつ、皮膚の色などに変化がないことを確かめながら注入していく必要があります。

副作用3:異物性肉芽腫

注入したヒアルロン酸を体が異物であると判断すると、しこりが形成されてしまう場合があります。このしこりを「異物性肉芽腫」と呼びます。

体内に異物が入ってくると、体は炎症を起こすことで、異物を体の外に排除しようとします。

しかし、異物が排出されない場合は、異物を膜でかこむことで、まわりの組織から隔離する反応がおきます。

この「隔離された異物」のまわりには、線維芽細胞や毛細血管などが発達し、「肉芽腫」と呼ばれる塊となります。

副作用4:アレルギー反応

ヒアルロン酸はもともと体内に存在する物質であるため、アレルギー反応が起こるリスクは低いといわれています。

しかし前述のように、ヒアルロン酸以外の成分が配合されたヒアルロン酸製剤も存在します。

このような製剤を使用する場合は、純粋なヒアルロン酸製剤を使用した場合よりもアレルギー反応が起こるリスクが高くなります。

ヒアルロン酸注入の失敗例の修正治療法

ヒアルロン酸注入の仕上がりが不本意な場合は、ヒアルロン酸分解酵素「ヒアルロニダーゼ」を注入して、ヒアルロン酸を溶かすことが可能です。

ヒアルロン酸の注入量などにより異なりますが、一般にはヒアルロニダーゼの注入後、早ければ1日、遅くとも数日でヒアルロン酸が分解されます。

しかしヒアルロニダーゼが分解するヒアルロン酸の量は、コントロールすることができません。そのため、ヒアルロニダーゼ注入により、ヒアルロン酸の一部だけなくすということは不可能であるため、注意が必要です。

また、異物性肉芽腫が形成されている場合は、ヒアルロニダーゼの注入ではなく皮膚を切除する必要があります。

肉芽腫が形成されると、ヒアルロニダーゼを注入しても、肉芽腫の内部にはヒアルロニダーゼが届かず、溶解することができないためです。

ヒアルロン酸注入による施術の流れ

クリニックにより細かな点に違いはありますが、一般にヒアルロン酸注入の施術は、以下のような手順にて行われます。

手順1:カウンセリング

カウンセリングでは、医師が患部を診察し、患者が希望する仕上がり状態を実現するために、ヒアルロン酸注入が適しているか否かを判断します。

ヒアルロン酸注入が適応可能な場合は、治療のデザインを作成します。

クリニックや施術部位によっては、カウンセリング当日に施術を受けることも可能である場合があります。

手順2:施術の準備(麻酔と治療デザイン確認)

ヒアルロン酸を注入では麻酔を行わない人が多いようです。痛みに弱い人は、麻酔クリームなどを使用してくれるクリニックもあるため相談しましょう。

この段階で、医師と患者が治療デザインの最終確認を行います。

手順3:ヒアルロン酸注入開始

治療デザインに従い、ヒアルロン酸を少量ずつ注入していきます。

注入する部位やヒアルロン酸の量によっても異なりますが、要する時間は、10〜15 分間ほどである場合が多いようです。

手順4:施術終了

ヒアルロン酸注入が終わると、冷却材を注入箇所にあてて約10分間ほど冷やす「アイシング」を行うことがあります。

アイシング後、患部に異常がなければ帰宅できます。

ヒアルロン酸注入の費用相場

ヒアルロン酸注入の料金設定は前述のように、クリニックにより、以下の2通りにわかれます。

  • ヒアルロン酸製剤1本(1cc)の買い取り制
  • 1回の施術でのヒアルロン酸の使用量を0.1㏄単位で支払う形式

都内を中心に複数院を展開している大手クリニック5軒の料金を調べたところ、全5軒がヒアルロン酸製剤1本(1cc)の買い取り制を採用しています。

これらのクリニック5軒のヒアルロン酸製剤1本の最低料金は12,000円、最高料金は80,000円、平均額は46,680円となっています。

そのため、ヒアルロン酸製剤1本の料金は、5万円前後が相場であると考えることができます。

ただし、同一クリニック内でも、ヒアルロン酸の種類によって価格が異なる場合も多く見られます。

クリニックによっては、ヒアルロン酸の買い取り料金に「施術料」として、3,000円〜10,000円が加算されます。豊胸施術の場合は、施術料は数万円〜10万円となるクリニックもあります。

ヒアルロン酸まとめ

:)まとめ

  • ヒアルロン酸は保湿力に優れている
  • ヒアルロン酸は化粧品やサプリでは効果はうすい
  • 美容医療では頬や鼻、涙袋などの顔や、乳房などにヒアルロン酸を注入する
  • ヒアルロン酸注入は対処療法であり根本的に治療するものではない
  • ヒアルロン酸には種類があり注入する箇所によって使い分ける
  • ヒアルロン酸注入の効果は個人差があり数か月〜半年ほど
  • ヒアルロン酸が体内に吸収されるまでは数年かかる
  • ヒアルロン酸注入では感染や皮膚の壊死、しこりなどのリスクもある
  • ヒアルロン酸注入は「ヒアルロニダーゼ」で溶解することができる
  • ヒアルロン酸注入の費用は1本買い取りで約5万円前後が相場

ヒアルロン酸注射隆鼻術の施術を受けられるクリニック

  • 福岡西鉄天神大牟田線福岡駅「南口」より徒歩約5分
  • 鼻筋ヒアルロン酸初回 46,000円

品川スキンクリニック 福岡院の詳細

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